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志貴岳…徳島県

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志貴岳                しきだけ



山行日                2014年4月9日
標高                 1073.3m
取りつき地点             美馬郡つるぎ町貞光猿飼(車道上部ピンカ−ブ)
下山地点                      一宇一宇(白山神社付近)
駐車場                なし(道路沿い広い路肩)
トイレ                なし
水場                 なし

メンバ−               坊主さん、むらくも



坊主さんから、メ−ルが入ってきた。
例によって例の如し、る−とのない矢印を引っ張っただけの地図が添付されていたのですが、その山は山名が載ってなくて標高だけでした。
地図には標高1073.3mと土釜、鳴滝、猿飼、成谷の四つの地名だけで、土釜といえば貞光から剣山へと走っている438号線沿いにある地名、その西にある1073.3mの山を調べたところその山は志貴岳。

志貴岳は昨年末に半田町の上蓮から登って、周回する予定だった山、しかし、ひょんな経緯から時間が足りなくなって、志貴岳には辿り着けず随分と手前にある焼堂峠からやむなく下山したのでした。
今回はその時のリベンジかなと思ったのですが、まったく違うル−ト。
坊主さんが計画する山はまず登山口がありませんが、取りつきはどうやら土釜の北、鳴滝の上にある集落で猿飼。
ここを起点にして周回するプランです。
マジシャンですね〜。

いつもなら即返で「きびだんごくれるならどこへでもついて行きまふ〜」となるのですが、この日ばかりはプランをちょいといじりました。
ここには峠などがいくつもあります。
焼堂峠もその一つでしたが、京女郎越、宇峠、安場峠、笠仏峠などなど。
折角ですので、猿飼の西にある安場峠と志貴岳東にある宇峠を入れて、猿飼から一宇へと縦走するのはどうじゃろか?
坊主さんからはいちゃもんはなに一つなく、快諾の返事。


因みにこのル−ト、調べたところ、国道438号線が出来る以前の古のル−トで、貞光から剣山に至る要所だったようです。
経路は「貞光南町−浦山−引地−笠仏峠−安場峠−志貴岳−宇峠−古見−切越−十家−久藪−明谷−平−河内−中野−漆野瀬」
そして漆野瀬からは分岐して一方は桑平へ、もう一方は葛籠堂へ。
そしてそれぞれの道を経て夫婦池に至るのですが、夫婦池手前で合流する地点の峠を池ノ峠(いけのたお)、そして丸笹山方向に登って、丸笹山南面を巻いて、見ノ越へ下り、そして剣山へ。

余談ですが、貞光からは丸亀へ至る道がありますので、想像するに、貞光から剣山への道は金毘羅さん詣での道であったとも考えられるし、また借子牛の道であったのではないかとも考えられます。
しかし、残念ながら、一部はっきりした踏み跡が残ってはいますが、国道438号線が開通し、誰もか通わなくなり、荒れたり、崩壊したりで、特に漆野瀬から桑平・葛籠堂への分岐道は438号線の建設工事により残されていないようです。
また、桑平道および葛籠堂道も道が一部崩れており、いまでは通行禁止となっているようです。
というわけで、剣山への古の峠道を辿り、志貴岳へ。

自宅5:15出発。
節約のため、高速には乗らずに道の駅貞光ゆうゆう館へ。
待ち合わせ予定時刻より15分も早く着いてしまいましたが、坊主さんはすでに忙しそうに辺りをウロウロ。
下山地点の一宇の白山神社に車を一台停め、とって引き返して鳴滝を眺めながら、猿飼集落の車道の広い路肩に停め、そこからピンカ−ブの取りつき地点まで歩くことにした。(参考までに、ピンカ−ブまで車で行けますし、広い路肩も近くにあります)

集落を歩くと趣のある建物、分教場でしょうか、そこは桜満開の小さな端山小学校跡でした。




さらに上っていくと、薬師如来が祀られている古くて立派な猿飼堂、上には新田神社があって、お詣りしてピンカ−ブへ。




入り口は杉植林の緩やかな谷間ですが、踏み跡があるようなないような、適当に尾根の鞍部へと上っていきます。
10分ほどで峠と思しきところに出ますが、そこには30cmほどの小さなお墓がいくつかあって、不思議な感じがしました。
一説では、麓で亡くなられた方がここに運ばれて、この墓地に葬られ、それでこの峠の地名が安場(安らかな場)となったとのこと。




尾根を左に折れて、踏み跡を辿っていきます。
相当に踏み込まれた道なんでしょうね、掘り割り状になってました。
ずんやりと杉植林が続きます。




足元に白い花びらが落ちていたので空を見上げると、あちこちにタムシバの花が満開です。
麓集落からマイク音声が聞こえてきたが、これは地元コミュニティバスの案内放送のようで、200円でご利用できます云々というもののようです。
やがて左下方向の山腹に林道が延びてきてるのが見えたが、これは猿飼集落から上がってきているもののようでした。




標高おおよそ800mあたりで突然に景色が開ける。
そこは伐採地、切り株は新しいものではなく、作業を継続している様子はない。
景色は東に開けていて、二つほど渓を挟んで一段と高く見えている山は友内山でした。




すみれですがなんというすみれなのか分かりませんが、杉が伐採され、日当たりが良くなったのであちこち一面に生えています。
標高851mにやってきたようです。
こちらからの景色は北東方向で山腹の集落は端山の上にある川見や三木栃のようで、遠くに聳える山は高越山。




伐採地はまだまだ続いていますが、めちゃ急登です。
斜度を測るために横からカメラで撮ってみましたが、平均45度、一部急なところではおおよそ50度はあったでしょうか、四つ足で這うようにしながら登りますが足に堪えます。
坊主さんも思わずブヒブヒと声をあげてましたが、イノシシだってこんなところは厭でしょうね。




標高950mを越えたところで、やっとこさ急斜面が終わり、ここで座り込んで一服です。
とはいっても煙草を吸うのは坊主さん、わたしはバナナとド−ナッツと紅茶で一息をいれます。
坊主さんは甘い物は苦手なようで、ド−ナッツを差し上げても要らないと素っ気ない返事。
わたしは甘い物を食べないと、すぐにガス欠起こして干上がり、バテてしまいます。
ガス欠起こしても我慢して歩くと、脂肪が燃焼し体重が減るのですが、根性無いのでようしませんわ。

樹間越しに見覚えのある景色が見えています。
方向は北西で、見えた集落は半田町の上にある曽我、白石のようです。
おや、こんなところに犬の鳴き声が届いてきます。
どうやら西麓にある日谷尾(ひがお)集落からのようでした。




いつの間にか杉の植林が無くなり、自然林が心地よい風を運ぶ。
ところどころで苔蒸したところもあったり、アセビの花も綺麗ですね〜。




10:41、志貴岳山頂に到着。
展望は抜群です。
遠くに吉野川が見え、山を挟んで半田や貞光の町があって、その奥に阿讃山脈がうっすらと。
この位置からだと阿讃は竜王山辺りになると思うのですが、のっぺりとしていて、どれがどれだかさっぱり把握できません。

それにしてもこの稜線はタムシバ天国です。
写真では分かりにくいのですが、尾根筋にはタムシバの花で白くなっている。




南に剣山、ジロウギュウの頂、ほんのりと雪の薄化粧。




こちらは丸笹山や塔ノ丸方向。




これは津志岳、その右ほうこうに松の影になってますが黒笠山。




こんなにも展望がいいとは思いもよりませんでした。
お天気は最高、時刻はまだ11時にもなってませんので、ここで食事をしながらコ−ヒ−も飲み大休止、ぽかぽかと気持ちがいいのです。
ジッとしていると次々と小鳥がやってきます。
坊主さんの2mほどのところで、小柄な鳥が小枝に止まってしばらくキョロキョロしてたが、やがて飛んでいった。
たぶん、コガラではなくヒガラだったような?

やや大柄な青い鳥が木陰からサ−ッと放れていった。
オオルリのようです。
なんとものどかな時間でした。
お陰で、1時間半もの間、くつろいでたようです。
そろそろ宇峠へと行きましょう。
立ち上がって、グッと南西方向にカメラを向けたのですが、これが黒笠山から矢筈山の稜線でしょうか?
この時期にしてはまだ真っ白くて雪深い。




こちらの稜線もタムシバだらけで、右を見ても左を向いても、真上を見上げても白い花で満開。
その昔、この稜線を歩いて、剣山を行き交いした人たちはこの時期のアセビの花やタムシバの花で旅の疲れが随分と癒されたでしょうね。
やがてグッと右にカ−ブを描いて下ったところに、宇峠、そこには小さなお地蔵さんが鎮座した祠がありました。
尾根を跨いで南北に踏み跡が着いています。




そして、ここにもいくつかのお墓があって、こちらのお墓は安場峠のものよりも大きいものです。
この峠を宇と名付けたその意味するところは…どんな歴史があるんでしょうか。
ここから右へと辿ると大宗を経て赤松、古見へと下山することができます。
昔の剣山への古道ですが、今日は、さらに東へと尾根を辿って一宇へ下ります。
古の本道を離れたこともあってか、踏み跡はやや薄いような気がした。




尾根筋はやや分かり難い。
踏み跡がない馬鹿尾根にもなると、もう方向だけが頼りです。

やがて左右にコンクリ−ト舗装された林道が見えてきましたが、鞍部の先が小高いピ−ク7になっているところに来て、堪らずに右側の林道へ下りてしまいました。
下り口はちょっとした高さのある急な法面で、法面に施された金網を指で摑みながらなんとか下りましたが、なんおことはない、そのまま直進して小高いピ−クを越えると、切り立った法面がない所を経て苦もなく林道へ下り立つことができたのです。

林道を南に辿ると大宗の集落へ。
北へは道がまだ出来ていないのか通行止めでしたが、どこへ繋ぐのでしょうね。




さらに東への尾根に乗り直しますが、その尾根への道には手すりが付けられていて、その先は見事な道がありました。




ところが、その踏み跡はぷっつり切れてしまい、消えてしまいました。
尾根もはっきりせず、分かり難くコンパス頼み。
飛び出したところは四国電力送電線鉄塔NO11の袂。
鉄塔巡視路が北方向にありましたが、これを辿ると土釜へと行く感じです。
あくまでもヤブ尾根を突っ切ることにして、しばらく我慢して南東方向へと歩く。




すると突然に南方向への濃い踏み跡が現れ、やがて小さな貯水タンク、そこから西へと方向が変わった。
やがて下方に集落の屋根、畑が見えて、ほっと一安心。
イノシシ避けの柵を開けて通り…。




集落へと下りる。
道端ではクサノオウの黄色い花が出迎えてくれました。




作業用モノレ−ルを辿って、棲んでいる人が少なくなったのでしょうね、もう使われていない草ボウボウの道を下ります。
ムラサキケマン。




車道に出た。
坊主さんが、左を見て、ピッタシカンコラキンと言ったか、それともバッチリコンと言ったのか、ドンピシャモンテンと言ったのか忘れましたが、そこは朝車を駐めた白山神社でした。
ついでに近くの茶畑の中にある四等三角点・一宇を探し出して、二人で意気揚々と車まで引き返しましたとさ。




対面にある綺麗に整備された畑と民家。
こちらの畑でものんびりと作業をしている姿がありました。




出発地点7:13−入り口地点7:45−安場峠7:56−伐採地9:20−851mP9:30−10:41志貴岳12:13−宇峠12:39−林道13:22−11番鉄塔13:58−14:23一宇下山口


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