Quantcast
Viewing all 134 articles
Browse latest View live

檜ノ丸ー八面山…徳島県

檜ノ丸、八面山          ひのきのまる、やつらさん


山行日              2015年12月22日
標高               1168m、1312.5m
登山口              つるぎ町一宇上剪宇
下山口                 同上 九藤中
駐車場              なし(林道広い路肩)
トイレ              なし
水場               九藤中川上流沢(標高おおよそ800m)
メンバー             ピオーネ、むらくも



一昔も二昔も前には、ブリタニカとか平凡社とかの世界百科事典と言って、全20うん巻20うん万円とか、ものすごい値段で買って、応接室の本棚に飾ってた。
それが当時のステータスシンボル的な、家族に向かって、あるいはときおり訪れる知人や親せきに対して、わしは知性があってピカピカ輝いててどや出世したやろみたいなことをやっていた。
ところが、そんな時代は過去の化石&遺物化してしまい、パソコンかスマホ一つあればどんなことも調べることができてしまう。
百科事典に載ってないことまで調べることができ、動画や画像が瞬時にみられたり、ありとあらゆる音楽を聴くこともできるようになった。
かくしてニキビ面の若者の部屋や殿方の寝室からエロ本がなくなり、いつのまにか白いポストが街角の隅から消えていった。
ひと頃原爆の作り方なんていうのもあったりで、世界中に衝撃が走ったこともあった。

温泉に行きたいともなれば、交通手段からそこへのアクセス、距離、時間、宿泊施設、当日のお天気、アルカリ温泉はヌルヌルでやれ美肌効果満点、酸性質の温泉はさらっさらで傷や化膿にいいだとか、海傍の夕陽大展望露天風呂に山の中の紅葉絶景温泉だとか、料理は新鮮ぴちぴちのイカスミぴゅっぴゅっ料理か山菜&きのこ鍋&イノシシぶひぶひ料理でどっちやみたいな、なんでもわかってしまう。
とにかく便利だが、落とし穴もある。
なんでもかんでも事前に調べてしまうと、結局はマニュアル化してしまい、時間にせかされて面白みもなんもなくなってしまって味気ないこと。
ある日突然にぶらーりと行って、無計画に無頓着に好きなところを風テンの寅さんのようにということができない。
山も同じようなもので、事細かくわかってしまうとさっぱり面白くない。

昨年、ちまちま隊のメンバーで「黒岩ー茶せんぎー友内山ー毘沙門岳」の稜線を歩いたとき、毘沙門岳から剪宇峠への下りで眺めた「檜ノ丸ー八面山」へと続く尾根筋が凸凹の激しい様相をしており、気になっていた。
同行していたアンジーパパさんからは、アップダウンが厳しくて、迷いやすい稜線だと聞いていた。
妻も長らく気に留めていたようで、12月に入って珍しく妻からこの稜線歩きの話を持ち出してきた。
八面山へは何度か訪れているが、いずれも奥大野もしくは大佐古から登っていて、剪宇峠からも九藤中も歩いたことはない。
下調べはせずに、2万5千図だけプリントアウトしていくことにした。


国土地理院地図には今回もっとも気になっていた檜ノ丸の山名が載ってなく、どのピークがそうなのかそれも把握せずに出かけた。
早朝4時半起床、6時前観音寺の自宅を出発。
このくらいの時刻に家を出れば、日が暮れる前には下山できるんでないかというザッパ過ぎる出発。
川霧が少し漂っていたが、猪鼻トンネルでは気温5度、この時期としては暖かい。

貞光から国道438号線を剣山方面に走り、岩戸を過ぎ久藪集落への赤い大鳥居のある変則四つ角を伊良原方面へと左に折れる。
ほんの少し走ったところで四つ角があって、その付近の広い路肩に車を一台デポ。
因みにこの四つ角を左に行くと大野の集落、右にとると伊良原集落、直進すると九藤中川を遡り林道は行止まるが、そこが八面山への登山口となっている。
引き返し国道438号線を貞光方向に走り、岩戸温泉を過ぎたところで剪宇方向に右折し県道259号線をくねくねと上っていく。
下剪宇を過ぎ、上剪宇の青い屋根の薬師堂を過ぎてダート道に入ったほんの少し先のところで山手側に剪宇峠への登山口(道標あり)がある。
259号線からさらに延伸するその未舗装の林道は、地理院地図には載ってはいないが、剪宇峠から檜ノ丸への稜線西側中腹に沿ってかなり奥まで伸びているようだ。

先日降った雪はこのところの暖かさで消えてない。
8:16、登山口道標のあるところからスタートした。
すぐに道は右と左に分かれるが、剪宇峠への直登は右、しかし、ここは敢えて左へと上った。
作業道左側の伐採地には気の早いミツマタの白い花がたくさん咲いていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



後ろを振り返ると、標高1073・4mの志貴岳の左中腹に赤松集落が見え、その後方に火打山への尾根筋がくっきり。
志貴岳には昨年の春に登り、そのすぐ西稜線上にある焼堂峠へは丁度2年前の12月に歩いている。
その尾根筋を眺めながら思い出してみるが、脳裏には断片的な景色しか浮かんでこない。
記憶力の悪いわたしだけかもしれないが、薄れゆく記憶の早いこと。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



20分ほどで稜線に乗ったが、右に進むべきところを左の毘沙門岳方向へと歩いてしまった。
毘沙門岳へ寄ってみたい気もしたが、今日は冬至で一年のなかで日が一番短くて、八面山までどれほどの時間がかかるかを把握していない。
慌てて南へ引き返す。

これから歩く1078mピークの尖がり頭が見え、その先の稜線はここからはわずかしか見えていないが、なんとなく多くのアップダウンが待ち構えていそうな雰囲気。
足元には季節外れのスミレがちらほら。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



8:53、見覚えのある剪宇峠に到着。
昭和48年(1973年)5月26日、この峠付近で長さ10m、直径30cmはあろうかという大蛇発見したことがマスコミを賑わした。
探検隊が編成され、付近で捜査した結果、40cmもの太さのなにかが這った痕跡があったという。
峠には、北側に大きな杉の木の根元には二体の太子像が祠に安置され、南側の木の根元には小さなお地蔵さんとその傍に手水鉢が置かれていたが、辺りはシンと静まりかえり鳥の鳴き声さえ聞こえない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



急登が始まり汗が噴き出す。
上着を脱ぎ、シャツ姿になる。
標高おおよそ980m、「剪宇の赤松」という標識があった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



赤松を見上げる。
空は青く快晴だ。
なおも急登が続く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



1078mピークに達し下りに差し掛かるが、前方右下方から話し声が聞こえてきた。
声のする方向が稜線からではないので不思議に思ったところ、そこは伐採地で下方向に林道が走っている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



40mほど下って下を覗いてみると重機が三台、何人かが作業をしていた。
30mほど登り返して小さな鞍部に、そこからは岩のやせ尾根になり、一か所難儀なところに差し掛かった。
さして大きな岩ではなかったのだが、前方に下っており細長くてステップがない。
なんとか乗り切った。
後ろから来た妻がその岩場で立ち往生してしまった。
180度の大股開き、そのままの姿勢で前にも後ろにも動きがとれなくなった。
うんうん唸り、必死の形相、あんなにおとろしい顔初めて見た。
修験道の開祖である役小角が従えていたとされる夫婦で、前鬼・後鬼(ぜんき・ごき)という鬼がいたそうだが、前鬼が夫で後鬼がその妻。
写真で見たその後鬼さんそっくりでした。

体を支えてやり、手で足を握り、安定した置き場へ誘導した。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



岩場は乗り切ったかなと一安心と思ってたら、今度は見上げるように大きな岩が立ちふさがった。
左右ともに迂回するにはどうかなと思うようなかなりの急斜面。
直進しようかどうしようか迷いながら妻の顔色を見ると、妻はなんとか行けそうやと言う。
岩の隙間から木が生えているので、それをつかみながら登れないことはないが止めた。
わたしは3週間前に自転車で転倒し左足関節を強打、後部十字靭帯断裂で、膝がカクカクして力が入らない状態。
妻にも危険なことはさせられない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



急斜面だったが比較的安全な右方向へ一旦下りながら岩場を巻いた。
再び尾根に戻ったところには小さな祠があって、小さな鳥居が中に安置されていた。
標高1110mちょい、檜ノ丸大権現さんだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



それからは一転して岩場のない比較的なだらかな稜線歩きとなった。
妻は安心したこともあってか、股が筋肉痛やと訴えだした。
岩場で思い切り股開きをしたときの痛みなんだろうけど、普段のストレッチ不足で体が硬い。
わたしより足が長いはずなんだけどね、あら不思議?

ワイヤーがとぐろを巻いて日向ぼっこをしているし、前方には形のいいピークが見えているし、あれが八面山だろうか、いや、あの後ろかもしれない。
後方は剣山?
景色を眺め思いを巡らせる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



南西方向に白い頂、三嶺です。
その左は三嶺からの尾根続きのように写真では見えるが、塔ノ丸のようでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



西には矢筈山があって、手前に津志嶽、そしてこの位置からは黒笠山は矢筈山の左手に位置しているようです。
そして、斜面下を見ると、林道がここまで延びてきている。
写真を撮っている位置は標高おおよそ1140m、檜ノ丸山頂の少し手前の稜線上だ。
この林道はおそらく剪宇峠への登山口までつながっているだろうから、危険な状態から逃げようと思えばいつでも逃げられる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



ピンクのテープや境界杭がにぎやかです。
二段巻きテープの下方にもテープがあるということは、ここから林道へ降りられるという目印でしょうか?

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



11:15、標高1186m、檜ノ丸山頂に到着。
行程は登山口から3時間、まだ八面山へは半分の位置、八面山には14時頃になるが、山頂から九藤中へは2時間から2時間半と計算して、下山は16時過ぎ~17時の間、日没までにはなんとか下りられそう。
このまま前進することにしよう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



おなじみの境界見出標があって、初めて目にする五段巻きテープ。
五段巻き?
どんな意味があるんでしょうか?

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



檜ノ丸手前辺りからブナの木が目立ちはじめたが、カラマツ林も続いており、秋になれば見事な黄葉を見ることができるのではないかと思った。
足元にはカラマツの落ち葉が敷き詰められていて、清楚な印象でした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



突然歩きにくくなった。
どういうわけか尾根辺りはは背の低い灌木だけが伐採されていて、積み重なり行く手を阻む。
だいぶ長いこと続いたが、1190mPの次にある小さなコブを越え、八面山に近づいたところでやっと落ち着き、歩きよくなった。、

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



13:38、八面山山頂に到着。
遅まきながらここでお昼御飯です。
途中でバナナ休憩をしたり、小腹を起こしながら歩いたので、あまり空いてなく、パンと牛乳で済ませた。
妻は少し疲れた容子で、小さなカップ麺にお湯を注いで準備したが、あわてて食べるもんだから、麺に芯が残ってたようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



山頂からの展望は以前来たときより周りの樹木が伐採されており、よく見える。
こちらは南方向なのでたぶん赤帽子山とその奥は一ノ森でないかと思うのですが、当たってるかどうか?

Image may be NSFW.
Clik here to view.



こちらは南東方向、目視したときは雨量レーダードームが見えたので高城山だと思ったのだが、写真を見るとそれらしきものが写っていない。
まだ歩いたことのない綱付山はもう少し左に見えていたのがそうなんだろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



西には矢筈山、黒笠山。
14:02、下山開始。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



八面神社へ下る途中にあるブナの大木。
3mは優に超えている。
3年半ぶりの八面神社へお詣り。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



境内に低く張られた索道をくぐって、九藤中と奥大野の道への分岐へ。
道標には奥大野へ1.55km、九藤中へ2.7kmと記されていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



杉林の尾根筋を下るが途中に杉の根っこに小さな祠があって、やがて右岸から左岸へ渡渉する地点に着いた。
分岐からここまで足の疲れもあって休み休みしながら50分かかった。
地理院地図では九藤中への破線の道は谷筋に描かれているが、後日にログで歩いたルートを確かめると、尾根筋を歩いている。
そこからさらに10分ほどでもう一度左岸から右岸へ渡渉をするが両方とも橋はなく、踏み跡が明瞭ではないので注意を要する。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



沢を渡ってすぐに石垣が現れ、九藤中へ1.15kmと記した道標が立っていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



やがて九藤中集落の建物が現れ、鹿除けネットの中の道を歩くと…。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



整備された畑と民家が見えてくる。
道標に従って下るが、途中で右方向に折れ、モノレールのある民家の前をとおり…。
道標には九藤中林道へ0.45kmと記されている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



レールに沿ってどんどん下っていく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



レール道は450mを過ぎてると思うのにいつまでも延々と続く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



おかしいな~と思いながらもどんどん下っていくとやがてモノレール終点(この場合は始点だろうか?)
先ほど記されていた0.45km先の九藤中林道はここではなさそうで、もっと手前らしい。
道標からここまで歩いた時間が26分も…。
450mの歩きよい下り道はいくらなんでも26分はかからない。
どうやら他に道があったようで、わたしたちは間違ってしまった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



堰堤のある林道を下って、16:21、駐車地点に戻ってきました。
8時間ほどの歩きでしたが、今日は少し疲れました。
急いで剪宇峠登山口へ行き、車を回収。

今日は冬至、岩戸温泉か木綿麻温泉のどちらかに入るつもりで来たのですが、どちらもパス。
自宅のお風呂にユズを三個浮かべた。
いい香りが漂うお風呂で今日一日の山行を振り返えりつつ、「365日の紙飛行機」を口ずさむ。

人生は紙飛行機
願い乗せて飛んでいくよ
風の中を力の限り
ただ進むだけ
その距離を競うより
どう飛んだか
どこを飛んだのか
それが一番大切なんだ
さあ、心のままに
365日
飛んで行け
飛んでみよう

気持ちいい~♪
さあ、次の山に飛んでいこうっ!

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



上剪宇登山口8:16-剪宇峠8:53-剪宇の赤松9:19ー岩尾根10:19ー檜ノ丸大権現祠10:50ー檜ノ丸11:15ー1190mP12:46ー13:38八面山14:02ー分岐14:19-第一渡渉地点15:07-第二渡渉地点15:18-九藤中(モノレール始点)15:47-モノレール終点(林道)16:12-16:21九藤中川駐車地点

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかりやすい地図)→こちら
ルートラボ(距離や時間が把握しやすい地図)→こちら

八面山ー綱付山…徳島県

八面山、綱付山           やつらさん、つなつけやま



山行日               2016年1月15日
標高                1312.5m、1256m
登山口               美馬郡つるぎ町一宇奥大野
下山口                   〃       (県道260号線木屋平中野線ハメ石谷付近)
駐車場               なし(道沿い広い路肩)
トイレ               なし
水場                鉄塔保線路下る途中標高おおよそ1020m付近の沢
メンバー              ピオーネ、むらくも



昨年12月に八面山に登ったが、そこから東に派生する尾根にはいくつかの小ピークの先に綱付山の嫋やかな姿が見えていた。
綱付山のさらにその奥へは杖立峠があるが山の陰になって見えない。
杖立峠からは6年半ほど前に歩いたことのあるゆるゆるとした尾根が続き、正善山さらにその奥の権現山、城の丸へと至る。

八面山から綱付山へは直線距離にしておおよそ3km、杖立峠までは同じく5km、沿面距離にすればそれぞれに大雑把に4kmと6kmほどありそうだ。
出来れば杖立峠まで歩き太合へ下ってみたいと思ったが、日の短いこの時期、鈍足なことからも綱付山までが精一杯と考えた。
奥大野登山口から八面山山頂まで2時間、綱付山まで2時間プラス休憩30分、綱付山から下山口までが2時間でトータル所要時間6時間30分はかかりそうで、仮にロスタイム含めても7時間から7時間半ほどだろうか。
下山口は当初犬石峠としたが、国土地理院の地図には1191mピークと犬石峠の中間どころの尾根で三角錐に飛び出た登山道があって、その真上に送電線が描かれていた。
その送電線は北西にあるハメ石谷の車道へと下っていた。
送電線鉄塔に付きものの鉄塔保線路が車道から尾根へと、この付近につけられている可能性が高い。
もし、保線路がなくても西へ派生する枝尾根を適当に下れば車道にハメ石谷南の車道に降りられる。

今年は暖冬でさぬきの平野部にはまだ一度も雪は降っていない。
山間部も極端に積雪が少なく、相当な高所でやっとこさ霧氷が見られる程度、足元の積雪は3~4cmあるかないか。
着用することはないと思われたが、念のために簡易アイゼンをザックに入れて出かけることにした。


この日は平野部で最低気温1度、最高気温5度の予報。
寒い日は布団離れが悪く、目覚ましが鳴っても止めては寝る。
行くのを止めようかとさえ思う。
妻は私以外の人たちと出かけるときは、目覚ましが鳴らなくともサっと起きて、すっとんで出かけるが、わたしと行くときは布団を頭から被ったままいつまでも起きようとしない。

目覚ましが鳴って20分後、仕方なさそうにしてモゾモゾっと布団から頭を突き出し、衣服エイヤッとひっつかんでストーブの前へ飛んでいく。
自宅出発予定は6時、実際に出発したのは6時半、このロスタイムは想定内の日常茶飯事な出来事。
子どものころからの変わらない習慣で、親から学校遅れるでと布団の上から頭をどつかれても起きないというバカでイヤな子だった。
わたしの頑固で愚かな劣等感はふつふつと樽の底から泡立ち醸成され、いつの間にかアルコール純度100%の萌え萌え焼酎みたいな人間に育った。

そんな人間がある日山にのめり込むようになった。
それまで泡立っていた劣等感とそれによって醸成されたくだらない反抗心は山に登る数と正比例して癒されていった。
年月が経ち、いまではすっかりただの爺さんで、庭の片隅にでもころがっているカビの生えたタワシとかわらない。
そんなカビタワシは今日も妻と連れ立って、気温1度の猪鼻峠を越えて貞光へ行き、貞光から438号線を走り途中から県道260号線川又、木屋平方面へ。
260号線は一段と細くくねっている。

ハメ石谷まで走り谷を過ぎたカーブのところでいったん停車し、上空に架設された送電線の位置方向を確認、そこから左手山側に鉄塔保線路がないかどうか目視で確かめながら犬石峠方面へ車を走らす。
谷に架かった橋のところからほんの100mほどのところに鉄塔保線路を示す四国電力の小さなアングルが設置されており、保線路が斜面上へと延びているのが判った。
アングルは上部先端が赤いペンキで施され、胴の白いところには134と135の鉄塔番号を示す数字があり、矢印は134は上向き、135は下向きにそれぞれの方向を指していた。

下山口をここと決め、車を近くの広い路肩にデポ。
とって返して林道の奥まったところにある標高850mの八面山奥大野登山口へ。
そこにはつぶれた小屋があり、赤さびたドラム缶が3つ4つ転がっている。
八面山まで2km、9:14スタート。
積雪はなく、山肌はほんのわずかに降った雪がうっすら残っている。
まるで化粧乗りの悪い肌荒れしたばあさんの白粉のような顔をした景色だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



途中、天然記念物の赤松への道があったが無視。
突然左足膝に痛みが走った。
原因は11月に自転車で転倒して切った十字靭帯で、膝へのちょっとした角度と力の入れ具合によって、激しい痛みが伴い動かなくなる。
持ち上げようとしたが震えが起き、うずくまってしまった。
手で左足を押さえ、痛みと震えが治まるのを待った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



5分ほどで歩行再開、もう大丈夫。
登山口から30分弱のところで鉄塔に到着。
鉄塔Noは139番、ハメ石谷の保線路に表示されていた135番鉄塔の続きに位置している。
そこからは景色が開け、北東には八面山から綱付山へと続く尾根が見え、東には保賀山峠南にある1191m峰が聳え、南には赤帽子山から丸笹山へと続く山々(写真)が連なっている。
上空には薄い雲が覆っているが、青空が透け、光が分散し山を浮き上がらせている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



山頂まであと1kmの道標のところからは、標高1217.8m(三角点・大佐古)から東へと続く尾根をトラバース気味に歩く。
積雪時のトラバース道はわかりにく、歩くのに注意を要するが、今日はその心配もなく、前を歩く妻も汗が出るのか一枚脱いだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



トラバースが終わり馬酔木の道を抜けると、前方に崖が見え、その奥には八面山の頂。
九藤中への分岐を過ぎ、鳥居をくぐって八面神社に到着。
拝殿の右にある小屋、内には囲炉裏があったので休憩所のようでしたが、その右手から裏へ回ってみた。
うっすらと踏み跡がトラバース気味に続いている。
地図に描かれている八面山山頂を南に巻いて綱付山へと進む破線の道と思われたが、きわめて薄く、その様子からも近年使われていないのではないかと思った。
地図では八面山山頂のすぐ南側からも綱付山縦走路への破線が描かれているので、後ほどそちらも確かめてみよう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



拝殿の右側から山頂へと登る。
山頂の手前のところで右への踏み跡があったのでそちらへ進むと小さな祠があった。
GPSで位置を確かめたところ、どうやらここが綱付山縦走路への道らしいのだが、ここから先には踏み跡はない。
元へ戻って、10:54、山頂に到着。
昨年12月に登ってまなし、その時と比べて足元に申し訳程度の雪があって、ほんの少しだけ景色が異なっている。
山頂にはナツツバキの樹などもあり、一度季節をたがえて来てみたいものです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



二等三角点のある山頂からの景色は、周りの樹木が幾分伐採されたこともあって開けている。
東にはこれから行く綱付山が一本の背の高い木の向こうになだらかな山容を見せており、その左奥に正善山、すぐの左奥には尖がった東宮山、そしてさらに左奥にはこれも尖がった焼山寺山が聳えている。
綱付山の右奥には勝浦三山のうち二つの雲早山と高城山が聳えていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



高城山から南には天神丸とその稜線が横たわっている。
手前右手には赤帽子山への尾根があって、グッと左手前(一番手前の一つ奥)にはこれから歩くだろうと思われる保賀山峠と1191m峰がある。
1191m峰の中腹には送電線鉄塔の白く尖ったアングルが小さくかすんで見えた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



西には津志嶽方面の山並。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



もう一度東を振り返って、画面真ん中に正善山とその左奥東宮山、さらに左奥にある焼山寺山をズームアップ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



山頂でバナナを一本齧った後、北(檜の丸)方向へ歩き、小さなコブから尾根を滑り降りるようにして縦走路へ向かう。
途中で何度か立ち止まり、八面神社からの巻道がないかと目を凝らしてみたが踏み跡は見当たらなかった。
唯一、それらしきところを写真に撮ってみたが、もし地図上に載っている破線を辿るとしても、適当に歩くしかなさそうでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



急斜面が終わり緩やかになると、ホッとしますが、左植林、右自然林のいい尾根が続いています。
降り立った鞍部には平成九年に面積測量した折の杭が立ってました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



雪に残されたうさぎの足跡が木漏れ日の中をピョンピョンと続く。
北方向に景色が開けた。
先月歩いた檜の丸の山並が見えており、右下眼下には内田谷川から穴吹川への深い渓谷があって、ところどころに集落が見える。
写真は割愛したが、内田谷川の突き当りには半平山があり、その奥には高越山が聳えている。
吉野川も小さく写っているようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



鞍部から次のピークへの登り返しの途中標高おおよそ1210m、時刻は11:53、岩場に差し掛かった。
上へは少し危険だと感じた。
妻は右へ回り込めば行けそうだというが、だいぶ下を迂回しないといけないようだ。
左へ回り込んだ。
少し進んだところで前方の木の枝にピンクのテープが取りつけられているのが見えた。
いったん下って尾根へと上り詰め、今度は右へと巻いた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



後ろを振り返り、妻を入れて撮った写真がこれです。
その岩場を過ぎると、あとは普通の尾根、なんなくない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



12:09、おおよそ1250mのピークに立つ。
ここで食事休憩とした。
南への眺望が得られ、赤帽子山のなだらかな山頂の右奥に剣山と次郎笈、手前右手に丸笹山がくっきり。
昨夜スーパーで買ったサンドウィッチと牛乳で食事を済ますが、山で飲む牛乳は格別に美味しい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



休憩ポイントの1250mから下った鞍部のところからはいよいよ歩きよい尾根になった。
たぶん防火帯なんでしょう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



アニマルトラック発見。
たぶん、カモシカの足跡。
左手遠くに吉野川。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



12:53、保賀山峠への分岐地点から500m手前のところで綱付山方向からの林道と合流。
またまた小さなアニマルトラックに遭遇。
小さな穴に向かって一直線についてましたが、またその穴から出て違う方向へチョンチョン。
リスによく似た足跡ですが、リスより少し小さい、ネズミではない。
ひょっとしてヤマネかなと思ったが、ヤマネはこの時期には冬眠をしていて、雪の上には足跡は残さない。
この小さなかわいい足跡はクエスチョンマーク五つ物です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



その後、林道を歩いたり、防火帯を歩いたりしながら、ようやく前方に綱付山が見えてきた。
林道を離れ、綱付山への山道を登る。
林道は綱付山の左斜面へと延びていますが、これは先々で杖立峠からの林道と繋がっているのかもしれません。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



山頂直前で樹幹越しに見えた檜の丸。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



後方を振り返ると、八面山。
ここから見ると八面山からの縦走路への下り尾根がかなりきつい斜面であることがよくわかります。
ましてや八面神社からのトラバース道斜面はどぎつ過ぎます。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



13:33、待望の山頂に到着。
展望もなくなんの変哲もない平らな山頂ですが、初めての山っていうのはやはりひとしおです。
早速、もう一つの目的の、以前に在ったという高越山ー石立山縦走記念の杭を探してみましたが、三角点周りにはありませんでした。
残念ながらその杭は古くて朽ちてしまったのかも…。

ホットコーヒーを飲み一休みしたあと、山頂を背にして、元来た道を引き返します。
山頂から13分の位置の樹には、一本の赤テープが施されており、木の又に道標が挟まれていた。
東に綱付山、西に八面山、そして南に赤帽子山と記されている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



踏み跡は薄かったが迷わず南の尾根へ踏み込む。
下った最初の鞍部が保賀山峠。
東(左)へ下れば太合谷の西に走る県道260号線へと降り立つことができるが、ここは直進し尾根を登る。
妻は少し疲れたのか、しきりと、なんで登らないかんの!
また登るん?
文句たらたら、たらこ口をますます尖がらす。
おばはんのたらこ口はちっともかわいくない!
植林の杉の木には、持ち主の名前を書いたいくつもの木札が括り付けられていた。
1191m峰を含めて4つのコブを越えただろうか、四つ目の小さなコブでは尾根を直進せず、西に向きを取る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



少し下ったところで目的の四国電力阿南幹線鉄塔の下の広場に出た。
鉄塔Noは133番。
北北西斜面下には134番鉄塔が見え、その奥には今まで歩いてきた八面山ー綱付山間の稜線がご苦労さんと言っているように聞こえた。
年寄りになると幻聴が激しい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



260号線木屋平中野線へと下りる鉄塔保線路を探したが、杭はなくちょっと目にはわからない。
うろきょろした結果、伐採地に向かって下っているその保線路がみつかった。
少し下ったところでみつけた杭。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



伐採地を下って、下から133番鉄塔方向を仰ぎ見る。
134番鉄塔を示す杭があったが、それによると134番へは行って帰って来いの杭だったので、そのまま135番杭方向へと下る。
風景は相変わらず砂糖をまぶしたようなだんだら粉雪模様。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



沢に架かる小さな橋があった。
滑らないよう用心しながら渡った。
その直後、橋を渡り終えた妻が次の小さな沢で雑巾を割くような悲鳴を上げながら、沢床のぬめぬめした岩の上をころころ転がってゆく。

ダイジョーブかー!
イタイ!
ダイジョーブダー、クッション材はターンとついている。
イターイ!
全然、ダイジョーブね、慰めてあげた。
それよりカメラはどうなのよ、心配だわ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



15:48、ほぼ予定通りの時刻に車道に降り立つ。
すぐ上に止めてあった車に乗り込み、奥大野へと走らせた。

綱付山、早田健治さん著「四国の1000m峰」によると、伝説ではかつて、杖立峠一帯の稜線は海、つなつけの名は、船をつなぐ杭に由来するといわれていると記されていた。
真偽のほどはともかく、伝説というものは面白いものです。

妻は帰宅してしばらくは、打ったわき腹が痛んでいたらしい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



奥大野登山口9:14-No139鉄塔9:42-分岐10:29-八面神社10:36-10:54八面山山頂11:10-岩場11:53-12:06標高おおよそ1250mP12:25ー分岐付近通過13:14ー13:33綱付山山頂13:53ー分岐14:06-保賀山峠14:19ー1191mP14:40ーNo133鉄塔15:10-沢15:35-15:48下山口(車道)

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離や時間が把握しやすい地図)→こちら

三頭山・青龍山…徳島県

三頭山、青龍山             さんとうざん、せいりゅうざん



山行日                 2016年1月31日
標高                  734.2m、おおよそ860m
登山口                 美馬市美馬町貫通石
駐車場                 車道広い路肩
トイレ                 国道438号線沿い「太陽マーケット」(貫通石下)
水場                  なし
メンバー                ピオーネ、むらくも


4日前に歩いた池田町白地にある池田龍王山・禿ノ峰に続いて、今日も阿讃山脈の徳島側にある低山に登ることにした。
歩く予定の山は三頭山と青龍山の二山。
わたしたちの(といっても妻とわたしの二人だが)山歩きのスタイルは里山であっても同じ山には続けて登ることはほとんどない。
性格が飽きっぽく元来の浮気性なのだろうか、次々とできる限り歩いたことのない山を探しては登っている。
行く山が同じ山であったとしても、登山口やルートを違えて登るようにしている。
もしも同じ登山口・ルートであったとしても、それは季節を違えているか年数が経っているか、それとも妻の趣味とするある特別な花が咲いているときに限られている。

山は登れば登るほど、歩けば歩くほどになにかしら新しいことに気づき、新しい知識を教えてくれる
それはそれぞれの時間に見る風景や山を染める色合いや風や霧であったり、そこに生える樹々や咲く花であったり、棲む小動物や昆虫であったり、そして山に至る山間地での人々の生活や歴史であったりと様々なことを知ることができる。
長いこと何度も何度も通わないと理解したとはいえないだろう。

目新しい風景だけを追い求めていくことは、随分と浅はかなことだとは思うが、それでもやっぱり知らない山へと行きたがる。
長年このスタイルを変えられないし、変えようとはしない。
それは表面を一度だけすっとなぞって、それでわかった風な気持ちになっている中途半端な山への姿勢がそうさせているのかもしれない。

初めての山は心がワクワクする。
たぶん、それだけのことかと思っているが、それがどうしようもなく楽しいのだから仕方がない。
なんせ、山の数が多すぎて、一生かけても日本中の山どころか、西半分の山でさえ登り切れないほどある。
クライマーだのアルピニストだのはわたしからはとんでもないこととして除外して、ハイカーとして出かけてもそうなんですから困ってしまうのです。


というわけで、今日も生まれつきの浅はかな老夫婦は、こういうのを天然夫婦というのでしょうね。
天然温泉ならだれもが喜んでくれるのですが、ただの天然夫婦ではねー、うさんくさくて人間どころかお猿さんも喜びません。

早朝、空が白み始める時刻には川ではカモたちがガッガーと鳴き、その声で寝床から離れるのですが、今日は朝ドラもない日曜日、遅くまで眠りを貪る。
8時過ぎに、もそもそ起きてお湯を沸かし、ザック、ストックやらをわさわさっと準備して、美霞洞温泉方面へと車を走らす。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   太陽マーケット&手打ちそば           三頭山&青龍山周辺地図

まだ一月だというのにもう三寒四温が始まっているのだろうか、5~6日前に冷え込んだおりに降った雪で、いったん山は真っ白になったが、その後気温は上昇し雪は溶けてしまった。
今年はどうやら山への冬靴は履くことがほとんどないのかもしれない。
家から出るときにも冬靴は持参せず、オールシーズン用の靴を車に積み込んだ。

太陽マーケットから右、竜王山方面へと曲がったすぐのところに貫通石のモニュメントがあって、その広い路肩に車を止める。
アウトドア用のコンパクトな椅子を車外に持ち出し、いつも散歩用に履いているランニングシューズから登山靴に履き替え、ほんの少しだけ緩めに紐を結び元重清北小学校への太い車道を歩く。
(貫通石横から山手へと続く簡易舗装の細い道があって、本来はそこから登るらしかったのですが、後日になって知る)
時刻は11:15、こんなに遅く出発したのは里山ならではのことで、一月にしては寒くもなく暑くもなく、シャツ姿でちょうどよい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        貫通石                    車道歩き(左下の道はR438)


歩きだしてすぐに右後方を振り返ると美しい段々畑が広がり、さらに後方には竜王峠あたりから派生する尾根が吉野川沿いにある美馬市へと緩やかに落ち込んでいる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



快晴だ、言うことなし。
シャツ二枚でもうすーく汗をかくが、顔や手の肌にはひんやりした空気がふれ、気持ちがいい。
歩きだして10分余りで道路沿い右手に広い駐車場があって、その先の三叉路には緑の看板があった。
看板には左折200m先でさらに左折し「山人の里」(重清北交流促進簡易宿泊施設)と記されている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

  右道路下に見えた三頭トンネル         山人の里への緑の看板と三叉路

擁壁にはイノシシのイラストが描かれ、重清北幼小学校の看板が貼り付けられており、そちらへ向かう。
廃校となった学校施設を宿泊施設として活用しているようでしたが、妻の話では、一昨年の日本百名山ひと筆書きに引き続き、昨年2百名山ひと筆書きに挑戦した田中陽希さんが瀬戸内海をカヤックで渡り、三嶺への途中でここに泊まったとのこと。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    道路擁壁にあった学校跡の看板            山人の里(学校跡)

なんだかよくわからないまま集落をうろうろっとして、学校の南側へ行ったところ、小さなお堂があった。
中村大師堂だった。

三頭山と青龍山はガイドブックである徳島250山(鳴門岳友会)に紹介されているのですが、事前に国土地理院地図を見たところ、車道が三頭山山頂傍まで走っており、三頭越と青龍山を挟み込むようにして一方は西へ回り込み、もう一方は三頭越と寒風越の徳島側中腹を抜け、竜王峠を越え香川県へと下っていた。
要するに車で走れば容易に山頂へ行ける山だったので、あまり詳しくは読んでいなかったのです。
事前に頭に入れてきたのは、「貫通石」と「中村大師堂」それと二座の位置だけで、大師堂にたどり着けばあとは簡単に登山道が見つかり、鼻歌で歩けるだろう。
そう思ってたのです。
ところがギッチョンチョン、大師堂から先へはどう進めばいいのかさっぱりわからない。
妻が大師堂のすぐ左側の細い畦道が登山道でその先に竹藪があるという。
そのとおりに進んだが、畦道などないし、竹藪が見えない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       中村大師堂                      周りの畑

なにがなんだかわからないままに、大師堂の右側に細い畦道らしいものがあったのでそれを辿った。
畑の奥右側に竹藪があって、うすーくふみ跡が続いている。
登山道はこれだと決めつけてしまった。
なーんだ、大師堂左側でなくて右側じゃないか、250山ガイドブックは左と右を間違って刷ったんだわ。
人間というものは思い込みが激しい動物だ。
やがてそのふみ跡は雪の残る谷に消えてしまった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



ええーい!
なるようになるさ、上には車道があるし、たかが里山じゃないか。
とりあえずヤブの空いているところを目指して上へ上へと登っていくと、林道らしきところへ出たが、ススキやイバラが茂っており、あたり一面イノシシの巣だらけ。
つい先ほどまで居たのじゃないかと思えるような真新しい足跡も残されている。
そんな林道を二つ跨いで、三つ目を辿った。
上にガードレールと車道の擁壁が見えてきた。
擁壁は5mぐらいある高いものだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



擁壁の根っこまで行き、右へと辿りアスファルト車道へ飛び出る。
妻は反対の左へと回り込み、同じく車道に飛び出す。
わたしは右利きで、妻も右利きなのだが小さいころは左が得意だったようで、こんなところでそんな癖がなんとなく出る。

車道からは北に1012.7m峰の形のよい三角のピークが聳え、その右奥に電波塔と展望台らしきものが小さく見えていたので、それが標高1059.8mの竜王山のようでした。
地図で確かめると1012.7m峰のすぐ奥が竜王峠で手前が寒風峠です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



車道を左、南へ歩くとすぐに二本の石柱が立つ広場だった。
広場を突っ切った奥の右階段を上がると、展望の良い東屋。
時刻は13:29、驚いた、予定時刻を1時間オーバー。
妻の話では中村大師堂あたりをうろうろしているときに集落から正午を報せるチャイムが鳴っていたとのこと。
最近、お腹が空かないんですよね。
それなのに、現在の体重は68年間の人生史上最高重量。
食べてないのに太る。
ときどき絶食もしてみる。
ところが中途半端にラマダーンの真似事などすると、ますます太る。
どうしてなのか?
ぷくぷく病という病なのか。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



南への景色は絶景だった。
眼下に吉野川、対岸の町は半田町だろうか?
だとすると奥の山並みは腕山、日の丸山、桟敷峠を挟んで風呂塔、火打山、矢筈山や石堂山も見えているのだろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



南東方向すぐ近くには、これから行く三頭山が見えていたが、その手前に樹木が生えてない小さなピークがある。
地図で見ると、ハングライディングサイトと言って、パラグライダーやハンググライダーの基地のようでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



西北西方向に振り返ると、青龍山の頂。
徳島250山のガイドブックによると、青龍山には小さな祠があって、信仰の山だそうな。
青龍とは青く清くとうとうと流れる吉野川を指しているのだろうか。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



写真を撮り終えて、さてお食事と思ったら、コンビニで買ったサンドイッチや飲み物をそっくり車に置き忘れてきた。
妻がサンドイッチとブルーベリージュースを分けてくれた。
ありがとね、優しいね。

食べ終えて、三頭山へ向かう車道からは北に景色が開けており、寒風峠~竜王山が一望できる。
手前にふもとの集落がありますが、右下方の枯れすすきの陰に、山人の里(小学校跡)の建物が見えています。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



車道の傍らのそこここにお地蔵さんが…。
この道は、かつては金比羅さんへの古の路で、徳島側のあちこちから三頭越に通じている。
三頭越には鳥居があって、徳島側には金比羅大権現、香川側には三頭山大権現の額が収まっている。
昔は様々な方たちがこの道を往来していたことでしょう。

道左側に東屋があった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



東屋からは東に景色が開け、吉野川の蛇行する先には徳島市街が見え、その先に紀伊水道が見えているような気がした。
ひょっとして右側にうっすらと小さく眉山が写っているのでは…。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



後日に気が付いたのですが、徳島250山のガイドブックによるとこの東屋の左側からふもとにある中村大師堂へと下るルートがあるらしいのですが、確認はしていません。
ハングライディングサイトのピークに登って、その奥へと歩くと、三頭大明神さんがあり、石には昭和61年4月吉日と刻まれていましたが、石柱の頭には古めかしい丸い重ね石が置かれていました。
もともとはかなり古いものだったんでしょうね。
新しく建立したようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



さらに奥へ進むとキティさんの標識もあって、三角点のある三頭山到着、14:10でした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



帰路、サイトの傍の大きな木とその下の大明神全体を撮影。
さらに南にある三頭神社にも寄ってみました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



1月のわずかに雪の残る神社境内で、神妙に二礼二拍手一礼。
心が澄み渡りますな~。
南には樹幹越しに電波塔が…。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



古い狛犬がありましたが、頭は相当に崩れていて、建立年月日もなにもありません。
神社から、再び来た道を引き返し、青龍山を目差します。
ここへ先に寄ったのは、下山ルートを確認したかったためで、もう一度往路のふみ跡のないヤブを歩きたくなかったのと、地図では林道が描かれてはいても、その林道がヤブ化している可能性が高く、当てにならないのを危惧したからでした。
三頭山への途中で北方向にふもとへ下っているしっかりした林道を確認したところで、安心して青龍山へと車道を進みます。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



お地蔵さんを入れて、バックに寒風峠方面の山並みをパチリ。
広場を過ぎて、往路歩いてきた道とは反対の左車道へ。
ほどなく三叉路があって、そこには百笑一起の会が立てた標柱が二本。
一つには三頭峠入口、もう一方には青龍の祠入口と墨書していた。
たぶん墨でしょうね、消えないもんなんですね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



一句浮かびました。
「竹林の道に残るや雪景色」
う~ん、今一やな、なんやそのまんまやないかいなと言われそうな句、お粗末すぎましたわ(-ω-)/
うさぎのポロポロうんこに遭遇。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



途中で三頭越への道から左折し、今度は古のニッサン・サニーと遭遇。
なんとも格好いい車じゃありませんか。
もしもエンジンが掛かれば、バッフォーン!ボロボロボロローンなんていう音が響くんでしょうか。
そして畑地跡の手前で右折し尾根の薄いふみ跡を追う。
15:10、小さな祠のある青龍山山頂に到着。
展望なし。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



もときたみちを引き返し、畑地跡からは右折し小さく周回を試みる。
おやま、今度はリヤカーの赤錆びた台車が林の中に転がってました。
このリヤカーで収穫した高地野菜や果物を運んでいたのでしょう。
往事が偲ばれます。

車道に出たところがここ、これでは入口がわかりにくい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



車道からはくっきり吉野川と、先ほどまで居たハングライディングサイト。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



そしてもう一度竜王山を眺めつつ、サイトで遊ぶ家族の子供たちの歓声を背にして、三頭山の下のはっきりした林道へ折り返すようにして左折し、下山開始。
道は広くてはっきりしている。
下るにつれ倒木があったりでだんだんと荒れてきますが、迷うようなことはない。
途中、道はいくつか分岐していたり、四つ角になっていたりするが、無視して直進したが、これが正解だったかどうか、後日ログを見て、一か所破線の交差するあたりで間違った可能性が大きいことを認めざるを得なかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



やがて索道のある伐採地に出た。
集落と、山人の里の建物が見え、写真の真ん中には小さく中村大師堂が写っている。
道は直進方向と、左折して伐採地の中を歩き大師堂方向へと進むふみ跡の二つに分かれている。
しかし、大師堂へのふみ跡には伐採した後の枝などで、覆われており、歩くのに難儀する状態だったので、止めて直進した。
直進先にはおそらく車道があると思った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



直進のふみ跡は新しくできたふみ跡で、伐採のための作業道だろう。
作業道の先には重機が置かれ、車道へ降り立つことができた。
この作業道へ登山口として利用するには、やや入り口がわかりにくく、見た目にも重機の上に道があるとは思えない状態だった。
ましてや、重機がなかったら、なおのことわからないだろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



山人の里の道を通り抜けるときに、大師堂を入れて、伐採地方向に写真を撮った。
中心より右側に小さく大師堂が写っている。
そして大師堂から左手奥へ一直線に向かった先が先ほどの伐採地で、ふみ跡に枝葉がかぶさっていた道があるところだ。
これは実際に現地に来てみて、方向を指で示されないとわからないルートだと思った。
方向を定めて適当に歩くしかなさそうです。
林道が入り乱れたり、その林道が長年放置され荒れている里山歩きは難しい。
いい勉強になりました。

16:33、予定より大幅に遅れて駐車している貫通石に戻ったために、途中の美霞洞温泉に入ることはあきらめて帰宅を急いだ。
車に積んでいたタオルや石鹸などのお風呂グッズは所在なさそうにしているように見えたが気のせいだったろうか。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



貫通石11:15-山人の里(小学校跡)11:35ー中村大師堂11:54ー広場13:25-13:29東屋13:54-三頭山14:10-三頭神社14:22-広場14:36-青龍山15:10ー広場15:32-下山口林道入口15:43-山人の里16:17-16:33貫通石     (※コースタイムはルートミス多くあくまでも参考程度としてください)

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口等位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間などが把握しやすい地図)→こちら

天神山~三角点・白地…徳島県

天神山、三角点・白地           てんじんやま、はくち


山行日                  2016年2月4日
標高                   489m、603.3m
取りつき地点               池田町白地(天神トンネル手前左折山手)
駐車場                  なし(路肩)
トイレ                  なし
水場                   天満宮(天神山)より南150mほどの尾根上標高おおよそ490m(ホースあり)
                     金比羅宮から天神山方向への道沿い標高おおよそ480m
メンバー                 ピオーネ、むらくも


予防医学は随分と進歩した。
それほど昔ではない時代には、バランスの良い食事を摂り、適度な運動をし、快適な睡眠をとることによって生活習慣病のリスクを軽減すれば、遺伝的要素や突然の怪我、伝染病などを除けば、健康な生活を保つことができると言われていた。
ところが今日ではそれだけでは健康を維持できないという。
かつてはがん、心疾患、脳血管疾患などは、喫煙や飲酒、ストレスが大きな危険要因として成人病と呼ばれていたが、いまでは子どもにもこれらに似た病が発症しており、たばこ、アルコール以外のところでの要因がクローズアップされ生活習慣全般のところで研究されている。
メタボリックシンドローム、肥満、糖尿病、高血圧、骨粗鬆、アレルギー、歯周病・虫歯、痛風、動脈硬化、脳血管疾患、がんなどなど、そして認知症も生活習慣病に含まれるのではないかと思われるデータも出てきている。

かくして、バランスの良い食事を得るためのさまざまな献立や食べる順序、快適な睡眠のために入浴の時間・時刻、お湯の温度の管理、最適な運動はいつどんなかたちで、腸内フローラを整え、ストレスを溜めないためには…などなど。
あー、これらを考えるだけでもストレスが溜まるというのに、認知症対策として頭の体操までしなくてはいけなくなった。
また、いくら適切な運動をしたところでその後長時間座っていることによって、せっかく運動した効果が、健康にはそれほど役にはたっていないということまで解ってきた。
一日の中で睡眠中を除いて、8時間以上椅子や床に座り続ける人はなんらかの成人病になるリスクが高く、死亡する確率が高いという。
いったいどうすればいいのよと言いたくなるが、要するに立ったり座ったりしていればいいわけで、例えば30分座って、2~3分立つ、これの反復作業が求められる。

因みに興味深い資料があって、265年間平和が続いた江戸時代の京都の町民は、激しい肉体労働に従事する者少なく、静かな暮らしぶりだった。
しかし、その一方で当時の高齢者は、現代人以上に加齢性の関節炎や骨粗鬆が進行している。
これは、早くから隠居したりして、運動量が極端に減少するとか、寝たきりになる人が多かったとか、体重超過の年配者が多かったとか、が、理由であろうか。
なにしろスポーツジムなどなく、ジョギングもしない時代のこと、加齢とともに、まるで坂道を転げ落ちるように、骨が弱まったことだろう。(引用抜粋―骨が語る日本人の歴史―片山一道著)
当時の人たちの平均身長は男で158cm、女で144cm、体重は男60kg、女50kg、肥満で樽型体型のメタボだ。
平均寿命は40年足らず、生活習慣病なども広がっていたものと想像できるが、乳幼児の死亡率高く梅毒蔓延の時代だし、社会事情が随分と異なるので現代とは単純に比較できない。
しかし、意外と動かない生活だったようだ。

オーマイガーッ!
いまこうして、パソコンの前に座っていて、キーボードを叩き、マウスをクリクリいじっている間にも30分はあっという間に過ぎ、1時間にもなろうとしている。

老後の生活は、朝目覚めればテレビを眺めながらコーヒーを飲んでボーっとしているわけにはいかない。
体操ーストレッチーウォーキングー頭の体操、掃除に雑ごとに、立ったり座ったり走ったり、やれ忙しく、なんだかんだでやがてお陽さまはあたりを紅く染め西に沈む。

というわけで、今日も妻と二人、趣味と健康を両天秤に掛けて美味しい空気を胸いっぱい吸いに、いそいそとお山へ出かけます。


出かける山は、今日も「徳島250山ー鳴門岳友会」おすすめの山、池田町白地の標高わずかに489mの天神山と、その南奥にある三等三角点・白地が埋設されている標高603.3mです。
前回三頭山へ行くにあたって、ガイドブックをあまり読まずに行ったため、ルートがわからずふみ跡のない藪歩きとなったため、今回は本に目を通した。
裏まで抜けた。

取りつき地点がいきなりの急斜面で、少しわかりにくいところらしいし、途中にあるTVアンテナから天神山山頂へはふみ跡が消えたり現れたり、山頂手前から山頂までは道がないので方向を定めて適当に歩けと記載していた。
ビビった。
妻にその旨伝えたところ、うんともすんとも返事がない。
同じくビビってるのかなと思ったが、そうではない。
わたしの天然はネクラ天然だが、妻の天然はネアカ天然で、生まれつき「心配する」という心が欠落しているのではないかと疑っている。
こういうときは親の顔を見ろというが、うーん。

気温4度の猪鼻トンネルを抜け、池田大橋を渡って、愛媛方面にある白地トンネルを過ぎ、天神トンネルの手前で左折し馬路川に架かる橋を渡る。
右には小さな工場か倉庫のような建物があるので、左へ折れ、すぐに駐車。

山手側の急な斜面に目を凝らすと、一か所、それらしいところがあって、上部右側にふみ跡がある様子だった。
靴を履き替えて、10:25、斜面に取りつく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



ふみ跡を右に沿って歩いたところで左へと曲がると、朽ちたトタン屋根の小屋と苔むしたコンクリートの水槽があった。
道はすぐに植林の中に入るが、古い炭焼き窯の傍をとおって、上へと続く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          小屋                       炭焼き釜

10:38、ガイドブックに載っていたTVアンテナが林の中に溶け込むようにした突っ立っている。
大きくもなく、小さくもなく、うっかりすると見過ごしてしまいそう。
アンテナから上へはふみ跡があるにはあるが、スギなどの枝や落ち葉が覆いかぶさり、すこぶるわかりにくい。
アンテナから14分のところ標高おおよそ320m付近で、ふみ跡の両脇に石積みがあった。
石積みの状態から、畑地跡ではなく住居跡らしい様子でしたが定かではありません。
先ほどのアンテナのコードは下方へと伝っていたので石積みとアンテナは無縁のものと思われた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        TVアンテナ                     石積み

落ち葉積もる斜面に日が差し込み、それまで林内のやや陰鬱だった雰囲気がやっと明るくなり、ホッとする。
またも石積みが現れた。
標高は先ほどの石積みからそれほどには上がってなく、おおよそ340m。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



その後、ふみ跡はなくなり、急斜面を避け、潅木や下草の透いているところを適当に登っていくと、標高おおよそ470mあたりでしたでしょうか、東方向へのふみ跡が現れた。
少し辿ったあと、山頂からは遠のきそうだったので離れて上にある茂みのなかの平たいピークに。
ピークからほんのわずか下ったところで、藪から透かし気味に建物の屋根が見えた。
神社だ。
どうやら天神山の山頂を過ぎて、少し下にある神社側へ寄ったようだ。
もう一度ピークへ引き返した。
11:36、テープも山頂標識もなにもない、のっぺらっとしたヤブの中の天神山山頂だった。

神社側に下りると手水があって…。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     天神山山頂付近の様子                 手水鉢

石垣に囲まれた天満宮の社があって、傍にはタオルが二枚干していて、微風に揺れていた。
かしわ手を打つ音が、冷たくシンとした山の空気をわずかに震わす。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



お参りをした後、参詣道の石段を下り、南への尾根へ向かう。
神社へ続く道はよく整備されており、手厚く守られていることがその様子からも窺い知ることができる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



鳥居は昭和22年に作られたものですが、狛犬はずっと古く大正4年、西暦に直すと1915年ですから、いまから101年前のものです。
おそらく鳥居は新しく建て替えられたものではないだろうか、神社の歴史はかなり古い様子。
その頃、当然のことなんですが、すでに麓には集落があって、この神社で様々な祭りごとが賑やかに行われていたんでしょうね。
どなたもいるはずのない光の向こうから、誰かが歩いてくるようなそんな光景が瞼に浮かびました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



鳥居をくぐって参道を離れ、薄いふみ跡のある尾根道を進んだ。
おおよそ標高490mあたりでしょうか、木の棒に支えられた黒いホースが地中からニョッと空中へ付き出て、その先から美味しそうな水が流れ出ていた。
地形が谷とか沢ですと、地中から水が湧き出すというのはあると思いますが、ここは尾根上、不思議な感じがした。
少し先に進むと蓋をした青い小さなバケツがあって、そこから黒いホースが地中に埋まっている。
バケツの裏にあるもう一方のホースは、これも地表を這ってその先では埋まっていた。
なーんだ、どこかに沢があって、そこから引っ張っているようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        流れ出る水                     尾根の様子

うー、杉の花が…、3日ほど前から微妙に目が痒くなっている。
11:57、標高おおよそ550mの位置で、カーブミラーのある車道に飛び出した。
プリントアウトして持参した国土地理院の1/10000地形図をポケットから引っ張り出して見た。
標高550mの尾根上には府甲部にある集落から延びている破線の道が描かれている。
どうやら破線の道は、いまでは立派なアスファルトで舗装された車道に造成されているようでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

                                    カーブミラー

車道を少しだけ南東に歩き、適当な位置から山頂へと取りつき、ヤブを分けると、そこには標高603.3mのピークに埋設された三等三角点・白地の石柱があった。
因みに三等三角點(點は点の旧字)と刻まれた面の方角はそのほとんどが南向きとなっている。
時刻は12:07、ここでお昼ご飯とした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



山頂には三角点以外には標識も、一点赤く染みのように枝に張り付くテープもなにもなく、展望はない。
山頂にある黒松の木の根っこにシートを広げて、妻と二人よっこらせっと足を投げ出す。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    山頂の様子

食事を済ませ、元来た尾根を引き返すと、祠の跡でしょうか、崩れているような石積みがありました。
丁度木の陰になっていて往路では気が付かなかった。
再び車道に出て、府甲部の集落方向へと歩く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

  木の根元に崩れた祠跡のような石積み          車道歩き

天神山への林道入口を通過して畑地の中にポツンとある一軒の民家に出たところ、景色が一気に開けた。
はいつくばったような山の下には吉野川が流れていて、見える町はJR三繩駅のある池田町中西あたりだろうか。
左端に見える山中腹の集落は池田ダム北の阿讃山脈側にある集落で西山でないかと思われた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

            最終民家前畑地から東北東に眺めた景色

車道の先には墓地や民家が続き、遠くに中津山らしき三角形の形のいい山が見えている。
気持ちのいい青空だが、高知方面はやや高曇り、明日は崩れるかな?

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                      南東方向

来た道を引き返し、途中から右に折れ神社および天神山方面への林道に入る。
小さな木の板で作られた道標が立っていた。
左、天神山・天神社400m徒歩10分とある。
右手に鳥居が見えたのでとりあえずそちらへ寄ってみた。
額には金の字と宮の字が読み取れたが、間にある字は薄れて読めなかった。
(後日、同じく天神山と三角点・白地を歩かれたこもれびさんのレポで、金比羅宮であることが判明)

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



戸の隙間からの中をぞき込む怪しい女。
なんと、カメラのレンズをねじ込んで、内側を撮影しようとする不届きな奴、罰当たりなネアカ天然め。
天然はドッヂボール顔をくヘラヘラっと崩して、天神山方面へ跳ねてゆき、三叉路を右に折れる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



標高おおよそ480m、水場があった。
林の中に古びたウィンチが一個、転がっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

  へら状の先から山水が流れ落ちる           黄色いウィンチ

再び三叉路を右に行き…
(左に行くとおそらく往路で歩いた天神山~三角点・白地間への尾根に出るものと思える)
天満宮の鳥居をくぐった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         三叉路                      天満宮鳥居

神社の裏手に回り込み、再びヤブの山頂に立ち、適当に下っていく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          天満宮屋根              透けた尾根

途中で往路とは異なった尾根へ突き進んでしまった。
妻と、こっちでもないそっちでもない、いやこっちだとやかましく騒ぎたてながら、最後には地図を取り出し、小さな谷を渡って東寄りへと修正する。
やがて見覚えのあるふみ跡が見つかり、ホッとした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

  植林の中に立つTVアンテナ       アンテナ先からは迷うことのないふみ跡が続く           

やがて水槽とトタン屋根の小屋傍を通過し、馬路川沿いの国道192号を走る車の音が聞こえてきた。
14:20、駐車する車に乗り込んで、財田たからだの里にある環の湯へと車を走らせた。

露天風呂に浸かり、そこから見える阿讃山脈の山並みをのんびり眺め、フーッと深い一呼吸、これがたまんなくいいんですよね。
妻も同じく露天風呂で、体を湯に沈めるたんびに、ワサワサーッと湯船の外にあふれ出る湯を眺めながら、ため息を二つ三つ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



取りつき地点10:25-TVアンテナ10:38-天神山11:36-尾根上水場11:44-車道11:57-12:07三等三角点・白地12:30-車道12:42-最奥民家12:45-分岐12:50-天神社12:59ー巻道水場13:08ー天神山13:14-TVアンテナ14:10-14:20下山地点

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などがわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離や時間がわかる地図)→こちら

牛の背・天狗塚…徳島県

牛の背、天狗塚               うしのせ、てんぐづか



山行日                   2016年2月18日 
標高                    1757.2m、1812m
登山口                   三好市東祖谷西谷林道 堰堤西
下山口                        同上    天狗塚登山口
駐車場                   なし(林道広い路肩)※天狗塚登山口付近に有り
トイレ                   なし
水場                    オカメ避難小屋付近
メンバー                  ピオーネ、むらくも


この冬は比較的暖かく、山に積もる雪は例年より極端に少ないところへ、4~5日前の気候などは五月上旬並みの気温まで跳ね上がってしまい地肌が剥き出しになった。
そんなおり、16日、阿讃山脈上空に重たく分厚い雲が覆い、カーテンを垂らしたような雪が降り、久方ぶりに山は一面白くなった。
翌日、道端で出会った、標高927mの雲辺寺山から降りてきたお遍路さんの話では、20cmの積雪の中を白い息を吐きながら歩いてきたとのこと。
天気予報を見ると、翌18日は平野部でも氷点下1度、日中の気温も一ケタにしか上がらない見込み。
今季、四国での雪山は、この機を逃すともううしろにはそうはないかもしれない。

前夜、久しぶりに棚から取り出したワカンをザックに括り付けたあと、お風呂に飛び込んで、ささっと布団に潜り込んだ。
行く山は牛の背から、天狗塚へかけての周回。
牛の背は茫洋としていて、まるで自分の人生のようで、霞がかかったようにぼやーっとしていてなにがなんだかわからないといった風情で、常にボケーッとして過ごしている人間としてはなんとなくおのれの姿をみているようでイヤなのですが、なんでかしゃん惹かれる。
ひょっとすると思いとは裏腹に、心の底ではとらえどころのないのっぺりした牛の背中のような台地が好きなのかもしれない。
稜線を歩いていると、背中に跨っているようで、歩く後方ではときおりモリッとした段クソが捻り落ち、ハエをピシッと叩く尾の音が聞こえてくるようなのどかな山だ。


標高410m、猪鼻トンネル手前の気温は-3度、走る路面は不凍結剤を撒いているのか、濡れたように鈍く光る。
しかし、まだ朝靄の残る祖谷トンネル付近に差し掛かっても道には雪がなく、トンネルを抜けたところでやっと、除雪した雪の筋が申し訳なさそうにして道端に残っていた。
例年のこの時期とは大違、これじゃー、山は霧氷どころではなくて、ワカンの出番はないかもしれん。

落合郵便局を過ぎて、西山林道へ入ってすぐに、工事中につき4km先より全面通行止めの看板があった。
西山集落あたりからところどころで道が白くなり光りだした。
四駆に切り替え、ノロノロっと高度を上げていく。
4km先ってどこらへんやろ、天狗塚登山口よりは手前やろか、妻と二人で首をひねりながら車を走らせる。
路面には複数の真新しい轍がついていた。
同じく登山者の方の車かと思ったが、違っていた。
堰堤付近にはいくつかの重機が置かれ、工事関係者の車が止まり、作業が行われている。

路肩に駐車し、作業をされてる方に駐車のお断りと、歩いての通行が可能かどうかお伺いしたところ、かまわないよとのこころよい返事。
駐車地点からピストンでもいいかなと思ってたが、これで周回OK、あとは積雪次第。

従前は堰堤から取りついて登ってたが、歩きよい林道が堰堤ちょい西側に造成されていて、そこから歩き出す。
時刻は8:15出発。
林道の積雪は10cmあるかなしか、空気は冷たく暖かい車内で温もっていた体は一気に冷え、目も覚める。
空は浮浪雲が浮かび、陽は真っ青な空気を一気に突き刺すようにして山に降り注ぎ、樹木や道に積もった雪に反射し眩しい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   西山林道駐車地点からの風景              林道登山口       

林道の幅は2.5mくらい、積もる雪はちりめん模様に影を作り、綿あめのようなふわふわッとした柔らかさ。
道はところどころで九十九折れにクキッと曲がり、緩やかな傾斜を描いていて、年寄りや女性の足には随分と優しい。
見覚えのある造林小屋が左下林の中にあって、気温が上がればたちまちにズリ落ちそうな雪が薄く屋根にへばりついていて、トタン屋根の波跡のようなつららが細く垂れさがっていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            林道                     造林小屋                 

周辺をつつみ込みながら漂う霧や白銀の雪原が幻想的な世界を作り上げるように、普段うっとう暗い植林もいったん陽光があたればそれなりに美しく見せてくれる。
開けた場所に出た。
カミキリムシの幼虫がミカンの木に穴をあけ、果木を台無しにしてしまうが、駆除のため白いペンキ状の薬が幹にベタベタ吹き付けられる。
それと同じ姿をした雪を纏った樹木の向こうには祖谷山系の山並みが、白い頂をキラキラさせていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           植林                   林道カーブから眺めた景色      

林道はいったんネットを張ったところに出て、以前の山道と合流するが、わたしたちはあくまでも林道を追う。
お馴染みの尻尾を引きずったネズミの足跡が戦車のようにコトコトと雪の上を這いずり、一つの穴へ消えている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        アニマルトラック                    巣穴?

林道は途中いくつかの枝道があって、かつての堰堤からの山道から眺めた景色を思い出しながら適当に登っていくが、稜線の手前で林道を離れ上へ。
そこそこの大きさの岩があって、そこが亀尻峠から続く尾根道との合流地点(亀尻分岐)です。
熱いお茶を飲み、一息入れるが、帽子をかぶった頭からは湯気が立ち上り、空気は冷たくて熱いようなひやこいような、「おやじ、ひやあつ大一丁」体はうどん状態だ。
岩の左横をすり抜けて、ここからはいよいよ牛の背への尾根ルート、標高は1240mに達しているのでこれから先の積雪の状態が気になるところです。
やや短くザレたトラバース気味の山道をクキクキと三回折れ曲がるが、足元は少々あぶなかっしくて、こういうところでは簡易アイゼンが滑り止めになって助けてくれる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         亀尻分岐                       斜面         

林床の尾根道をほぼ直登するが、カモシカと思われる足跡が先導役を果たしてくれる。
多くの動物は人のふみ跡を利用することで知られていますが、人もまた山道以外のところでは獣道を利用することがときおりある。
ふみ跡の全くないヤブを歩くよりは、獣道は断然歩きよくなによりも速くて安全かつ合理的。
カケスがジェーと鳴く。
おや、カケスって夏鳥と思ってましたが、留鳥なんですね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     先行するアニマルトラックを追う妻         風に飛ばされたドライフラワー             

植林帯が終わり、自然林が増えてくるとやがて登山道は尾根左側が切れ落ちるような斜面になり、景色が開ける。
ヒガラかなにかの小鳥の鳴き声が聞こえ、随分と癒される。
樹木が少なくなり、笹が増えてくるともう森林限界地が近くなったことを示す。
雪質はあいかわらずふかふかでしたが、30cmを越え、深いところではずっぽり膝まで潜り込む。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    標高おおよそ1540m付近風景        標高おおよそ1570mの雪の状態

森林を抜けたところで、登山道を離れ、西(右)の高いコブへ寄ってみた。
そこからは中津山や国見山、そしてかつて歩いた樫尾阿佐尻山や三方山がくっきり。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   森林を抜けて笹原へ

積雪は笹原を埋め尽くしてあたり一面銀世界、とはなってませんでした。
雪の上にわずかにミヤマクマザサの葉やコメツツジの細い枝が出て、風の跡を残してます。

前方の針葉樹の林からピーッと鹿の高い鳴き声が響き渡り、私たちの前を一斉に横切った。
普段ならドドドーッと地響きが聞こえるのですが、今日ばかりは音もなく、鹿たちのしなった弾力のある黒いシルエットが雪原を走り抜けてゆく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           風の跡                        鹿

鹿とカモシカとわたしたちの足跡以外にはなにもない静かな雪原を、ときどき振り返りながら上り詰めてゆくが、いつもながらきつい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                      妻はやや遅れ気味

いったい何度足を止め、息を整えただろうか、やっと雪の中にくっきりと目にしてわかる十字路に到着した。
この笹の中に残った十字路は古からの道だと思われるが、展望の優れた三角点のあるミツコバと言われるところをほんの少し無視したような位置にある。
亀尻から登ってきて、そのまま十字路を直進すると、ミツコバには寄らず、天狗塚へ行く。
右(南)に折れると谷道かもしくはオコヤトコへ下る。
昔、修験者の休息の場所であったといわれるミツコバ付近がなぜ十字路にならなかったのか不思議ですが、案外重要なポイントではなく、気まぐれに立ち寄って景色を眺めただけの休息地点だったのかもしれない。

左(北)に折れ、6分で三角点・古味に到着、時刻は11:54だった。
雪は風で飛ばされるのだろう、天狗の頭がちょっこり見える牛の背稜線の積雪は思ったほどにはなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     十字路から眺めた天狗の頭             三角点・古味         

シートを広げて食事とした。
冬の時期はカチカチに凍り付くおむすびは敬遠してパン、妻は熱いお湯を注いでインスタントラーメン。
展望が素晴らしくて、幾重にも山襞が刻まれた祖谷の山並みをしばし眺め楽しむ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                寒峰、前烏帽子、落禿、落合峠

食事が終わって立ち上がった瞬間、天狗塚方面の真っ青な上空に、きらりと光る真っ白な機体がこちらに向かって一直線に飛んできた。
手を振った。
ロックウィングともウィングウォークともバンクを振るともいうそうですが、翼が左右に振られ、手ふりに応えてくれた。
頭上をぐるっと旋回して、もう一度ウィングウォークを繰り返しながらこちらに近づいてくる。
妻がズームでカメラキャッチした。
機内でパイロットが手を振っている姿が写っている。
楽しくてヤケに感動しました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     吸い込まれそうな青空と白い翼

エンジン音をかすかに響かせて、西の空へ去っていくのを見届けたあと、天狗塚へと歩く。
真横から吹き付ける風が冷たく顔の皮膚がピキピキと痛い。
風に乗った雪が足元に舞い、キラキラとダイヤモンドのように光りをまき散らしながら谷へと吹き飛ばされてゆく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          牛の背Ⅰ                     牛の背Ⅱ

天狗の池で天狗塚をバックにカメラを構えたが、液晶モニターに写る雪景色は真っ黒で何も見えない。
構図が決められず適当に撮ったら、天狗の頭がちょん切れてしまった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    天狗塚と天狗の池

吹きおろす冷たい風は襟元から体の中へ浸透して、汗ばんだ首筋を乾かせてはくれるが、シャツまでは乾かしてくれなくて、なんとなく肌着がべたっとまとわりつくような感じだ。
天狗が目前に迫ってきた。
顔をグッと上へ持ち上げ、天狗を仰ぎ見ながら急斜面に取りつく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                      天狗塚直下

笹や木の枝をつかみながら体を持ち上げる。
汗が噴き出してきた。
3~40歩ほど足を持ち上げては休み、その都度後ろから来る妻と牛の背を振り返る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                      牛の背全景

13:48、雪が風で吹き飛ばされ地肌が露出した山頂に到着。
そこには動物の足跡が残されていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        天狗塚山頂                   山頂のアニマルトラック

熱いコーヒーをいっぱいと思ったが、急いで下山することにして、写真を撮るにとどめた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  国見山・中津山・寒峰

今日は比較的大気が澄んでおり、大山までは見えなかったものの笹ヶ峰と石鎚山が小さくくっきり。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     落合峠・矢筈山

剣山と次郎笈が三嶺の奥に見え、地蔵の頭から続く尾根先には綱附森、やれ、この稜線はまだ一部しか歩いたことがない。
待っとれや、必ず行くきんなと綱附に向かってつぶやいた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 地蔵の頭・西熊山・三嶺

南の谷道への尾根には、幾筋もの獣道が雪の上に血管のように浮き出ている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    谷道への尾根

西山分岐に向かって天狗を下り、鞍部にある岩場を過ぎて、天狗を振り返ってみた。
わたしのなかでは、天狗は何度も何度も振り返らずにはいられない山で、百名山の石鎚山や剣山もこれほどには振り返えることはない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           下山開始                       天狗塚

西山分岐の陰に回ると風が無く、シートを広げて一休み。
山で淹れた熱いコーヒーは格別な味がして、美味しいと感じる。
そしてなぜかホッとするのです。

さて、ここからは下山口のある西山林道までは下る一方。
吹き溜まりのひざ上までの雪を跳ね上げながら下るが、何度か雪の下の不安定な石のために膝から崩れ落ちて、ちょっとしたはずみに一度は顔から雪に突っ込み、もう一度は靭帯断裂した後遺症の残る左ひざを石に打ち付け、あまりの痛さにうずくまってしまった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           西山分岐                   下山Ⅰ

おおよそ1700m付近まで下って左後方を振り返ると、ちょうど牛の背と天狗塚の一部を見ることができる。
ここが天狗を見るラストの見返り坂だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            下山Ⅱ                    ダケモミ

ダケカンバやダケモミのピークを越えて、作業道のある伐採地までたどり着く。
あと一息だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         1476mピーク              東祖谷久保と矢筈山

16:38、鉄階段のある登山口へ下山。
青空に月がポツンと浮かぶ風景を眺めながら西山林道を堰堤方向に下って行った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       天狗塚登山口間近                     月

林道はところどころで真っ白に凍り付き、念のために装着したままにしていた簡易アイゼンの爪が、バリバリ音を立てて道にへばりついた氷を突き破る。
堰堤付近の林道復旧工事は今日の作業は終了し、朝、作業をしていたみなさんは引き上げてしまっていて静かだった。
※工事期間の終了予定日は本年3月29日。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          西山林道                  工事をする堰堤付近

林道歩きが42分、やれやれの思いでやっと駐車地点に戻りました。
長かった。
陽が西へ傾き、山はピンク色に染まってます。
久しぶりの雪山歩き、帰宅してお風呂で体をほぐし、念入りにストレッチをしましたが、翌日から二日間もひどい筋肉痛で、階段を上がるのにギクシャクグクシャク、妻と二人の腰カガメロボット歩き、辛かったわー。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   駐車地点と左山手に登山口の林道             夕景

登山口8:15-尾根分岐9:09-11:54ミツコバ(三角点・古味)12:25-天狗の池13:03-天狗塚13:48-14:30西山分岐14:47ー1476P15:49ー下山口16:38-17:20駐車地点

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などがわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間がわかる地図)→こちら

平家ノ森・大平山周回…高知県

平家ノ森、大平山           へいけのもり、おおひらやま



山行日                2016年3月3日
標高                 おおよそ530m、816.7m
出発地点               香美市物部町山崎駐車地点
駐車場                R195号沿いに広い駐車場あり
トイレ                駐車場にあり、それ以外にはなし
水場                 なし
メンバー               ピオーネ、むらくも


南国市から直線距離にして東におおよそ24km、静かな碧い湖面の永瀬ダムには、R195号線に架かる赤い大栃橋がある。
三嶺の南面にあるフスベヨリ谷や西熊山からカヤハゲ(東熊山)に掛けてのさまざまな谷から水を集め、西熊峡谷を形成し、韮生川となって物部町大栃にある永瀬ダムへと流れ込む。
また三嶺の南東には白髪山や石立山に挟まれた鮮麗な別府峡谷があるが、その峡谷の水を一気に集めて流れる物部川があって、渓谷を下って物部の永瀬ダムへと合流する。
ダム湖面は眺める角度や降り注ぐ陽の光の向きによって、また対岸の山の木や季節によって、輝く色合いが微妙に異なり、様々な姿を見せてくれる。
また、渓谷に流れる両河川に挟まれるようにして、白髪山から派生する大きな尾根が大栃に向かってどんと横たわる。

ダムにはこれとは別にもう一つ南から流れ込む舞川という川があって、物部川の間にはダムを挟んで大比山と対をなすようにして平家ノ森が聳えている。
平家ノ森は、中腹には天王という集落があって、山頂には社と祠が祀られている。
地元の方からは天王山(てんのうのやま)と呼ばれ親しまれているのですが、遠くから眺める姿は尖鋭で特に南側は切れ落ちた崖になっている。

実は昨年、「さるのこしかけ」のゆきねえさんのレポを参考にこの山に登り、熊押という廃集落まで歩いたのですが、時間切れのため途中で引き返してしまった。
今回はリベンジです。
目的は熊押からさらに東にある標高816.7mの大平山を含めての周回を果たすため。
奥物部の森は奥深く、外にも魅力的な山がたくさんあって、、高速を使えば他県からも比較的アプローチがしやすい位置にあり、今後の山行には随分と楽しみなところです。


南国ICを降り、R195号へとつなぎ、物部川沿いを東へと走る。
途中、美良布道の駅前のコンビニで食料を調達後、大栃にある赤い橋を渡り、トンネルを抜け下ったところの右手にある公園風の駐車場に駐車、時刻は7時40分。
自宅を出発したのが5時半を過ぎていたので、2時間ほどで着いたことになる。
この程度の移動時間はそれほど苦痛ではない。

ワンちゃん連れで散歩をする方がちらほら、湖畔の茂みからはウグィスの鳴き声が朝の駐車場に聞こえてくる。
山に囲まれているせいか、ウグィスの声は湖畔に響き、まるで音楽ホールの中にいるよう。
物部のウグィスは香川の自宅近くのウグィスと比べて声が太くたくましく澄んでいる感じがした。

7:51、ケキョの後押しで明石橋を渡る。
気象庁によると早朝の気温は2度から3度、午後からは4月並みの16~7度にはね上がるらしい。
橋は足元がグレーチング風で下が透けて見え、なんとなく足が竦む。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     R195号沿いトイレのある駐車場         渡り終え振り返り見た明石橋

橋を渡り終えると道はT字になっていて、右へ折れる。
この道は車は入れないが、バイク道で、昨年この道を教えてくれた方が山の整備にバイクで走っていたことを思い出す。
道は枝道があって、ところどころで別れているが、そのほとんどはどちらへ行っても先では合流するようになっているようだ。
一方は歩いて直登する道、そしておそらく後程できた緩やかな勾配で造られたバイクの走る道の二つがある。
直登路には昨年にはなかった青いペンキが道上の石などに施されていた。

ほどなく道は天王集落の屋敷だったと思われる石垣の傍を通るようになる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            モノレール                天王集落跡

昨年の記憶を呼び起こしながら、変形四つ角先に見える廃屋となった民家に向かう。
少し失礼して、民家の庭から写真を撮らせていただいた。
庭からは西北西に景色が開け、大比山(おおびやま)の奥に御在所山の頂が見えていた。
民家からはいったん戻って下の道を歩いても平家ノ森裏参道へも表参道にも行けるが、奥にある道(石段の右手)を辿ることとした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        大比山の奥に御在所山             民家傍の道


ここからは初めて歩く道で、少し先で左へ入る道があったのでそちらへ折れた。
行き着いた先は屋敷跡と思われる石垣や、井戸の跡のようなものがあるうっそうとした植林地の中。
そこから先はふみ跡らしきものがあるようなないような、しばらくうろうろ道を探すがない。
引き返した。

Y字三叉路の付け根に戻り、直進、するとすぐに左へ入る道があった。
直進方向は昨年歩いた表参道への道なので、左折方向の濃くはっきりしたふみ跡が裏参道のようです。
ホッ!やっと目的の道へとたどり着いたようです。
ほんのちょっとしたことなのにね、どうしてこうも毎度毎度間違うんでしょう。
あきれてしまいます。

しばらく歩いたところで十字路になる。
直進すれば大平山へ、左折すれば登山口の明石橋へのふみ跡なので、右折して尾根方向へと登った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        井戸跡?                   右折して裏参道を稜線へ

右折してほんちょいで見覚えのある稜線に出て、稜線を右へひと踏ん張りでキティ山頂標識と小さな祠のある平家ノ森山頂に到着。
時刻は9:31、ミスコースのためロスタイムがあったので、それを差し引くと駐車場からはおおよそ1時間で登れるようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    平家ノ森山頂
    
須賀神社にお詣りして、コーヒータイム。
木の間からはかすかに雪を頂いた山並み(おそらく綱附森)が遠くに見え、眼下には永瀬ダムの碧い湖水と赤い橋がチラホラ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         須賀神社              木の間に見える長瀬ダムの湖水と橋 

一休み後は稜線伝いに廃集落熊押(くもす)へと向かう。
アカマツやツツジ系の自然林と杉・桧植林の混交した尾根を進みますが、山頂から30分ほどで道から外れたところに廃屋が見えてくる。
杉の木にはアルミ梯子が立てかけられていて、どなたか庭作業でもしているかのような雰囲気でしたが、この梯子昨年も見かけておりますので、放置されて随分と時を経ているもののようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          熊押へ                  住居跡と残された梯子

峠があって、ふみ跡を北西へと下れば明石橋へ下れるようですが、道の状態は定かではありません。
稜線をほぼ真東に進むと小さな祠とお堂がある。
お詣りした後、なかを覗かせてもらった。
真新しいしめ縄と御幣が捧げられていた。

突然妻が変なことを言い出した。
宮司さんが身に着ける袴はトイレへ行きやすいように股が割れているというのだ。
割れて穴があいているということのようだ。
ということは巫女さんの袴も?
ほんとうかなー?
ときどき騙されるので眉唾ものだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     熊押の峠                       お堂と祠          

道には朽ちた倒木が横たわり、苔の生えた倒木からは杉と桧の芽が立ち、次の世代の幼木が育とうとしている。
道から外れて四等三角点・シキベシに寄ってみた。
三角点の石柱が埋められているところは屋敷跡のようでした。
地図を見ると、付近には破線の道が描かれていて南へは舞川沿いにある明改というところへ、北には山崎橋へ通じるようになっているが、廃道でしょう、ふみ跡はもうないようでした。

元へ戻って、763mPを巻くようにしてつけられている道を進むが、途中でY字に別れている。
左へのふみ跡は平行気味、右は上っている。
地図を出してみたが、描かれていない。
右の道を選んで進んだ。
しばらく左につけられている道を目で追ったところ、その道はやがて下っていった。
柿の久保へと下りる道だったのだろうか?

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    朽ちかけた倒木に杉、桧の芽吹き          標高678.2m△点シキベシ

11:14、突然右手に石垣が現れ、その上に狛犬二基と灯ろうらしきものが一基、厳かに鎮座している。
建物はなく神社跡のようです。
狛犬の台座を確かめると建立年月日はなかったものの、発起人の名前があり、それには山中、西本、小笠原の姓が刻まれていた。
狛犬や台座、灯ろう、それときれいに造られた石垣や石段はこじんまりとしてはいるものの相当立派なもので、当時ここへ建立された方たちの苦労が偲ばれます。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                      廃神社と狛犬

奥には倒木があって、その奥に社跡があったと思われる石垣が残ってましたが、かなり年月が経っているのでしょうか。
倒木以外にはなにも見当たりません。
それともどこかへ遷されたのでしょうか。
神社跡を離れてすぐに稜線に乗った。
なんとなはなしに763mPへと寄ってみたいという気持ちが起き、折り返すようにしてヒメシャラの生える尾根を辿る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           社跡                      ヒメシャラ 

山頂には思ってもみなかった社があった。
社は西に向いていて、裏手を囲い込むように石垣が施されている。
時刻は11:23、心地よい陽だまりの中でバナナ休憩とした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        標高763mP社                社と石垣

社の裏で座っていると、一本の桧の幹を下から上へツツツーっとコガラのような小鳥が伝い上った。
東方向に尾根が見えていますが、大平山はもう少し左手にあるようです。
妻と大平山の名の由来を話し、それとなく想像してみた。
①山頂から太平洋が見える。
②山頂が平らでややだだっ広い
③麓に大平という方がたくさん住んでいる集落があって、大平山となった
さて、どれでしょう?
それともみなハズレ?

妻は面白くもなんともない話には乗って来ず、立ち上がって稜線を下った。
11:51、標高おおよそ740mあたりでしょうか、はっきりしたふみ跡は尾根を離れて左へと巻いています。
尾根方向には小さく地面から立っている細い枯れ枝の頭に赤いテープが施されているのが見えた。
地図とコンパスを出した。
テープのある尾根方向は大平山への直登のようですし、左へのふみ跡は影山崎かもしくは途中で右に折れ大平山を南に巻いて野竹へと辿るふみ跡のようでした。
尾根を直登した。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    大平山から南に派生する尾根             大平山基部にある分岐

分岐から12分のところで、三等三角点が埋設されている大平山山頂に立った。
時刻は12:03。
山頂付近は東方向に平らでした。
少し先へと進んでみたが、展望はなく植林ばかり…。
大平山を南に巻いて、野竹から影山崎もしくは影仙頭を結ぶふみ跡はちょっと見にはわからなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      大平山山頂三角点                  平らな先は…

引き返して、山頂へ戻った。
三角点の傍の木の杭には薄い緑色をした例のキティ山頂標識が括り付けられていた。
珍しく目立たない色合いで低い位置だったので見過ごすところだった。
上空はぽっかり空き、真っ青な空から陽が差し込んでくる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      キティ山頂標識(薄い緑板)           ぽっかり空いた山頂上空

リュックを下ろし、コンビニで買ったサンドイッチでお昼ご飯とした。
のんびりっとした静かな時間が山頂のわずかな空間を流れていく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                山頂全体の様子

さて、下山開始ですが、どう下るか迷ってしまった。
山頂からやや北に歩き、そこから尾根を目指して直接下るのか、それとも元歩いた尾根を引き返し、北へ巻いて影山崎への尾根を目指すのか。
結局、元来た尾根を少し下って、北へ巻いた。
急な斜面を下り気味に巻いていくと、標高おおよそ740mあたりからのふみ跡と合流した。
(※山頂北側から破線付近へ出て、そこから影山崎への尾根に下った方がわかりよかったかも)

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           適当に巻くが…              ふみ跡見っけ

ふみ跡を辿った結果影山崎への尾根に乗ることができ、そこからは尾根伝いだし、ふみ跡もしっかりついていると思ったのもつかの間、やがてふみ跡は掘り割り状になり、倒木があったり、茂っていたり歩きにくい。
適当に、しかし尾根は外さないように気をつけながら下る。


Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

 影山崎への尾根に乗る                 倒木

やがて、かつては民家があったと思われるところに出たものの、そこはふみ跡無くイバラなどでヤブいており、下る方向に注意を要するところだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          荒れた道             イバラをかき分けると井戸跡に?

ヤブの薄いところを適当に下っていったものの、方向はやや東に逸れてしまう。
車道が見えてきたが、のり面が高く急斜面、お尻からずるずる滑り落ちようかとも思ったが、止めて右へ回り込むとアスファルト車道へ降りる道がみつかりセーフ。
道沿いには小さな白っぽい杭が立っていて、「かわし場8」と書かれていた。
車道を歩いて下山しようかと考えたが、東へかなり大回りしないといけない。
山道が車道を横切って影山崎へと続いてないものかと、車道を尾根に続く西側へ回り込んで探した結果ありました。
そこには山手側に杭にスーパーかコンビニの袋が吊り下げられており、のり面はなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       アスファルト車道へ             西に回り込むと…

買い物袋の反対側の下り斜面にははっきりとした林道があった。
下るとすぐに墓地へ。
さらに下ると広場に出て、左側奥に林道が続いている。
しかし、わたしたちは林道には向かわず、山道を直進、その結果尾根をはずれてしまうことになったようです。
再び墓地に出て、左奥に広い林道が見えたが、ここでも山道を直進した。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        山道へ                  墓地と空き地を過ぎて…

結果、影山崎への尾根筋からはどんどん離れてしまい、反対側の影仙頭への簡易舗装の車道に出てしまう。
こうなったら素直に道なりに歩くしかない。
車道の方向には影仙頭の集落と、カンバ平の尾根が見えています。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      簡易舗装道へ               仙頭の集落とカンバ平の尾根

アスファルト車道に出て左折、畑には菜の花と梅の花が満開、物部川の水は深く濃いブルーグリーン色で、対岸の畑が一層のどかさを浮きだたせとても印象的です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         菜の花と梅            物部川と対岸の集落

仙頭大橋を渡って195号線をあるこうかとも思ったのですが、少し遠回り、山崎橋を渡ることにした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    影山崎から眺めた仙頭大橋              お地蔵さん

道は尾根を跨ぐようにして360度、緩やかにカーブしてますが、道の下では影山崎の集落が見え、道を歩く人たちの話声がここまで響いてくる。
ご夫婦でしょうか、今夜のおかずと買い物が話題、ポカポカした昼下がりの風景は、思わずふぁーっとあくびをしたくなるような一コマです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 路上で弾む会話

湖面の色は見る角度と光の方向によって異なっていて、いずれもグリーン系ではありますが、パールグリーンに見えたり、エメラルドやターコイズグリーンに見えたり、七変化。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   パールグリーンの湖面と小高い丘      光の向きによって湖面の色は七変化

山崎橋にやってきましたが、構造が吊り橋方式なんでしょうね、微妙に揺れているような気がしました。
足元は明石橋と同じくグレーチング風で下が透けて見え、高所恐怖症の人は上を向いて歩かねばなりません。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    山崎橋                     渡り終わって振り返り見る

橋を渡り終えたところにはいくつものモグラ脅しがくるくる回る畑でした。
14:35、予定より少し時間が掛かったが、早めの下山、温泉に行けますよ。
ところが残念、いつも車に積んでいる温泉セットは積んでなく、後ろ髪を引かれる思い。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          畑とモグラ脅し               広い駐車場へ

車に乗り込み塩という集落へ行き、そこから大平山方面の写真を撮った。
近くで作業をされていた方に少しお話を伺うことができましたが、このあたり一帯の山を「おおひらやま」と呼んでいるそうで、「おおもりやま」もあって、平家ノ森はやはり天王山と言ってるそうで、平家ノ森の呼称も知っているようでした。
熊押はくもおすと読むのかと思いましたが、会った方は短くくもすとおっしゃってました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

            左から大平山、真ん中に763mP、右に熊押と続く稜線

帰りに大比から撮影した平家ノ森、散歩をされていた方からは桜咲く頃においで、それはそれは
奇麗じゃぞとおっしゃってた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   尖がり頭の平家ノ森

もう終盤ではありましたが、コセリバオウレンにも出合うことができました。
奥物部はきれいだし、いいところです。
今度はすこーし日が長くなったころに、どっしりとした物部の奥深い山へも登ってみたいものです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

                       コセリバオウレン

駐車場7:51-明石橋7:53-<ミスコースによるタイムロス:30分>ー表参道裏参道分岐9:12-分岐9:24-稜線9:27-9:31平家ノ森9:56-熊押10:25-三角点・シキベシ10:55ー11:23<763mP>11:38-分岐11:51-12:03大平山12:30-アスファルト車道13:25-簡易舗装車道13:48-山崎橋14:25-14:35駐車場

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がよくわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間がよくわかる地図)→こちら
               

岩躑躅山…高知県

岩躑躅山               いわつつじやま


山行日                2016年3月17日
標高                 1102.9m
登山口                土佐郡土佐町中村
駐車場                なし(林道広い路肩)
トイレ                なし
水場                 標高おおよそ1000m、荒れた林道沿い沢
メンバー               ピオーネ、むらくも


早明浦ダム西に聳える嶺北ネイチャーハント中級の山である岩躑躅山に出かけた。
林道まで車で入り、下の登山口から1時間もあれば山頂に登ることができるこの山に、雪はなく、新緑でもなく、ましてや紅葉でもないこの時期に来ることになるとは夢にも思わなかった。
意図に反して登ることになった原因は妻にある。
花の好きな妻が、梶ヶ森麓に住んでいる方から「今年も花が咲いたよ、お出でなさい」との連絡があってのことだった。
早春に咲くその花はお天気のいい日の午後からしか花弁が開かず、夕方になると閉じてしまう。

鑑賞だけで出かけるには少し距離があり、なによりも時間を持て余してしまう。
かと言って、何度も登った梶ヶ森などの山へ行くのも気乗りがせず、結局、未だ登ったことのない岩躑躅山になってしまった。
山名のとおり、この山には躑躅の木が多くあって、登山適期は4月下旬頃で、標高が1000mそこそこなので夏には暑すぎる。
ツツジの時期以外には、コミネカエデやツツジ、ナナカマド、そしてマルバノキの葉が紅くなった秋、もしくは晩秋が見ごろでしょうか。
適期ではないが、家からうんと遠いところでもなく、自宅からは高速を使って2時間だ、また来ればいい。


土佐町、本山町、大豊町、本川村、大川村の三町二村が平成9年度に立ち上げた嶺北ネイチャーハント事業は初級、中級、上級それぞれ13山合計39山の嶺北の山々で植物、動物などの自然を宝に見立て、登った山の数を競ったゲームでしたが、残念ながら平成20年3月末で終了している。
終了してもう8年が経つが、未だ中級の山を登るというしつこさ、良く言えばねばちこい性格。
しつこい=執念深い、ねばちこい=粘り強いなんですが、ほんとうのところはどんくさい=鈍感で鈍い、思い立ってもなかなか行動に移さなくて、ぼっとらぼっとらして、ある日突然に思い出したように出かけるタイプです。
なので目的を達成するのはいつになることやら、因みに完登したら各級別と全コース達成者にバンダナの賞品がもらえたのですが、当然にそんなものはもうありません。
私の人生、すべては金と女が目的だが、こんなに純粋なキラキラした少年のような気持で目的を遂行するのはただこれ一つです。
本当じゃない、ウソ、オオウソのコンコンチキの塊でした。

というわけで、まだガスで煙る山を眺めながら高知自動車道を走り、大豊ICで降りて、吉野川沿いの439号線を遡る。
道の駅「土佐さめうら」を過ぎて右折し県道265号線へ、そして17号線に入り上吉野川橋ー黒丸方面への大川橋ー中村方面への七尾橋を渡る。
渡り終えるとすぐに「卍百万遍」の看板に従って、林道を上って行く。
(因みに百万遍祭りというのがあって毎年7月土用入りの最初の日曜日に大谷寺で催されている)
ダート道に入って民家を過ぎ、なおも上へ上へ。
やがて道はチェーンの張られたところ(平日は開けられているが)に差し掛かり、ここで左のやっとこさ二台ほど停められる路肩に駐車。
(ここから先は中江産業の作業道で、作業車の出入りがあるため通行の邪魔にならないよう気をつけなければいけない)

前方に聳える岩躑躅山から南東に派生する尾根を眺めながら、林道を歩く。
(駐車地点から100mほどのところに、左路肩に小さな杭があって、頭には赤いペンキが施されている。ヤブいているが、そこから下ると岩躑躅山への登山道があるとのこと、昔はここにもネイチャハントの登山口標識があったらしいが今はない。しかし、わたしたちは林道をさらに歩いてその先にある登山口へと向かった)

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     チェーンの張られた林道              林道を歩く      

まだ芽吹いていない樹木の頭越しには西に景色が開け、稲叢山への尾根がどっしりと横たわっている。
かつて、この稜線をスズタケに雪が覆っている頃に、エントツ山さん(2016年3月21日現在サーバーエラーのためHP開けず、近々復旧予定)がテン泊縦走したことを思い出した。
稲叢山までの稜線は遠くてギザギザで重厚だ。
その後、石鎚山から剣山まで9日間の単独縦走を果たしている、若くはない、どちらかというとおじいさんだ、凄まじい男だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

              能谷山・東門山・西門山の山並み

歩き出して13分、右にカーブして少しのところで山手に目的の登山口があった。
登山口を示す道標は倒れてしまっていて、見つけにくい状態になっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         下登山口                   植林の中

急斜面を這いずりながら体を引き上げ、登りきったところの尾根上に道標があった。
わたしたちが登ってきた方向とは違う左への尾根続きの方向に道標の矢印は指している。
そちらへはきれいなふみ跡が続いていて、どうやらその道の先が駐車地点から100m先にあるヤブいた下へ降りる登山口へと続くようだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          急登                    肩にある道標

右に折れた。
木の根っこの陰には岩躑躅山への道標があった。
下登山口から30分弱のところで、放置され荒れた林道に出る。
その林道は出たところが行き止まりで、東へと続いていた。
しかし、ここでなぜかわたしたちは林道を歩かずに、笹の生えた林道右のり面の肩に乗って、ずんどこ進んだ。
ふみ跡薄く、笹が茂るその尾根は、足元に境界杭が一定の間隔で埋設されている。

わたしはこの山を当初からピクニック気分で歩きに来ており、地図もコンパスも持っていない。
妻は地図を車に置き忘れたと言葉少なくつぶやいた。
GPSはログ取りとして持ってきていたので、位置や方向を見て確かめることなど考えていない。

境界杭はあるものの、やがてスズタケは背丈を越し、両手でかき分けるほどに密集してきた。
比較的笹の薄いところで前を歩く妻の写真を撮った後、それを最後にカメラを取り出す余裕がなくなった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     根っこの道標                     1109m南山へのヤブ  

荒れた林道から30分強かかって、一つのピークに達した。
ここでやっとGPSを取り出し、位置を確認する。
岩躑躅山とは真反対の標高1109m南山の頂上に立っている。
帰宅してログを眺めて気が付いたのだが、偶然にもこの山域で一番高い位置に登ったようです。
お粗末なことです。
この後、慌てて引き返したのですが、途中で境界杭を見失い、谷方向へ迷い込んでしまった。
スズタケブッシュに悩まされながら、体で押し分け、なんとか荒れた林道の元の場所に復帰できたのは、1時間40分後の12時55分、林道に座り込んでお昼ごはん、二人して口数少なく疲れ顔、あー情けなや。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    なんにもなかった1109mP              迷い込む

お腹が起きてちょっと余裕がでて、証拠写真を撮らなきゃと思い、荒れた林道と、迷い込んだ尾根をカメラに収める。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

1109mP南山から下ってきて…、左荒れ林道、その右植林帯の尾根に薄いふみ跡と境界杭

気を取り直して荒れ林道を東へと歩くと、カーブのところで道は崩れ、山手側についている細いふみ跡を辿って林道に復帰しなおも進む。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     荒れた林道                      崩落ケ所

林道は楕円を描くように西から北へ、そして東へ。
すると、またまた崩れたところへ。
谷の右手奥に朽ちかけた細い杭に小さな「登山道」と書かれた道標があった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       林道奥へ                  荒れた林道の中登山口

傍には下の登山口へと書かれた道標が幹の根っこに置かれている。
そこを登ってほんの数分で、車のわだちのある広くてきれいな林道に出た。

路肩にある道標を確認したところ、一枚はいま歩いてきた方向を指し、字が消えかけてはいたが「下の登山口へ約1km」と書いているのが読めた。
もう一枚は、道に転がり、「上の登山口50m」、方向は南を指していた。
疑うことなく南へ進んだ。
50m先にはなにもない。
500mの間違いか?
歩いたが何もない。
引き返した。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     中登山口にある道標             上の林道へ出たところにある道標

道標が倒れて、方向が反対に向いたようだ。
道標の向きを直して、北へ進んだ。
50m先きで、右手に登山口の道標がありました。
山頂へのふみ跡はこれまで歩いてきたなかで、林道を除いて、一番はっきりした確かな道でした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        上登山口へ林道歩き               上登山口

13時49分、二等三角点・岩躑躅の埋設されている山頂に3時間16分もかかってやっと到着。
たぶん最長記録ではないでしょうか。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   岩躑躅山山頂

山頂からは東の早明浦方向に開けてました。
満々と湛えたダムの湖水が空の色を映し、碧く輝いている。
本山町のはるか遠くには徳島の山並みが見え、三嶺か矢筈山だろうか、一部頂の白く輝いているところが肉眼で見えている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

山頂からの展望<左中に鎌滝山、奥に白髪山頂きからきびす山頂きへの稜線、眼下に早明浦ダム湖>

ダム湖をズームしてみた。
うっし、帰りには上吉野川橋の上から岩躑躅山をカメラで撮ってやろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

          早明浦ダム湖ズーム、上吉野川橋と奥に本山町

さて、急いで下山しないと、電話で教えてくれた花咲くところへの時間がなくなる。
急斜面を下るのは厭だがピストンだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           下山                      岩

お尻が汚れるが、かまわずにシリセード、ズリズリ、杉の落ち葉があるので少しは助かる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    急斜面

14時57分、山頂からわずか50分で駐車地点に到着。
途中、林道から後ろを振り返ると、杉林の間から、遠くに平家平や笹ヶ峰方面の白い頂が小さくかすんで見える。

写真は、車に乗り込み、民家付近から撮影したものです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

写真左手前に能谷山への稜線、後方奥に1403m峰(野地峰ー東光森山稜線間)、右手前が加茂次郎山
右端奥に早天山

ロックな山は1072m峰とその南西に聳える山でしょうか、真っ青な空に上弦の月が白く浮かび、今夜のこの山の、月に照らされた光景と満天の星空が湖から望めるだろうなーと想像してみた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 ロックな山容<1072m峰と岩峰>

ダム湖では一隻のボートが長い航跡を残し、湖面をすべるようにして走り抜けていく。
その後方では岩躑躅山の荒々しい姿があり、ダムを威圧するようにして見下ろしている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 県道17号線ダム湖沿いから撮影

上吉野川橋の袂で、西に向いて、山並みを撮影、もう一度といわずもう二度ほど訪れてみたい。
岩躑躅山はひょっとして、山頂のある一つのピークだけの呼称ではなく、この山域全体の山名ではないだろうか。
今回はアケボノツツジやトサノミツバツツジの咲き乱れる時期ではなかったが、とても印象深い山でした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

             上吉野川橋から眺めた岩躑躅山

今夜は林道縁で採った蕗の薹の天ぷらで、いっぱいグビッだ。
花の咲く大豊町の麓では蕗の薹は花が開き、ショウジョウバカマも陽を浴びてきれいに咲いていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         蕗の花                    ショウジョウバカマ 

こちらは淡い色合いの瑠璃色ユキワリイチゲでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   ユキワリイチゲ

駐車地点10:33-下登山口10:46-荒れた林道11:14ー1109m山頂11:48ー12:55荒れた林道13:06-中登山口13:14-林道13:20-<ミスコースによるロスタイム16分>-上登山口13:38-13:49岩躑躅山14:07-上登山口14:15-中登山口14:19-下登山口14:46-14:57駐車地点

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がよくわかる地図)→こちら
ル-トラボ(距離・時間などがわかる地図)→こちら

戸木…徳島県

戸木              とぎ



山行日             2016年4月15日
標高              1112.6m
登山口             東祖谷トゴエ
駐車場             トゴエ登山口傍に広い路肩あり
トイレ             なし
水場              なし
メンバー            ピオーネ、むらくも



昨夜(14日)は早々に寝てしまい、熊本で同日午後9時26分にマグニチュード6.5、震度7の大地震が起き、大変な被害があったことを知らなかった。
朝、妻が寝床を離れテレビを点けたとたんに、顔色を変えて「大変なことになってる」と叫んだ。
東日本大震災から5年、まだ復興半ばの日本はまた大きな地震が起きて甚大な被害を被った。
地震列島日本、マグニチュード5.5以上の地震は毎年どこかで発生している。

天災は忘れたころにやってくるという諺があるが、まだ忘れぬうちにやってきてしまった。
とはいえ、いつどこで起きるかわからないあまりにも大きな天災に対して、備えるにも限界がある。
後日、16日未明、再び地震発生、マグニチュード7.3、震度6強(のちに7に修正された)が襲い、14日以上に大きな被害が出た。
誰が最初の地震後に本震が来ると想像しただろうか。
これまでの地震の経験則から大きく乖離したことが起きてしまった。

発生した場所は中央構造線の真上、断層は北四国側を東に突き抜け伊勢湾を横切り、東京北部へ出て利根川辺りへ。
学説によると、ただちに豊後水道から東への波及はないということを言っているようだが、いつ、どこで、なにが起きるかわからない。
早朝に猪鼻トンネルを抜け、鯉のぼりの翻る吉野川を遡るようにして大歩危へ走り、祖谷方面へ左折したが、運転する間、言葉少なく重苦しかった。


今日の山は、祖谷のかずら橋の東にトンギって聳える戸木という山、標高は1000mをおおよそ112mほど超えている。
昨年、寒峰の西にあるマドの天狗を歩いたおりに、初めて登ってみたい山として意識した。
戸木は、トギもしくは平仮名でとぎとして紹介しているガイドブックもあることから、当て字ではないかと思うのですが、山名の由来はわからない。
百科事典によると、トギは年の暮れ、大晦日から正月に掛けていろりの火を絶やさぬように用意しておく薪木のことを言ったらしいが、そのことかどうか…。

登山口は今井集落から西に上ったトゴエという峠にある。
山名が戸木とするなら、トゴエは戸越となりそうなものだが、なぜか地図ではカタカナの地名となっている。
あんがい、戸木は錐のように尖がっているからトギで、その山裾の峠だからトギ越がちぢかまってトゴエになったのかも。
こんなことは推測にしか過ぎない。
実際の由来を知ったら、腹で茶を沸かすのだろう。

トゴエへはかずら橋近くにある今久保から延びている林道を走って、途中にある三方山登山口を経由しても行けるが、やや距離があり、三方山登山口から先は一部ダート道となっている。
距離が短く走りよいのはかずら橋を過ぎしばらく走ったところにある小島橋を渡り、すぐ右の「木村家」への標識がある熊谷林道へと入り、釣井集落、今井集落を過ぎ、しばらく走り上がったところにある。
なお、今井集落にある阿弥陀堂からも歩いてトゴエに登る山道がある。

9:29、トゴエにある広い車道の傍らに車を止め、尾根を西に回りこんだところにある手すりから登りだした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     トゴエの戸木登山口道標           尾根へ上がる登山道        

のり面を上がったところには銅板巻き鳥居の柱だけが突っ立っていた。
徳島250山ガイドブックによると、過去の台風で壊れたらしい。
その左下には石臼で作った小さな石地蔵尊が祀られていると記載されていたが、ちょっと見にはわからなかった。

苔むした石ゴロの林床に出たが、ふみ跡は薄くて、どこが登山道なのかほとんど見分けがつかない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     壊れた鳥居                      苔むした石ゴロ

尾根は岩場っぽかったので、外してやや右寄りに見当をつけて登って行く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      ○○スミレ                        急斜面 

途中で尾根に戻ろうかどうしようか迷ったが、そのまま右寄りに登って、なおも続く岩場を適当に巻いてゆく。
白い花びらが足元に落ちている。
見上げるとタムシバがほぼ終わりかけの様子で、青空が覗き、光がまぶしくふりそそいでいた。
苔むした石がゴロゴロしていて、なんとも雰囲気がいいところだ。
右手には滑りそうな急斜面、ここでも左右どちらに巻くか迷ったが、そのままずりずり這い上がる。
登り切ったところが岩場の二重山稜。
谷間のやや右側をさらに右手側へ巻くようにして突き抜けると、足元には境界杭が現れた。
尾根筋を詰めてゆくと、大きな割れた岩や庇状の岩場に差し掛かったので、ここも右手に巻いて通り抜ける。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

 小さな二重山稜(振り返って撮影)                  境界杭

ちょっとした岩場や二重山稜を通り過ぎたところで植林の急登に差し掛かる。
明らかに山頂目前の急斜面といった感じで、進行方向には幹に白ペンキで水という字と数字が施され、山頂への案内の目印となった。
最初の白ペン幹から20分で三等三角点・戸木が埋設されている山頂に到着、時刻は10:11。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   幹に施された白ペンキ、数字は「1」       三角点のある山頂

北東方向に景色が開けている。
写真中央の一番高いピークが寒峰、その右側のピークが西寒峰。
寒峰の左肩のところからチラチラっと烏帽子山の頂がちょっこり頭を出している。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  寒峰方面ズーム

南西方向にも展望が得られた。
写真左端ピークが広瀬山、右に移って中央少し右側の一番高いピークが三方山。
手前の尾根が、うねうねとのたくりながら、その三方山方向へと続いているのが見える。

戸木山頂から熊谷峠を経て三方山へと続く尾根にふみ跡がないかどうか探ってみたがない。
潅木の茂るヤブが行く手を阻んでいる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                       三方山方面

山頂に咲くタムシバ。
真っ青。
思いきり頭から空に突っ込んでブルブルブルッと洗ってみたいような透き通った空の色。

コーヒーを飲んで、10:35、下山開始。

登りのときには気が付かなかったが、植林の中に多くの松の木が残されていて、足元は松の落ち葉で癒される。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         タムシバ                  松尾根

岩の割れ目を覗いてみると、向こう側の光が漏れてくる。
二重山稜を通過し、やがて心地いい苔の生えた岩ゴロの林床へ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     岩の割れ目                 林床

鳥居のある尾根末端に出て、のり面の手すりを下ってトゴエに下山。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         鳥居                          トゴエ

トゴエから眺めた中津山と、その右に聳えるマドの天狗。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   中津山とマドの天狗

マドの天狗を88ミリにズーム。
山頂の右手中腹に見える青い屋根があるところが、マドの天狗登山口の高野集落民家。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   マドの天狗ズーム

ドライブがてらに高野集落へ走ってみました。
写真は途中の林道から眺めた戸木のとんがり頭です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    高野から眺めた戸木

トゴエから戸木へは、登り40分、下り30分、普段の散歩程度の軽登山ですので、近くにある他の山と組み合わせるのがいいのですが、またの機会にして、妻の花散策に付き合い、春爛漫の祖谷の山村をあちこちうろきょろ。
特徴のある屋根の上には鯉のぼりがふわりっと風に揺れていました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       シャクナゲ                     フデリンドウ

トゴエ登山口9:29-10:11戸木山頂10:35-11:03トゴエ登山口

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかりやすい地図)⇒こちら
ルートラボ(距離時間などがわかりやすい地図)⇒こちら

煙突山ー犬返ー魔戸の滝ー西赤石山ー兜岩ー東平…愛媛県

煙突山(生子山)、犬返、魔戸の滝、西赤石山、兜岩、東平
えんとつやま、いぬがえし、まどのたき、にしあかいしやま、かぶといわ、とうなる


山行日             2016年5月4日
標高              144.7m、579m、おおよそ600m、1625.8m、おおよそ1510m、おおよそ650m
出発地点            新居浜市角野新田町「山根公園」
下山地点            新居浜市立川町東平
駐車場             山根公園および東平
トイレ             山根公園、東平(登山道沿いにはなし)
水場              種子川道沢沿い
メンバー            伊予の鈍亀ご夫妻、エントツ山、エントツ山2号、マーシー、アンジーパパ、佐々連、むらくも
                (敬称略)



2015年5月5日にアンジーパパさんの呼びかけで、エントツ山さん、ペーコちゃん、佐々蓮さんの5人で、串ヶ峰から上兜山へ上がり、物住頭、西赤石山、石ヶ山丈を経由し林道種子川線へと下山したことがある。
そのときに歩いていた林道傍からちらっと眺めた魔戸の滝と、奥にのびた新緑の深い渓谷に心を奪われた記憶がある。

一か月後の6月13日、エントツ山さんの呼びかけで、ペーコちゃん、マーシーさんの4人で、東種子川線から串ヶ峰へ上がり、上兜山、下兜山へと周回したおりに、串ヶ峰から石ヶ山丈尾根下に落ち込んだ皺襞の底を眺めたが、石ヶ山丈尾根の向こうには笹ヶ峰、沓掛山の釣り尾根があって、その中間遠くに薄墨色の瓶ヶ森が小さく頂を覗かせており、魔戸の滝奥の濃い緑と対照的な色合いが印象に残っている。

犬返という標高579mの尖がったピークが煙突山から魔戸の滝へ行く尾根途中にある。
犬返をいぬがえしと読むのか、それともいぬがえりと読むのか、ちょっとした論争があったが、エントツ山さんが示した古い資料や過去に記事となった新聞などを紐解いていくと、どうやら昔は大返しと言ってた時代もあったようで、どこでどう間違ったか、それとも意図してかはわからないが「大」の字に点が入った「犬」があて込まれるようになったらしい。
軍配はいぬがえしに上がった。
いぬがえりと読むのはちょっとしたミスから、一部の人たちに定着したもののようです。

エントツ山さんと深いつながりのあったペーコちゃんが今年1月に急逝されたが、そのペーコちゃんを偲んで、ペーコちゃんの思い入れのある犬返に生えている一本の桧の枝にエントツ山さんの手によって鐘が吊り下げられた。
初めてペーコちゃんと山行をともにして丁度一年を経ようとしている今日5月4日、エントツ山さんから呼びかけがあって、この山に登ることになった。


計画されたコースはわたしにとっては十分にロングで、それでも比較的軽めにコース設定していただいたようで、下山口には車をデポし、出発地点とを車でつなぐ配慮をしてくれた。
事前にカシミールで地図に大雑把な線を引っ張り、距離と累積標高(+)を出してみた。
グラフに表したところ距離は14.5km、累積標高はおおよそ2000mだった。
距離は大雑把なものなので、実際の沿面距離はもう少しあるものと思えた。

普段ハイキング程度の歩きしかしていないわたしにとってはどうあがいても10時間かもしくはそれ以上掛かりそうです。
リュックの重量が重いほど、体力は消耗される。
コッヘルやガスは家に置いてきた。

前日に近づいていた風雨や雷をともなった前線は未明に四国を通過し、東海方面へと遠ざかったが、吹き返しの風が残っており、空気は冷やこい。
この時期、気温が上がり風が無いとブヨなどの虫が飛ぶが、それも心配ないので、パワー森林香などの虫よけ道具はリュックから除けた。
空は青空が広がっており、雨の心配もない。
初めてのことですが、カッパもリュックから除けてしまった。
情けない事に、こんなにもリュックを軽くしなければならないほど体力に自信がないし、またみんなに大幅に遅れるなどして、迷惑をかけられない。
エントツ山さんたちと二度山行をともにして、脚力の違いをまざまざと見せつけられた経験がそうさせている。

7:00出発、煙突山への登山口(道標有り)は山根公園のすぐ南側裏手にあった。
煙突山への尾根に出ると、景色は一気に開け、眼下には松山自動車道の山根トンネルが見え、鹿森ダムがあると思われる奥には三ノ森や西山が早朝の光を受け、眩しくて空との境目がわからない。
犬返の尖がり頭も見えているようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      煙突山への山道                煙突山への尾根から南を俯瞰   

16分で着いた煉瓦造りの煙突山を、すぐそばで見上げるのは初めてだったが、補修されたこともあってがっしりと空へ突き出している。
煙突の頭からもくもくと煙を吐いていた頃は、公害もあって嫌われ物だったらしいのですが、それもなくなったいまは街のシンボルの一つになっているようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      煙突山                    生子山城址への道標

すぐに折り返して生子山城址へと進む。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      生子山城址へ                      城址

標高280.1m、送電線鉄塔が傍にある城址では北に国領川の流れる新居浜市街が望むことができ、眼下東に西谷川の渓谷、南東には串ヶ峰と、西赤石山がチラッと覗いている。
登山口から35分ほどのところにある展望所には、白い木製のベンチが置かれていて、憩いの場にもなっているようでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        新居浜市                      串ヶ峰への尾根

標高300.5m、三角点・板ノ本に着く。
標識の立てられた傍に本来の三角点が埋設されていたが、その傍にもう一個、△印のある古い石柱があった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        板ノ本道標                       △石柱

板ノ本道標の下側に書かれていた城主大明神が三基、今日の無事安全をお願いして、ツクバネウツギの花が咲く尾根を南へ進む。
前方には犬返の尖った頂が、樹間からちらちら見え隠れし、陽光を浴びた送電線鉄塔が頂の左側に白く光っている。
犬返の右手には国領川の上流、立川町があって辻が峰の嫋やかな尾根の左奥に沓掛山と笹ヶ峰が聳えていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         城主大明神                     笹ヶ峰

エントツ山さんがときどき立ち止まっては説明してくれる。
言葉は流暢、名ガイドだ。

右へのふみ跡を行けば龍河(たつかわ)神社、地図で確認すると破線は描かれてはいないが、近くに送電線があって、それは立川へと下り、その先に神社がある。
因みに川べりには温泉の逆さクラゲのマークがある。(道の駅にあるマイントピア…天空の湯の下流、マイントピアは最近リニューアルして入浴料金も安くなったらしいが、リニューアル後はまだ行っていない)

8:29、種子川林道への分岐に差し掛かった。
木漏れ日の落ちる林床にははっきりとしたふみ跡があった。
地図で確かめるとそこは送電線を過ぎたところで、なおかつ犬返山頂の手前にある。
種子川林道のピンカーブあたりへ下るのだろうか?

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         龍河神社分岐                    種子川林道分岐

8:35、標高579m、犬返頂上に到着。
エントツ山さんが設置した立派な銅板作りの山頂標識が立てられていた。
犬が描かれていて、凝っている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         石ヶ山丈停車場跡分岐                犬返

桧の枝にはペーコちゃんの鐘が大小二個、その元にビールを捧げた。
みなさん打ち鳴らし、鐘の音が山に谷に木霊する。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     ペーコちゃんの鐘

山頂はとてもいい景色が広がっており、西谷川上流の渓谷から串ヶ峰への尾根と、兜岩から石ヶ山丈尾根がどっしり広がっていた。
魔戸の滝が見えていそうな位置だったので、撮影した画像を拡大したが、残念ながら樹木が茂っていて陰になっているようでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     西谷川渓谷と兜岩

犬返と呼ばれる所以となった岩場を、固定されたロープを伝って下る。
岩の根っこから10分で標高538.9m三角点・種子川山へ。
「こらー!神聖な三角点を足で踏むでない」
余震の続く九州から帰郷したエントツ山2号さんが、ここでもエントツ山ポリシーというとんでもない震源に触れてしまった。
うーん、慰める言葉がない。
兄弟仲良くせーよ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        犬返の岩                      三角点・種子川山

やがて送電線鉄塔の建つ、崩落地上の尾根に出た。
送電線は西谷川から這い上がり、鹿森ダムの下のループ状の車道へ下り、辻ヶ峰へと這い上る。
崩壊跡から下を眺めたが、怖くて足が震えた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          辻ヶ峰・黒森山               崩壊跡の上に立つ                                     

ところどころにヤマツツジの赤い花が咲く尾根を進み、林道石ヶ山丈線に出る。
林道を右折し少し進むとピンカーブがあって、そこには小さなしゃもじ型の道標が木の枝からぶら下がっていた。
どなたか知らぬが、めちゃきちゃない字で、「下り5分、魔戸の滝直下へ」と書いていたが、「(5分ではなく)10分かな?」と書き添えられていた。
5分と10分では時間にして5分しか違わないが、率にすると実に倍だ。
計ってみた。
10分だった。
しかし、身の軽い人は5分あれば十分に下れるようでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        しゃもじ型道標                  魔戸の滝

魔戸の滝のしぶきを体に受けながら急斜面を上って、下を見下ろす。
魔戸の滝上流には奥窓の滝、末広の滝があるが、どれがそうなのか特定することはできなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      魔戸の滝上流へ                     渓谷上流                        

さらに急斜面を上っていく。
道標のある石ヶ山丈停車場跡分岐の尾根を直進する。
すぐになにかの印を刻んた岩が見つかる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          石ヶ山丈稜線               岩に刻まれたマーク             


エントツ山2号さんが常に先頭でみんなを引っ張っていく。
刻印岩から10分弱で種子川道への道標があるので尾根を外れ、谷方向の緩やかな道へと入った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          種子川道分岐                 種子川道入口

沢筋は苔むしたいい雰囲気の道が続く。
ひっくり返ったトタン屋根があった。
第一造林小屋の跡だった。
足元には様々な山草やハコベが群生している。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            沢筋                      ミヤマハコベ

ちょっとした休憩や雨宿りにもなるような大きな岩があった。
ちょっとした面白い逸話のある岩屋というところだそうだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

             沢筋                      岩屋

グイグイ登っていく伊予の鈍亀ご夫妻さん。
お二人は精力的な歩きをされていて、鈍亀というのは大うそ、ネームと実態とが乖離しすぎている。
バネのような強靭な脚をしており、ご主人さんは年代は一つ年配だが、わたしと同学年の団塊の世代、、実に精悍な顔と逞しい体つきをしていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

             沢筋                 エンレイソウ

時刻は12時をだいぶ過ぎた。
沢に下りて、岩の上に乗って、そこでお昼ご飯とした。
ちょうどその場所が串ヶ峰への分岐でもあり渡渉地点でもあったらしい。
アンジーパパさんと鈍亀さんの目が、右岸斜面の苔むした石段のふみ跡に釘付けになっている。
鈍亀さんがポソリ、次はここから串ヶ峰やな。

ここへ来るまでにアンジーパパさんから飴をもらったり、鈍亀奥さん手作りのパウンドケーキを頂いたりして、お腹は空いていなかった。
そのうえここでも鈍亀奥さんから卵焼きなどを貰ったので、結局パン一個でお腹が起きてしまう。
単独行の方が休憩中に、こんちわーっと元気よく挨拶をして岩場の上にある潅木で茂った種子川道を通り抜けていった。

20分弱の休憩で再び歩く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            沢の岩上                     沢筋

沢越しに串ヶ峰の山肌を見上げるとアケボノツツジのピンク色があちこちに染まっていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          串ヶ峰の山肌                  シャクナゲ

痩せたシャクナゲのある斜面を這い上がるようにして、アケボノツツジ満開の沢左岸を詰めていくが、再び沢筋に戻ることになる。
豊富に流れる水は透きとおっていて、ときおり岩陰を覗いてみるが、渓流に棲む魚の姿はそう簡単には見つけることはできない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         アケボノツツジ                    沢筋

岩がゴロゴロした一段と奇麗な沢に出た。
お一人の男性が弁当を食べていた。
先ほど挨拶をしながら抜いていった単独行の方だった。
エントツ山さんが抱きつかんばかりの喜びようで、駆け寄った。
別子銅山をホームグラウンドにされている曽我さんだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         アケボノツツジ                  曽我さんと


マーシーさんから食べられる山野草の説明を受けたり、口にしながら歩き、13:26、第二造林小屋跡にたどり着いた。
ここへは6年前の雪の残る頃2月末に来たことがある。
そのときの小屋は倒壊はしていたが、柱が斜めになりながらもかろうじて屋根を支えていた。
しかし、いまは完全に壊れてペシャンコ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           澄んだ沢水                  第二造林小屋跡  

苔むした風呂釜の少し先のところから、笹ヤブの尾根に這い上がる。
斜面に咲くアケボノツツジが次から次へと現れる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          五右衛門風呂                  アケボノツツジ

斜面は急登でかなりきつい。
以前にここを歩いたときは、笹は地面が見えないくらいに茂っていたように思うが、いまはかなり空いていて、歩きよい尾根に変わっていた。
佐々蓮さんは疲れ知らず、グイグイ上がっていく。

高度が上がった。
串ヶ峰の上空に青空が広がっている。

石ヶ山丈分岐を過ぎて、兜岩目前の尾根に乗った。
兜岩へは寄らずに、そのまま西赤石山へと上る。
最後の急斜面だが、疲れて足があがらない。
きつい。

みなさんゴンゴン登っていく。
最後尾になって、前を快調に登っていく佐々蓮さんやアンジーパパさんをなんとか追う。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           兜岩へ                        串ヶ峰

アルミ梯子を一段一段ふみ超えて、14:36、やっと…、山頂に着く。
万歳の記念撮影を済ませ、東赤石山方面の稜線を覗きに行った。
もう、歩けもしないのに、稜線を眺めながら、気持ちだけが東赤石山へと向かう。
ほんとうに、気持ちだけが…。

どの山を歩いていても、そして高所であればあるほど、山頂の先に稜線がずっと続いている景色を目の当りにしたら、たぶん誰もがこのまま歩き続けたいと思うだろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        西赤石山西側山頂                 東赤石山への稜線

下った。
兜岩へ寄った。
斜面に咲くアケボノツツジを眺めた。
通り過ぎた前線の吹き返しの風がまだかなりきつくて、咲いた花弁や咲いていない蕾を落としてはいったが、まだかなり枝についていて、満開になるのはもう少し先のようでした。
西赤石山のアケボノは昨年の写真と比較してみたが、まったく同じような開花状況だったので、四国の他の山と比べてかなり奥手のような気がした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       兜岩とアケボノツツジ                   兜岩

兜岩で一休みしたあと、石ヶ山丈尾根へ向かうが、尾根越しではなく、一旦、造林小屋への分岐まで下り、破線の道を追った。
分岐付近にはヒカゲツツジの樹が幾つかあるが、蕾が多く、開花しているのは一輪から二輪程度、沢付近のヒカゲツツジはすでに散っていたが、標高が高い分、気温も低く咲くのはこれからのようでした。

三つ葉ツツジの咲く石ヶ山丈尾根を歩く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           ヒカゲツツジ                  石ヶ山丈へ

1388mピークの少し手前に兜岩や西赤石山を眺められる展望の好い岩場があって、そこから一本松停車場址(小さな道標有り)へと下る。
エントツ山さんが整備してくれており、歩きよい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     石ヶ山丈展望岩(一本松分岐)            一本松停車場跡へ

鉄塔の残骸のところを5分ほど行った先に尾根に続くふみ跡と、やや左下方へ下るはっきりしたふみ跡のある分岐があって、エントツ山さんとマーシーさんが左へ、その他のみなさんは以前にここを歩いたことのある佐々蓮さんを先頭に尾根道へ、別れて歩く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           残置鉄塔                   牛車道分岐  

どちらも上部鉄道へ出るのですが、尾根道は間違いなく一本松停車場跡へ出ることができました。
左下方へ下ったエントツ山さんとマーシーさんはやや遅れてわたしたちが歩いた尾根道から下ってきました。
理由を訊きそびれましたが、途中で行き止まりだったので尾根道へ引き返し一本松へと下ったのかもわかりません。

エントツ山2号さんの歩き方が少しおかしくなった。
訊くと、足先に血豆が出来たとのこと。
足元は登山靴ではなく、運動靴だった。
登山靴と違って滑りやすく、靴擦れが起きたようです。
気の毒な姿でしたが、もう少しで東平です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         一本松停車場跡                   東平へ 

旧変電所の建物がある第三広場に到着、子どもさん連れの親子たちの散策する姿が三々五々見受けられた。
16:56、今日の山行参加を見送った妻が待ち受ける東平駐車場に到着。
万々歳!
沿面距離17km余り、所要時間10時間、みんなにそれほどの迷惑をかけずになんとか歩きとおすことができましたが、やや足を引っ張ったかなという印象は免れませんが、歩く喜びも一入のものがありました。

当日朝早くにエントツ山さんとマーシーさんによって、デポしていただいた車に分乗しておおよそ23km先の出発地点へと走った。
車道のほとんどは下り勾配だが、緩い上り勾配もあって、自転車で走るにはしんどかったやろね。
お二人はその足で、わたしたちと17kmあまり、単純標高差おおよそ1570mを登ったわけで、ほんとうに頭の下がる思いです。
ありがとうございました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        第三変電所址                      東平

<後記>

急逝されたペーコちゃんとはあちこちの山で出合っていた。
昨年、後部靭帯断裂の自転車事故を起こした折に、ペーコちゃんから、半年、我慢して、山歩きや自転車で足を鍛えておれば、支障なく痛みや違和感が消えますと言って励ましてくれた。
妻が山で滑って転倒し肋骨にヒビが入った折にも、一か月もすれば痛みはなくなりますよといって慰めてくれた。
まだこれからだったのに、もういなくなった。
いまだにどこかの山でひょっこり逢えるような気がしてならないのですが、あの笑顔が忘れられないでいる。
犬返の桧にあるペーコちゃんの鐘よ、赤石の山に、その裾野の渓谷に永遠に響け。


出発地点7:00-煙突山登山口7:04-煙突山7:16-8:35犬返8:45-<ミスコース15分ロス>ー魔戸の滝10:05ー種子川道分岐11:02ー第一造林小屋跡11:27ー岩屋11:56ー12:44串ヶ峰分岐13:02-第二造林小屋跡13:26ー石ヶ山丈分岐14:10ー兜岩分岐14:21-14:36西赤石山14:42-14:52兜岩15:02-石ヶ山丈展望岩(一本松分岐)15:31ー一本松停車場跡16:21ー16:56東平

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などがわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間などがわかる地図)→こちら    

野田ヶ山・振子山・象ヶ鼻…鳥取県

野田ヶ山、振子山、象ヶ鼻          のだがせん、ふりこせん、ぞうがはな


山行日                   2016年5月12日
標高                    1344m、1452m、1550m
登山口                   大山町川床
駐車場                   車道路肩(3台)
水場                    なし
トイレ                   大休峠避難小屋、ユートピア避難小屋、大神山神社
メンバー                  さぬきナメクジ隊(ピオーネ、むらくも)



四国の山はいつの間にか、アケボノツツジの花でピンク色に染めていた季節がそろそろ終わりに近づき、真っ白なシロヤシオの花や鮮やかなシャクナゲの花のシーズンを迎えようとしている。
その衣替えの端堺に大山へ出かけることにした。
大山といえば関東の人にとっては神奈川にある大山(おおやま)が有名だが、関西人はすぐに伯耆大山が頭に浮かぶ。
あまり山に親しみのない人でも多少スキーを齧った人なら、大山を知らない人はまずいないくらいにスキー場のメッカでもあり、辺り一帯が大山隠岐国立公園内にある。
なので、動植物はもちろんですが、石ころ一つ持ち帰ってはいけない特別保護地域となっている。
自然環境はよく護られており、ブナなどの原生林はもちろんですが、この山に咲くさまざまな高山植物なども保たれているようです。

しかし、一方で50万年から1万年前にかけて成長した溶岩ドームで形成されていて、地質は安山岩質で脆く崩壊が激しい。
南壁、北壁は崩壊が進み稜線はナイフリッジとなっており、脆く滑りやすい地質もあって事故多く、縦走が禁止されている。
特に2000年に起きた鳥取県西部地震により、その後の崩落は一層進んでいるようです。

すそ野に広がるアカマツやコナラ、そしてブナなどの原生林は自然が豊かで、訪れる人たちを包み込んでくれ、中腹から上の沢や谷では豪雪地帯ならではの雪渓が5月まで残り、雪解けを待ちかねるようにして、豊かな高山植物が花を咲かせる。
一方で北壁と南壁では脆くて危なっかしくて、荒々しい崖錘が人を拒み、厳冬期になると、急崖をザイルとピッケルを持った登山者が攀じ登り、板をザックに括り付けて登ってきたスキーヤーが白銀の斜面を一気に滑り降りる。
すそ野と山頂付近の環境および景観差があまりにも大きいが、それが却って魅力的な山にしている。


AM3:50、高速に乗って瀬戸大橋を渡る。
賀陽町を過ぎたところでガスが高速道を覆い、視界は50mほど、ガスは湯原の手前まで続いた。
トンネルを抜けたとたんに青空が広がり、右手に蒜山、大山の山並みを眺めながら溝口ICで降り45号線を走る。

車道沿いの水田では青々とした稲が植えられ、それはすそ野の下方から始まり、上方ではまだ水が張られたばかりの様子。
あぜ道の傍の小さな用水路では冷たい澄んだ水がさらさら流れていた。

大山は南側の鍵掛峠から眺めると、息をのむような険しい姿だが、西側から眺めると伯耆富士と言われているように、端正な姿をしている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

             アザミの咲くあぜ道と朝陽を浴びる伯耆大山

大山環状道路に入り、中の原を過ぎたところで鮮やかな色をした山鳥のオスが、道の中ほどでジッとして動こうとしないでいるのを、スピードを落とし避け、グネッと曲がったところにある川床に車を止める。

7:06、スタート。
大休峠までの距離は3.9km。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     川床・中国自然歩道入口                阿弥陀川

すぐの阿弥陀川に架かる小さな橋を渡って、足元に咲くスミレの道をゆるやかに登っていく。
今日は大休峠から野田ヶ山と振子山を経て象ヶ鼻の上にある1636mピークへ登り、そこから天狗ヶ峰から剣ヶ峰と続くナイフリッジの稜線を眺めたあと、大山寺へと下り、車道を歩いて川床へと周回する予定にしている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            橋                      大休峠への道標

キョロロロロロー、どこかで聞いたような鳥の鳴き声がする。
聞きようによってはキョヒヒヒヒヒーと笑ってるようで、前を歩く妻がボソッと声を漏らした。
「わたし、笑われているのかな」
梢の上を赤い鳥が視界を横切った。
笑う鳥は別名火の鳥という異名を持つアカショウビンでした。
くちばしが赤く大きいのだが、恰好はなんとなくカワセミに似ている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         自然歩道                     岩伏分れ

ブナなどの木に混じって白いふさふさっとした花を咲かせるウワミズザクラの樹があちこちで見受けられる。
梢からはさまざまな野鳥の鳴き声が聴こえてきますが、こんなにも騒がしい森は、植林の多い四国の山にはないような気がする。
野鳥のたくさん棲める環境が保たれているっていうことなんでしょうね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        ウワミズザクラ                  石畳①

聞き分けることのできる鳴き声の主は、ツツドリ、キビタキ、コマドリ、ウグィスに混じってキツツキのドラミングもあちこちから響いてくる。
そのほかにもオオルリやときおり鷹なども鳴いているようですが、詳しくはわからない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         道標                      石畳②

足元に咲く花なども種類多く、ここまでで見た物はギンリョウソウ、イワカガミ、アオマムシグサ、ホウチャクソウ、エンレイソウ、ツクバネソウ、ユキザサ、そして同定の難しいスミレもたくさん咲いていた。
大山は動植物の宝庫ですね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       ミヤマカタバミ                    道標

山水の流れる行く手行く手の沢筋からゲッゲッ、ゲコゲコゲッゲッ、姿は見えないが、苔の生えた岩陰からしきりと鳴き声が聴こえてくる。
おにいさん、おねえさん、遊んで行かない?
ごちそうするから、寄って行ってよ。
虫がたくさん捕れたよ、ミミズもたくさんあるよ、おいしいよ。
ゲコゲコゲッゲッ!
こちとらねえちゃんじゃねえわ、じいちゃんばあちゃんだい、せっかくだがまたにすらーな、それじゃーな。

9:04、趣のある石畳道をコツコツ歩いて、見覚えのある大休峠避難小屋に着いた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         オオカメノキ                 大休峠避難小屋

ベンチに座って一休み。
足元の朽ちかけた木にはブナが芽生えていた。
避難小屋の山手側斜面には矢筈ヶ山、甲ヶ山、勝田ヶ山を経て船上山への登山道があるが、道標は朽ちて倒れている。

遅い朝食を食べながら、これから向かう野田ヶ山方向を見上げると、稜線には小さくユートピア避難小屋がおいでをしている。
朝食は朝、香川で買ってきたコンビニのおにぎり2個、梅干しとおかか、早朝の高速SA売店は開いておらず、また溝口ICから登山口間には食料などを購入するお店がない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         ブナの芽                  振子山と象ヶ鼻

おにぎりのあと、ヨーグルトを飲む。
なんともミスマッチな味がする。
ごはんには牛乳が合う。

ブナの茂る登山道へと入っていくが、足元は昨日に降った雨で水たまりができ、ぬかるんでいる。
登山道わきにはサンカヨウが茂っていたが、花はすでに終わり、青くてちっこいちっこい実が残されていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          コヨウラクツツジ                ブナの新緑

空は真っ青、雲一つない。
明るい陽が林内に零れ落ち、道にはマイヅルソウが群生するが花はまだ。
イワカガミの花が行く手行く手に現れ、その都度前を歩く妻がカメラを構えるが、一体何枚写真を撮ったら気が済むのか、一昔前のフィルムカメラでは考えられないデジカメ、息を止めて屈み込み、立ち上がるたびに目まいがする。
ところどころで樹幹越しに、烏ヶ山の羽を広げたような姿が覗く。

10:25、山頂にイワカガミの花の咲く野田ヶ山に到着。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           野田ヶ山                    ナナカマド

足元の花と、風景全体を染め上げるような新緑の木々と、遠い山並みと、青く透明な空と、クラクラしたものが一つになってとどめる。
ふと前方を見上げると山肌を断ち割ったように崩れ落ちた奥に、ドーム型の天狗ヶ峰と右手に三鈷峰の頂が覗く。
ちょい見にはどこがルートなのかさっぱりわからなかったが、野田ヶ山からは方向が西から南へと振っているので、まだまだ左手の尾根方向へと歩かないといけないようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     槍ヶ峰、天狗ヶ峰、三鈷峰                  ブナ林

後方を振り返ると、野田ヶ山の右奥に矢筈ヶ山の姿が覗き、やがて甲ヶ山の頭も移動する都度じわりっと垣間見えるようになる。
稜線にはダイセンミツバツツジの鮮やかな花が、ところどころで見えてくるようになると、岩肌がぽつりぽつり現れ、やがて振子山のなだらかな尾根が前方に横たわって見えてくる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         タチツボスミレ                    振子山

歩く道は少しずつ険しくなり、左手には大休谷と地獄谷の合流する渓谷を刻み、上部にはわずかに雪渓が残る。
さらに下流には大山滝があるのですが、ここからは見えない。

ちょっとした岩場を越えた。
振り返ってみるとそれが小指ピークと呼ばれているところのようでしたが、確かではない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      雪渓とダイセンミツバツツジ              小指ピーク?    
                          
小指ピークと思われるところから一旦下って、再び痩せ尾根の岩場を登り返す。
右手には東谷への渓谷があり、やはり雪渓がところどころに残っていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         親指ピークへ①            親指ピークへ②

親指ピークの岩場にはハンガーボルトが打ち込まれ、ロープが固定されている。
上を見るとミヤマハタザオが岩場にしがみついていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        フィックスロープ                ミヤマハタザオ

ピークの先は崩壊が進む土塊の崖で、そこにも固定されたロープがぶらさがっており、できるだけロープに頼らないようにして、基部に降り立つ。
そこから東谷を眺めた景色はほぼ垂直な崖の下。

振子山方向に上り返してホッとする妻。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       親指ピーク基部       痩せ尾根で一息

いつかは崩れて、幾分かなだらかにはなるのでしょうが、いまのところ突っ張り人生で、尖がって頑張っております。
稀に尖がったままで人生を終える方もおいでるかもわかりませんが、誰もがどこかで角が取れて柔和になる。
それには先が長くて、親指ピークにはまだまだ若すぎるようでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   親指ピークを振り返る


痩せ尾根を歩み、サンカヨウの群生地を過ぎて、12:03、振子山に到着。
岩場の陰で景色を眺めながらお昼ごはん。
単独の男性の方が追い付いてきて、同じく岩場の陰でお昼ごはん。
わたしたちは7時に川床をスタートしたが、男性の方は8時に大山口から歩き出したとのこと。
大山口ってどこだろう?
大山滝の聞き間違いだろうか?
それとも大山夏道登山口だろうか、いずれにしてもめちゃ速い。
いや、わしたちが異常に遅い。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   槍ヶ峰~天狗ヶ峰~象ヶ鼻


痩せ尾根は続き、崩壊先で途切れた道から新たに作られたう回路を歩き、崩落した崖をのぞき込む。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           崩落                   サンカヨウ斜面

一旦緩やかな鞍部になったが、象ヶ鼻への登りはきつかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         フデリンドウ                    ウリハダカエデ                

サンカヨウの白い花やダイセンキスミレに癒されながら、振子沢分岐のポールに着く。
歩いてきた振子山を振り返った。
奥には矢筈ヶ山から甲ヶ山、勝田ヶ山への稜線が見えていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         振子沢分岐                  矢筈ヶ山、甲ヶ山

南には烏ヶ山。
振子山で出会った男性が再び追いついてきたので、少しお話をしたあと、三鈷峰を眺めながら象ヶ鼻へと登る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           烏ヶ山                     三鈷峰                     

13:15、象ヶ鼻に到着。
お一人の男性が景色を楽しんでおられた。

振子山で出会った男性は、一休みした後、三鈷峰には寄らずに上部砂滑りから下山を開始。
1636mピークに向かった男性はその手前辺りから元谷へと下ったのですが、しばらくして谷筋から大きな崩落の音がした。
ドーン、ガラガラガラー、一瞬男性が滑落したのかと思ってその方向を眺めたが、男性が下ったさらに下方の斜面で起きた岩の崩落だったようです。
景色を眺めていた男性によると、崩落は繰り返し起きていて、砂滑りとは少し離れているところとのこと。
それにしても体が強張るくらいに大きな音でした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   象ヶ鼻から天狗ヶ峰を眺める

1636mピークに寄って、天狗ヶ峰への切れ込んだ稜線を眺めてみたかったのですが、諦めて下山開始。
ユートピア避難小屋の壁には「縦走禁止」と赤書した看板が壁に打ち付けられていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       ユートピア避難小屋                 上宝珠越

空にはいつの間にか、刷毛雲が浮かんでいて、弓ヶ浜がきれいな弧を描いている。
気温が上がったのか、斜面に咲くサンカヨウは幾分萎れたように咲いていた。

飛ぶことに特化した鋭い翼を持ったアマツバメの群れが、チリリリリーと鳴き、頭のすぐ上を谷に向かって滑空して行く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     孝霊山と弓ヶ浜

崩落の進む北壁。
ここを無雪期に攀じ登る人はまずいないと思うのです。
命がいくつあっても足りない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                       北壁

大屏風岩基部あたり、および別山方向を眺める。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                      大屏風岩基部

大雨のときはもちろんですが、雪解けのころには、繰り返し巻き返し崩落を起こしているものと思われる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                         ガレ

岩の下にはまだ雪渓が残っているところもある。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           沢①                         沢②

ところどころにミヤマハタザオの咲く元谷を下り、避難小屋の東側堰堤に出る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                         元谷

元谷避難小屋下の堰堤からは林道を下らず、緑の濃い沢筋の道を辿り、大神山神社へ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          クルマバソウ                  大神山神社

神社では警察官が立ち寄っており、ちょっとしたトラブルがあったらしいのですが、石畳の参詣道は静かで落ち着いた雰囲気。
参道の両脇にある小さな溝では冷たそうな澄んだ水が、さらさら流れている。
やがて環状線に出て、ヒュッテやホテルを横目に川床へと歩いた。
豪円山や中の原の懐かしいスキー場を眺めながら、てくてく一時間、車を置いている川床に到着。
途中、お地蔵さんがあったり、タニウツギが咲いていたり、退屈はしない車道歩きでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           参詣道                      川床

登山道脇で見ることのできた花たち。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            スミレの仲間                 イワナシ
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       ダイセンキスミレ                   サンカヨウ
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         イワカガミ                    ショウジョウバカマ

川床登山口7:06-岩伏別れ7:50-9:04大休峠避難小屋9:25-野田ヶ山10:25-親指ピーク11:12-12:03振子山12:18ー12:45振子沢分岐12:52-13:15象ヶ鼻13:23-ユートピア避難小屋13:31-三鈷峰分岐13:33ー上宝珠越13:52-元谷15:12-13:30大神山神社13:37ー大山寺15:51ー16:53川床

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間などがわかる地図)→こちら

玉取山・兵庫山・大登岐山…愛媛・高知県

玉取山、兵庫山、大登岐山        たまとりやま、ひょうごやま、おおとぎやま



山行日                 2016年5月19日
標高                  1330.4m、1303.2m、おおよそ1477m
取付き地点               四国中央市富郷町寒川山<玉取山大かつらへ入った林道三叉路西進>
駐車場                 なし(林道広い路肩)
トイレ                 なし
水場                  なし
メンバー                さぬきナメクジ隊<ピオーネ、むらくも>



4月26日に同三山を目指して妻と二人で歩いた。
ちょうどアケボノツツジが満開の時期で、次から次へと現れる鮮やかな花にホーホーとため息をつきつつ、特にピークの岩場では絶景にしばらく見惚れたものでした。
しかし、あまりにも二人の足の鈍さと、計画の甘さから、8時間余り歩いた挙句に兵庫山にも届かず、時間切れのため敗退した。

山を歩くようになって今日まで、体力・脚力は人並みよりないと自覚はしていたものの、気にせず楽しんでたのですが、目的の三つの山に二つも届かなくて、だいぶしょーたれた。
奮起一番、改めてシロヤシオやシャクナゲが咲くこの時期に、妻の呼びかけで再び歩くことにした。

計画を変えた。
前回は少し距離のある白髪トンネル手前の猿田峠から玉取山を目指して登ったが、今回は玉取山山頂直下の林道から取つくことにして、距離を2.5kmほど詰めた。
そして出発時刻を1時間ほど早めた。
日照時間も前回山行日より、後ろが20分ほど長くなっている。
むふふふ、これで大丈夫、計画は万全、三山は余裕シャクシャク、鼻歌ルンルンで歩けると思った。


法皇トンネルを抜けてキラキラ輝く金砂湖に下り、銅山川を遡るようにして県道6号線を走り、途中高知県本山町への126号線を左折し白髪トンネル方向へ。
126号線入口には「全面通行止(復旧未定)」の看板が立っていたが、道の崩壊場所は白髪トンネルを抜けた高知県側、かまわず走る。
猿田川沿いの車道脇では、一頭のはぐれ猿が木に駆け上り、のり面や谷の斜面では真っ白なウツギの花が真っ盛り。

上猿田集落を過ぎ、トンネル手前1kmほどのところでダート道を右折、入口には県天然記念樹「大カツラ」の看板がある。
道は荒れていて四駆のオフロード車でないと、底をするなどして走るには無理っぽい。

記念碑のある三叉路を折れ曲がるようにして右折し、歩くような速度でガタゴト走る。
三叉路から距離にして500m余りのところの緩やかなカーブにある広い路肩で止まる。
山手側は植林地で作業道の入口には「保安林」の黄色い標識が立っている。
最近間伐作業が行われたのか、植林帯は一部木が切り倒され、木クズが残っていた。

7:07、スタート。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          林道路肩                  保安林作業道入口    

今日は気温が上がりそうなのでスポドリ3本(500mL)と500mL入りの山専ボトル一本、凍らした麦茶一本(500ml)の計2.5Lの他に牛乳と青汁ワンパックずつを持参。

間伐材の転がった斜面と自然林の境目の尾根を追う。
ところどころに林業用のピンクのテープが施されている。
やがて植林帯は終わり自然林になるが、登山者が施したのだろう、赤いテープが木に巻かれていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          間伐林                       自然林へ

苔むした岩場を右手に迂回。
木漏れ日の落ちる林野にシャクナゲの花。
シカがキューンと鳴く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          岩場を迂回                   シャクナゲ尾根

じわっと汗が滲む。
大きな栃の葉が茂る斜面で、リュックをおろし、着ていたヤッケを脱ぐ。
標高1250m、前方の岩を右へ迂回。
急斜面なので復路のおりには注意を要すると思われるところだったが、ここにも赤テープが施されており、記憶にとどめた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           栃の木                    再び岩場を迂回

登る方向は南南東ほぼ一直線、やがて林野は明るくなり山頂手前に達した。
7:53、見覚えのある縦走路に飛び出したところが玉取山山頂だった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           山頂目前                   玉取山山頂

白髪山方向に展望が開けた三角点でおにぎり一個の朝食をほおばる。
山頂付近には前回登ったときにもミツバツツジが咲いていたが、あれから3週間以上経ったいまもまだ咲き残っている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            白髪山                1334ピーク肩へ向けて

玉取山から兵庫山に向けて出発。
ゆるく下りかけたところに分岐を示すピンクのテープがあったが、薄いふみ跡を右に行くと林道へ下ってしまうので、左へのふみ跡を追う。
すぐに急勾配の斜面になり、鞍部に降り立ち痩せ尾根を歩くことになるが、西に猿田川の支流がある谷間から風が吹き上げてきており、、東への汗見川の支流のある谷間へと抜けていく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          タニギキョウ                 ヤマグルマの花

額からは汗が滲んでいたが、吹き抜けの風がたちまちにさらさらっと乾かせてくれる。
帽子を脱いだ。
涼しくて、ホーッと喉元から声がもれ、谷間に消えていった。

前を行く妻がうわーっ、きれい、見て見て、と声を張り上げる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           シャクナゲ                 シロヤシオ(ゴヨウツツジ)

足元にはシロヤシオの白い花びらが舞い散り、見上げると小さな五枚の葉が、産まれたての赤ん坊のような手のひらの形で広げている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            尾根                      シロヤシオ

もうすでに落花して終わっている木もかなりな数があったが、満開のものもあり、オンパレード。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         シロモジの芽生え                ミツバツツジ

やがて1334mピーク肩へのきつい登り返しが始まったが、そこにはシャクナゲも咲き始めており、ミツバツツジの紫っぽい赤色と混じって見事なものでした。
肩からはシャクナゲやアオダモの樹幹越しに丸く穏やかな玉取山の頂が見えていた。
どなたが名付けたのか知らないが、玉取姫を連想させる微笑ましい名前です。

しばらく休息していると体の周りでブヨが舞いだした。
急いでパワー森林香をリュックのポケットから取り出し、火をつける。
効果てき面、虫は体から遠ざかり、近寄ってはこない。
いつもブヨに噛まれ、痒さで眉をしかめている妻だが、この日は一日噛まれることはなかったようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      シロヤシオとミツバツツジ         シャクナゲとマルバアオダモの花後

岩場に向けて稜線を辿っていくが、そこから垣間見える景色は素晴らしくて、赤石山系から二ッ岳や、赤星山から豊受山の稜線を望むことができ、手前の天堤山から芋野山を経て銅山川へと下る尾根中腹には下猿田の集落が見えている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      東赤石山~二ッ岳                  赤星山~豊受山

バイケイソウの群落にやってきた。
ここから稜線伝いに登ると絶景の岩場のピークに立つことができるが、今日は大登岐山へ行く時間が欲しいため、登らずに、向かって左の南東方向に岩場基部を巻くことにした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       バイケイソウの尾根                  岩場を巻く

尾根に登り返すと、そこにはやはりシャクナゲとミツバツツジの饗宴。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     ミツバツツジとシャクナゲ                 岩棚からの展望

途中で、尾根からわずかに左に外れた岩棚へと下ってみた。
緑の濃い渓谷の奥に白髪山が聳え、さらに北へと続く尾根先にはきびす山がこじんまり居座っている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     桑ノ川渓谷と白髪山

南には大己屋山が登岐山から派生した尾根の途中に引っかかるようにして頂をちょこんと突き出していて、その麓には桑ノ川林道が走っている。
白骨林の陰にはこれから行く大登岐山が烏帽子頭の形でドデンと構えていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         大己屋山                      大登岐山

いつの間にか1226mピークを過ぎ、振り返ると桧の生えた岩場ピークが徐々に遠のき、前方の兵庫山がだんだんと近づいてくる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          兵庫山                        尾根

11:12、足首までの、短い笹原の斜面を登って兵庫山山頂に到着。
木陰をのぞき込むと、ありました。
高松一校OB・OG会による石鎚山~剣山縦走記念のプレートが…、縦走日は1971年12月21日~翌年1月5日。
いまから44年も前の縦走、当事者にとっては懐かしいプレートだと思うのですが、きっといまも現役で歩かれていることでしょう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         兵庫山山頂                      記念板

兵庫山から大登岐山までの所要時間は標準でおおよそ1時間少々なんですが、わたしたちだと1時間半ほどはみておかないといけないようなので、腹の虫抑えにケーキを食べ、青汁を飲む。
小さくアップダウンを繰り返し、桑ノ川林道奥からのふみ跡が左から上ってきているテープの賑わしい鞍部分岐を通り過ぎ、いよいよ大登岐山への上りに差し掛かる。

ブナ林を過ぎて、しばらくのところからシロヤシオのクライマックス。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           ブナ林                      シロヤシオ 

玉取山から1334mピーク肩間の尾根と比べて、やや標高が高いため、落花してるものはなくどの木も満開だった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         シロヤシオ                      シロヤシオ

妻の足が止まってしまい、カメラを構えたまま動かない。
山頂へは行かない、ここまででいいと言い出す始末。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     ミツバツツジとシロヤシオ               岩尾根と黒岩山            

妻のケツを引っ叩いて、やっとこさシャクナゲの咲く山頂に到着。
時刻はタイムリミットぎりぎりの12:54でした。
東側の頂にも寄って、高知県側を眺める。
もう少し頂の標高が高いと太平洋が見えるのですが、生憎でした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         大登岐山山頂                 南西方向の眺望

定番の黒岩山・野地峰方向を眺める。
ずーっとどこまでも続く愛媛・高知県境尾根の風景に、圧倒され言葉が出ない。
遠くに沓掛山と笹ヶ峰の吊り尾根も小さく見えていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   黒岩山~野地峰~東光森山

早明浦ダムのさらに上流にある岩躑躅山を、挟み込むようにして流れる吉野川の水面も見えている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   鎌滝山、早明浦ダム上流、岩躑躅山

山頂で30分近く休憩し、遅いお昼ごはんを食べたのちに、兵庫山へと復路を急いだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           兵庫山へ                   イノシシのベッド

14:33、シャクナゲの咲く兵庫山通過。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       兵庫山山頂                玉取山へ

アセビの茂る岩尾根を越えて。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          岩尾根                    アセビ尾根

次第に近づいてくる桧の岩場ピークを前方に眺めながら、直前で右へ迂回。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      シャクナゲと豊受山                    岩峰手前

危なっかしい岩峰にはテープや県境杭があるが、基部を巻くルートにはふみ跡もテープもなく、適当に歩くしかない。
尾根に登り返して、ぼっとらぼっとら玉取山へと進む。
経過時間は9時間を超えた。
次第に疲れてきて、声が出ず足取りの重い二人はひたすら黙々と歩く。

渓谷からの涼しい風は、山肌を伝って稜線に吹き上がり、高知側の谷へ駆け下りてゆく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          岩峰基部                     快適な尾根

16:40、1334mピーク肩から大森山と佐々連尾山を眺め、17:35やっとこさ玉取山でへたり込み、コーヒーを入れた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       1334ピーク西肩                   玉取山山頂

玉取山から林道への下りは方向が北北西へ一直線ではあったが、岩もあったり、尾根筋のはっきりしない急勾配だったりで気を使った。
シャクナゲのある尾根のところでは妻が不安そうに、「ここ朝に歩いたところ?」と呟いた。
自信がなかったが、「だいじょーぶ、だいじょーぶ、心配ない」空返事。
登りと下りでは感覚が随分と違うものです。

見覚えのある間伐林を下り、18:22、駐車する林道に舞い降りる。
沿面距離わずかに13kmの山で11時間あまりうろついた。
ナメクジ歩きからの脱却はほど遠い。

しかし、達成感は大きくて、帰宅後の気分は爽快、雲一つない透き通った青空のように、スカーッとした。
うっし、ナメクジ隊は明日と言わず今日から、スクワットと階段一気駆け上がりで、鍛えるぞ、オーッ!

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       玉取山北尾根斜面                  取付き地点へ下山

<後記>
後日、早速、妻と一緒にダンベル持ってスクワットに励み、100m走スタートダッシュをやった。
なんと、妻のほうが速い。
スルスルーッと追い抜いていった。
女子(この場合は女バアだ)に負けるなんて男児(男ジイの間違い)の沽券に関わる。
懸命に走った。
本人は新幹線並みにぶっ飛ばしてるつもりですが、足がもつれヨタヨタ、コケそう、ダメ追いつけない。

「あんた、足速いな~」
「うん、学生時代は速かった」
「ふーん、だけど運動が嫌いだったんだ」
「うん」
「………」
運動好きやけどトロ鈍くて、ドン臭い(泣)
運動嫌いやけど俊足で、やるときゃやる。
世の中いろんな人がいてるもんなんですね~。


取付き地点7:07-7:53玉取山8:09-岩場直下9:31-1226mピーク10:21-11:12兵庫山11:24-12:54大登岐山13:20-兵庫山14:33-1226mピーク15:22-17:35玉取山17:44-18:22取付き地点

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかりやすい地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間などが把握しやすい地図)→こちら

マドの天狗~寒峰…徳島県

マドの天狗、寒峰          まどのてんぐ、かんぽう



山行日               2016年6月2日
標高                1245.7m、1604.8m
登山口               三好市東祖谷高野
駐車場               なし(林道沿い広い路肩)
トイレ               なし
水場                第二小島谷川もしくは林道日和茶坂瀬線沿いの寒峰登山口より登った標高おおよそ1200m                    の沢(水涸れ注意)
メンバー              ピオーネ、むらくも



一年前に松尾川沿いの日比原からマドの天狗へと登り、廃集落であった山風呂へと下ったことがある。
その折に、マドの天狗から東に眺めた風景は、寒峰台地の先に寒峰が聳えており、ぜひここを歩いてみたいと思った。
それ以来周回することを念頭に、何度も地図を広げてルートを模索してみたものの、いい案が浮かばなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 当初考えたシッポの長い変形周回案

上地図に示すように、これならいけるかなというなんとも心もとない線を引っ張り、計画らしいものを作ってみた。
計画どおりに歩くとすると、わたしたち夫婦が要するおおよその所要時間は14~15時間、無理して出かけても、途中敗退は目に見えている。
車を寒峰登山口へデポし、高野登山口とを車で結ぶことも考えたが、デポに要する手間と時間は結構苦痛だ。
周回はすっぱり諦めた。

ピストン、しかも最短距離で…。
寒峰台地から尾根続きに歩いて落合峠・寒峰縦走路上の1556mピークへと歩く計画も止めて、林道日和茶坂瀬線沿いにある寒峰登山口から登り、時間がかかる寒峰峠へのトラバースルートは避け、尾根伝いに寒峰山頂へダイレクトに登ることにした。
この計画で一応、寒峰台地を歩き、マドの天狗と寒峰の山頂を繋ぐという二つの目的は叶えられる。
沿面距離はおおよそ18km~19kmだが、寒峰台地はなだらかで、林道歩きも若干あることから推定所要時間10時間から11時間、比較的スピード感のある歩きが可能だ。
エスケープルートは廃道になってなければ、四ッ方峠四方峠(誤りにつき訂正6/7)から南への破線の道を下って佐野へ出るか、もしくは林道日和茶坂瀬線を辿って佐野集落へ下るのが最もいい方法だろうか。
四ッ方峠四方峠(訂正6/7)から廃集落となっている里の江を経て、小島に下るのには廃道になっている可能性が高いことから頭から外した。
タイムリミットは13時とし、途中敗退も視野に入れた。


月齢26.3、下弦の月と呼ぶには幾分歳が往き過ぎてるだろうか、辺りはまだサイレントブルー色、上下に鋭く尖がったブーメランのような月が東の空に浮かぶ時刻に自宅を出発。
前日まで梅雨明けのころのような異常に暑かった気温は嘘のように下がり、香川・徳島県境の猪鼻トンネルでは12度だった。

空の色がようやく白んだときに、フロントガラスの上に小さな影が映った。
車は50kmほどのスピードで走ってるが、その影は一点をジッとして動かない。
不思議に思い目を凝らしてみると、大型の鳥が車が走る方向に同じスピードで飛んでいる。
なんの鳥かよくはわからなかったが、それだけのことだった。

阿波池田から高知方面への国道32号線から左折し大歩危橋を渡り、道の駅「にしいや」を過ぎてしばらくのところで剣山方面へ左折する。
左折地点から距離にして5.8km、時間にして9分ほどで第一小島橋を渡ったところで三叉路になる。
右に行くと剣山だが、小島・大日堂へと左折し、すぐの三叉路を右上への道に入る。
そこからおおよそ1kmほどで再び三叉路があって、右は佐野集落、左は高野集落(佐野2km、高野1kmと書かれた道標あり)となっているので左折し高野集落へ。
この春に訪れたときの車道わきの民家の畑ではハナモモや桜の花で鮮やかだったが、いまは辺り一面濃い緑に包まれていた。

6時過ぎ、高野登山口に到着。
車を広い路肩に止めさせていただき、6:32、民家の間のコンクリート製階段を上がり、畑道を通って杉植林へと入ってゆく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     高野登山口            杉植林

いきなりの急登で一汗をかき、はっきりしたふみ跡のあるトラバース道とふみ跡のない尾根への分岐に差し掛かる。
倒れた木の枝には二段巻のテープが施されており、足元にはお馴染みの水を引くお黒いホースがあった。
トラバース道の先は、マドの天狗から寒峰台地へ10分ほど下った稜線に出るが、とりあえずは尾根を辿りマドの天狗山頂を先に目指すことにした。
尾根に乗ってすぐに黄色いテープがあったがその後は何もなく、適当に尾根を追う。
7:30、1167mピークの手前で紅白のポールが立っているところに出合うが、足元には小さな白い四角柱が埋設されていて、頭に三角点と記されていた。
国土地理院地図にはこの付近に三角点の記しはない。
位置としては、ちょうど、東祖谷と西祖谷の境界の上あたりだったが、何だろう?
景色が東に開け、西寒峰への尾根筋が見えていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    トラバース道と尾根分岐地点        紅白のポール地点から眺める西寒峰

岩場が現れた。
木の枝には地籍調査のピンクのテープが括り付けられている。
岩崖を右手に巻いた。
ピンクの調査テープは次々とくくられており、足元には新しい杭が打ち込まれている。
痩せ尾根の左は切れ落ちており、もしも落ちると止まりそうにもないような垂直に近い斜面だった。
痩せ尾根を過ぎると小さなアップダウンの歩きやすい尾根に変わった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    1167mピーク手前の岩場             小さなアップダウン

8:00、三等三角点・天狗が埋設されている「マドの天狗」山頂に立つ。
テープとふみ跡は西北西中津山方向の尾根筋と、東北東方向に続いている。
空は生憎の曇で東と南に開けている景色もなんとなく冴えず、座り込んで朝食を摂ることにした。
おにぎり二個、牛乳で流し込む。

風は冷たく、ヤッケを着込んで、東北東方向へのふみ跡を辿り、そのまま直進し寒峰台地への尾根を下った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       マドの天狗山頂                  寒峰台地への尾根下り

入口は灌木の茂みだったが、すぐに下草がフタリシズカの花咲く群生地になり、やがてテンニンソウの群生地に取って代わった。
北に景色が開け、青々とした腕山の牧場が見え、竜ヶ岳の崖っぽい特徴のある山容が目を引く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     竜ヶ岳と腕山

お~っ!
進む方向に寒峰台地の尾根が続き、そして寒峰や前烏帽子、烏帽子山など祖谷山系の秀峰が雲間から差す陽光で輝いているではないか。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    寒峰台地と寒峰を眺める

空はまたたく間に晴れ上がり、スカーッとした青空が広がり、白い雲がぽかりと浮かぶ。
西寒峰から祖谷渓谷になだれ落ちる尾根のその奥には天狗塚の頭がちょっこり突き出していた。
西寒峰の尾根先に白い点のようなものが小さく光って見えているが、それは林道造成のために出た土捨て場で、林道は佐野集落から寒峰奥の井登山口へと繋ぐためのもので、いまは工事中となっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  西寒峰の尾根と右奥に天狗塚

8:29、トラバース道合流地点の裸台地に出た。
鹿かカモシカだろうか、獣の新しい足跡がゆるやかな尾根先へと続いている。

あっ!
リュックの後ろに括り付けていたブヨ避けパワー森林香の入れ物が、どこで落としたのか、ない。
幸い空気が冷えているためブヨは飛んでなく、火は点けていない。

器具は普通の蚊取り線香の入れ物より少し高価で、通販なので一般のお店では買えない代物だ。
仕方ない、帰りに探そう。
というわけで、復路はトラバース道ではなく、再びマドの天狗へ寄ることが決定してしまった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

  トラバース道合流地点付近と獣の足跡        ゆるやかな尾根下り

ポポー、ポポーッ、ツツドリの賑やかな鳴き声がウツギの花咲く尾根に木霊する。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        ウツギの白い花                 ヤブウツギの花

ところが突然にツツドリの鳴き声が変わった。
ポポーポポーッ、ポポポポポポポーッ、アポアッポーッ!!
………
その後、鳴き声は聞こえなくなった。
たぶん、イタチかテンか鷹かフクロウか、他の動物か猛禽に捕食されてしまったのだろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

            戸木                   モミジ

やがて、台地の広がる尾根に出た。
過去には背の高いカヤが茂っていたようだが、いまはシカが芽を食べているのだろう、足元低く笹やシダと一緒にわずかに生えている程度だった。
台地はいたるところに広がっていて、場所によって庭園のようだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           台地①                      台地②
 
カッコウの鳴き声がしきりと聞こえてくる。
9:32、尾根を下ったところのだらけた鞍部に着いた。
何十年前だろうか、カタカナラベルのコカ・コーラの瓶や古いゴミが散らかっていて、南にはくっきりとした道がついている。
そこは四ッ方峠四方峠(訂正6/7)だった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      四ッ方峠四方峠(訂正6/7)佐野方面                    古いコーラ瓶

北の坂瀬側に下る道がないか確かめてみたが、判り辛かった。
南への道は佐野集落へと続くのだが、途中で分岐して一方は第二小島谷川の右岸に沿うようにして、里の江集落を経て、小島に至る。
里の江は7~8件の集落だったようですが、昭和53年には無人となり、国土地理院に記載されている破線の道はいまでは廃道となっている。
春に小島を訪れた時に、小島林道沿いの里の江への山道入口を探してみたが、入口はなくなっていた。
それらしいところから奥へと入ったところ、道は見つかったが、荒れていてもう誰も歩くものはいない様子でした。
里の江集落跡も、わずかに一軒の崩れかけた廃屋が残っている程度の状態になっているらしい。

峠からは登りになり、しばらくで1166mピークに到達。
そこを下ってると左手に林道のガードレールが見えた。
林道は日和茶坂瀬線の延長線だろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       坂瀬・小祖谷方面?                   境界石

ほどなく尾根は林道へと下ってしまい、何人かの作業者と何台もの重機が動いている工事現場に出合った。
よくはわからないが1166mピークを巻くようにつけられていた林道とは別に、北へ坂瀬側に下る林道を造成中のようでした。

林道を歩き、第二小島谷川の先にある寒峰登山口へと向かう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         林道工事現場                 寒峰登山口への林道

第二小島谷川は豊富な水が流れ、道沿いにはアサガラの白い花が咲いていた。
左手山側に林道入口があって、そこを大きく回り込むようにして進んだところが寒峰登山口。
登山口入口は茂っており、すぐには登山口とは気づかない。
一本の目立たないテープが枝に巻かれているが、道標はなく、なんとも心細い印象だ。
茂った葉陰を覗きこむと、木の枝から括り付けられた栄養ドリンクの瓶がぶら下げられていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       アサガラの花                    林道沿い寒峰登山口

上るとそこは伐採後の植林地だった。
何本もの植えられた若い苗木が、シカに齧られないよう、細長い筒状のもので保護されている。
足元の道はカヤから、やがてテンニンソウの群生に覆われ、そして苔むした自然林の中へ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       伐採後の植林地                     自然林へ

アカショウビンの鳴く沢を渡り、クネクネと尾根へと登る。
一部ふみ跡はわかりにくいところもあるが、ところどころについているテープやケルンを頼りにして、適当に検討をつけて登ってゆく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          沢渡渉地点                  寒峰西尾根へ

標高1500を超えたところで、それまでの灌木の茂る尾根から、ガラッと異なる風景の笹原に出た。
前を歩く妻が「オオーッ!」と叫ぶ。
一頭の体格のいいシカが上からこちらへ向かって突進してくるのが見えた。
つられてわたしも「オオーッ!!」と声を上げたところ、シカは急ブレーキをかけ、反動で直角に方向転換し、そのまま斜面を駆け下り、あっという間に姿を消した。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    寒峰山頂手前の笹原

寒峰峠方向への薄いふみ跡から逸れ、獣道の尾根を追っていると、途中にいくつかのシカのベッドに出合った。
やがて、獣道もなくなり、樹木もなくなった。
11:56、少し息が上がりかけた頃、山頂に到着。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          獣道を追って                   寒峰山頂

猛烈に空いたお腹へ、弁当をかき込む。
景色を眺めながら食べる弁当は格別にうまい。
これ以上の幸せはないぞよ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                      三嶺~天狗塚

この空の色を見よ。
二人だけの世界だぜ。
そんな歌を、遠い昔にボーイッシュな女性歌手が唄ってたなー。

とりとめもないことを頭の中で考えていたそのとき、カメムシがひざの上で屁をこいた。
ウゲウゲー、臭いっ!
カメムシって田んぼの畔の草叢で潜んでいる昆虫と思ってたが、こんな高所にもいるんですね。

東には落合峠への長い稜線とその先に矢筈山が聳え、北遠くには香川の里山の五岳山やうっすらと青い瀬戸内海が見えている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 落合峠への稜線と矢筈山

いつの日か近いうちに落合峠への稜線も歩いてみたい。
そんなことを思いながら、山頂を後にした。
下る笹原の前方には寒峰台地の尾根とマドの天狗が見え、中津山の格好いい三角形の姿がどっしり構えていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

              寒峰西尾根から眺めた寒峰台地

笹原をだいぶ下ったところに上下二本の細くて薄いふみ跡が寒峰峠方向に延びている。
どちらも獣道のような感じでしたが、一本は峠へのトラバース道ではないかと思った。

足元にシカの角二本が転がっていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

寒峰峠分岐付近から寒峰峠方向を眺める            鹿角セット

おっと、尾根を一本間違えそうになった。
右へ修正しながらしばらく下ったところで、尾根を外して谷方向へと下る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          ケルン                       沢渡渉

林道沿いの登山口近くまで降りたときに、一頭の小鹿が灌木の茂みの下で、罠にかかって暴れている姿があった。
足首からは細いワイヤーが木の枝に伸びている。
助けてやりたいと思う感情が沸き起こるが、押し殺して、その場を離れた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    伐採後のテンニンソウ群生地                  小鹿

二人で、仕方ないねと呟きながら、しばらく林道を歩いて、林道工事現場から再び寒峰台地への尾根に乗った。
工事現場からさほど遠くない位置で、後ろ歩いていた妻が悲鳴を上げた。

足元にはバネ仕掛けのくくり罠が周りの土を跳ね上げ、小さな穴が開いていた。
おーっ!
これがエントツ山さんの足を括り付けて放さなかったあの強力なバネ罠か。

その先でもう一個仕掛け罠を見つけたので、妻に気を付けるように注意をしたところ、妻は何を思ったかストックで突っついた。
バッシーン!
一瞬にして土を跳ね上げる。
おとろしい力だ。

もうないだろうと思って、気を抜いて歩いたところ、今度はわたしの靴の下でバシーン!!
あ~あ~!三つもダメにした。
おら、知らね。
仕掛けた人に申し訳ないと思ったが、あの強力なバネを元に戻すことはようしないし、考えなかった。

その先でももう一個見つけた。
今度はなにもせずにやりすごす。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       林道と寒峰登山口付近                  鹿罠

罠の仕掛けられた尾根をだいぶ先に進んだところで、二頭のシカが元気よく飛び跳ねて遊んでいた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          フタリシズカ                 ウリハダカエデの花

カッコウの鳴く四ッ方峠四方峠(訂正6/7)を過ぎたところで、右手に何かが音もなく同じ方向にツツーーーっと走る。
林道があって、車が走ってるのかなと思って覗いてみたが林道はなく、台地の草原が見えるばかり。
どうやらシカが走ってたようだ。

後方を振り返り見た。
寒峰から烏帽子山の稜線が聳えている。
寒峰の左下には登山口のある伐採跡植林地が、周りの深い緑の中でポツンとひときわ明るい緑で目立っている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 台地から烏帽子山と寒峰を眺める

15:23、再びトラバース道分岐付近の台地に差し掛かったが、トラバース道へと左折せず、パワー森林香の入れ物を探すため、マドの天狗へと登り返す。
しばらく登ったところで器具を固定していたひも付き金具を発見。
さらに200mほど先で器具本体を発見。
やれやれ、ホッ!
たかが1100円、されど1100円、年金生活の身には貴重なお金です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  再びトラバース道付近に

15:39、マドの天狗に帰着。
どっかり座り込み、熱いコーヒーを入れる。

山頂の傍らにはヤマボウシの花がそろそろ終わりかけていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        マドの天狗                      ヤマボウシ

重い腰を上げ、山頂を背にする。
途中、足にマメができた妻に、カットバンを施す。

1167ピークの岩場では左へ巻いたものの下方へ下り過ぎ、急斜面を四つん這いで登り返すのに、重い足には堪えた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        地籍調査テープ              1167mピーク岩崖

トラバース道合流地点では、尾根を行き過ぎてしまい、慌てて引き返す始末、ほんと疲れました。
17:21、バラのアーチをくぐって、登山口に帰着。
額にはうっすら脂汗が滲んでました。

帰宅後、ビールを飲んで体重計に乗ったところ、普段の体重よりかなり増えていた。

歩いている最中に食べたものは…、おにぎり二個、比較的小さな弁当一箱、バナナ一本、饅頭一個、プリン一個、チーズ二個、カロリーメイト一個、牛乳ワンパック、青汁ワンパック、スイカ細切れ二個。
食べ過ぎ???

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         杉植林地                      高野登山口

高野登山口6:32-トラバース道分岐6:56-8:00マドの天狗8:18-トラバース道尾根地点合流8:29-四ッ方峠四方峠(訂正6/7)9:32-林道日和茶坂瀬線工事現場10:03-寒峰登山口10:16ー11:56寒峰12:33-寒峰登山口13:35-工事現場13:48-四ッ方峠四方峠(訂正6/7)14:12-トラバース道分岐15:28-15:39マドの天狗15:51-トラバース道合流17:00-17:21高野登山口

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間などがわかりやすい地図)→こちら

御在所岳…鈴鹿山脈

御在所岳       ございしょだけ


山行日        2016年11月4日
標高         1212m
駐車場        湯の山温泉バス停付近に有料あり(普通車1日800円)
            その他鈴鹿スカイライン沿いの登山口に無料有り
登山口        鈴鹿スカイライン沿い中道登山口
下山口        湯の山温泉翠明橋奥にある裏道登山口
トイレ        バス停付近、山上公園内レストランなど各施設、藤内小屋
水場         山上公園、兎の耳付近沢、藤内小屋
メンバー       ピオーネ、むらくも



琵琶湖と伊勢湾に挟まれるようにして、南北に伸びる鈴鹿山脈があり、直線距離にしておおよそ50kmある。
北には関ケ原の南西にある標高1083mの霊仙山から始まり、伊賀・甲賀市境に聳える標高693mの油日岳まで続いている(鈴鹿峠までとする説もあるが…)。
最高峰は標高1247mのカルスト台地の御池岳、第二位には1238mの雨乞岳、そして第三位は日本二百名山に選ばれている標高1212mの御在所岳がある。
因みに御池岳は田中澄江さんの著書で有名な花の百名山でもある。
参考までに鈴鹿山脈の北部には花の百名山が三山あって、御池岳の他に霊仙山、それに日本三百名山の一つである標高1144mの藤原岳は特に花の種類が多く、田中澄江さんはこの山を「花の百名山」「新・花の百名山」両著書で紹介している。

花の三山は石灰質の山だが、御在所岳は主に花崗岩から成り立っており、藤内壁はロッククライミングのメッカでもある。
麓にある湯の山温泉で一晩泊まり、鈴鹿スカイライン沿いにいくつもある登山口から好きなコースを選んで、ゆっくり周回するのはなんともいえない魅力がある。
また奇岩の多い山容と、山頂までロープウェイがついていることからも、小豆島の寒霞渓に似たところがあって、秋のこの季節はねらい目だ。
花の名山藤原岳と霊仙山は他の季節に譲ることにして、秋の遠足は紅葉の景勝地御在所岳と鈴鹿山脈最高峰の御池山の二山に絞った。


前夜、湯の山温泉西にある道の駅「菰野」で車の中で寝た。
すぐそばには近鉄湯の山線が走ってて、絶えずウンゴロカッタンコットンと煩く一晩中音を立てていたが、いつのまにかぐっすり。
朝6時前には走る電車の音がちょうど目覚まし代わりになって、何度か通ったのだろうが、頃よく目覚めさせてくれた。
布団を頭から被って寝ているまん丸顔のドッヂボールのような妻の頭をペヒリと叩き起こす。

前日に、鈴鹿スカイライン沿いを滋賀県八日市から峠を越えて走り下りてきたが、その日は祝日であったこともあって、スカイライン沿いにあるいくつかの登山口にはたくさんの車が駐車していた。
なおかつ駐車場をはみ出して延々と道路縁にも止められており、登山口から駐車地点までの長い距離の車道を歩いている人をたくさん見かけた。
紅葉シーズンのこの時期は観光客や登山者が詰掛けて、平日とはいえ油断ができない。
駐車場が満杯になってはいけない、湯の山温泉へそれ急げ。

朝焼けの御在所岳を正面に眺めながら鈴鹿スカイラインから577号線へ入って、ぐちゃぐちゃっと走ったところにバス停があって、その手前の三滝川渓流沿いにトイレのある広い駐車場があった。
有料で普通車一日800円だった。
スカイライン沿いの登山口付近には無料の駐車場があるが混んでそうだし、中道尾根と裏道を歩いての周回にはここがよさそうだ。
湯の山パーキングセンターの管理をしているお土産物屋さんに料金を払い、登山口までの道を訊いて出発。
時刻は7時50分だった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   湯の山温泉バス停                   涙橋

バス停にはドテッパラと後部にかもしか号と書かれた赤いバスが停まっていて、傍らには御在所岳への道標が立てられており、登山口まで案内してくれる。

時は元禄15年10月10日、夜も明けきらぬ朝、大石内蔵助が愛人小柴太夫との別れを惜しんで涙してこの涙橋を渡ったという。
そっか、愛人がいたんだわ、うーん。
橋を渡りながら、奥さんはその頃どんな気持ちでどうしてたのかなとつい余計なことを考えてしまう。      
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      古い温泉宿           表道・中道・武平峠・鎌ヶ岳分岐口
良雄(内蔵助のこと)は愛人とこの宿に泊まっておったのか!(ウソじゃ)
近くには内蔵助が立ち寄ったという大石公園があって、それを横目に道標に従ってほどなく進んだ分岐のところで登山届のポストがあった。
ポストの下には行方不明者のポスターが貼られており、9月12日、80才、登山歴10年、年50回ほど御在所岳の一般道を繰り返し歩いていたとのこと。
9月中旬は台風がいくつも発生し、お天気があまりよくなかった時期でしたが、ガスがかかって視界がよくなかったのでしょうか。
他人事とは思えませんが、日数がだいぶ経過していて心が痛みます。
妻が届書に記入して、ポストへポトン。

スカイラインへ出たところが中登山口で、道路沿い上下にそれぞれ駐車場があるが、マイクロバスが停まったりで、大勢の方たちがたむろっていた。
今日は平日だのに人気がある山です。
この様子だと、昨日(祝日)は相当な人が押し寄せてたことでしょう。
明日は土曜日、今日という日でよかったわ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    ロープウェイ下通過            負ばれ石

植林の中を進むとすぐに自然林の急な登りになる。
20分ほどで分岐があって、右にとると裏道の日向小屋の上に出る。
ここは左へ振り尾根を辿る。
空を見上げるとまだ朝の気配を残した陽がサンサンと山に降り注ぎ、ロープウェイの小さめな赤いおもちゃのようなゴンドラが頭の上をいくつもいくつも通過して行く。

大きな負ばれ石という奇岩が現れた。
子守をするときに赤ちゃんを背中にを負ぶうというが、この石は負ぶった石よりも負ばれた石のほうが大きくて、いかにも重たそうで、負ぶった石は力負けしてそのうち倒れるんじゃないかと思う。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

              ロープウェイ山上駅と御在所岳東面
空気はひんやり乾燥していて、気持ちがいい。
急峻な山肌に白い鉄塔が立ち、目にまぶしい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  ゴンドラと鎌ヶ岳
ゴンドラが次々と運ばれてくるその奥にはキューピーのような尖った頭の鎌ヶ岳がおいでをしているように見えたが、ちと遠くからの者なので遠慮しておくことにした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       伊勢湾方面              850m付近
出発地点の温泉街が標高350mほどだったので、おおよそ500mほど登っただろうか、尾根筋のあちこちにある岩場からは展望がよく、遠くには伊勢湾が霞んでいて、辺りの木も一段と紅葉が鮮やかになっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 地蔵岩
今年の紅葉は厳しい残暑が長く続いたことと、秋雨前線の停滞や相次ぐ台風の影響で長雨が続いたことにより、高所では芳しくない。
むしろ、これからの冷え込みにより里山や麓のほうが紅葉は期待できそうだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     ゴロゴロした岩場              キレット
ちょっとばかし危なっかしそうなところに差し掛かった。
昭文社などの山地図には先ほどの地蔵岩あたりと、この場所に㋖マークが入っている。
負ばれ石あたりから上は花崗岩の瘦せ地なので、ツツジ系の樹木には適していて、春には奇麗らしいのですが、ガスが発生したりすると迷いやすく危険なのだそうだ。
下りなので怖さが倍加します。
鎖がついてるのでそれを補助にしながらゆっくり慎重に下った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       梯子              富士見台
キレットを過ぎると林にすっぽり包まれるが、春に来るとアカヤシオ(アケボノツツジ)で全山ピンク色に染まるんだとか。

歩きだしておおよそ3時間、標高おおよそ1190mの富士見岩展望台に着いた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         東面                 東面下とロープウェイ
山頂へはもう少し上らないといけないが、とりあえず、紅葉真っ盛りの景色を眺める。
富士見台へはロープウェイの山上駅から近くて、何人もの人々が入れ替わり立ち寄っていくが、みなさん景色に心を奪われているのかシーンとして静か。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   富士山方面遠望
ときには富士山が遠くに見える日もあるようだが、今日は生憎見えていなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

     中央左奥に御池岳、その右に藤原岳、右端手前に釈迦ヶ岳
鈴鹿山脈の一部である御池岳、藤原岳、釈迦ヶ岳が一望できた。
手前は国見尾根で、尾根上に白く小さく点のように並んだ奇岩(天狗岩・ゆるぎ岩)が写り込んでいる。
この尾根の手前渓側が復路に歩く裏道ルートがある。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     朝陽台
朝暘台では大勢の人がいて、三々五々銘々に深まる秋の山を楽しんでいた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        望湖台           鈴鹿山脈南方面(手前に長者池がある)
こちらは望湖台、琵琶湖が見えているような見えてないような、目が悪い私には厳しい。
左奥にある山は雨乞岳のようだ。
南方面には鎌ヶ岳の尖がり頭、その他の山はよくはわからない、山脈南端の油日岳は残念ながらもっと右のほうでほとんど霞んでいて見えなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         朝陽台              御在所岳山頂
山頂から朝暘台を眺める。
山頂には一等三角点が埋設されている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      三重・滋賀県境                 スキー場
三重と滋賀の県境を跨いでヤッターと叫んでほくそ笑む妻。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        芭蕉池                こもしか君
水芭蕉の咲く芭蕉池、4月の20日ごろから5月初めにかけて、咲くとのこと。
小さな鯉が一匹泳いでいた。

山上公園にあるレストランで名物の御在所カレーうどんを頂いた。
麺は伊勢のもちもちっとしたうどんで、トッピングには豚の角煮。
豚の角煮はあまりにもふんわかとやわらかだったので、妻が間違って「麩」が載ってるわと言った。
それ豚の角煮やでと訂正したら、大声でウソと叫んだ。
お店の人が一斉にこちらへきつい軽蔑した視線を投げてきた。
慌てて、おいひーって言いなおしたわ。

レストランを出ると、ご当地ゆるキャラの「こもしか」君が、子どもたちと記念写真を撮ってご満悦。
菰野町の「こも」とカモシカの「しか」を捩ったものだそうだ。
妻がカメラを向けると、即ポーズ、かわいいね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       国見岳                      裏道
国見峠に向かって下山開始。
下り坂で体が揺れる度に、ゲップ。
カレーうどんと豚の角煮の匂いが胃からこみあげてくる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

            藤内壁(一部)
裏道は谷へ向かって一気に下るが、右手には岩壁がそそり立っていた。
ここはクライマーたちがトレーニングに訪れる藤内壁という有名なところ。
わたしたちノーテンキ老ハイカーはおよびじゃない。
写真はたぶん、前尾根の下部を撮ったのじゃないかと思ってる。
藤内壁全体はもう少し雄大で、これは藤内壁のごく一部のようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         藤内沢               兎の耳
大きな岩がゴロンと転がる藤内沢へと下りてきた。
若者三人が沢を歩いているのだが、岩に比べて人が小さく、どこに写り込んでいるのかわからない。
兎の耳という奇岩に出合った。
うさぎの顔と耳に見えますね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       藤内小屋                 藤内沢木橋
大きなごろ石のところどころに赤ペンキが施されており、それを辿って新しいトイレのある藤内小屋に着いた。
小屋の前には缶ビールやジュースの飲み物が冷たい水で冷やされている。
ロッククライミング用の道具を身につけた方が楽しそうに話をしていたりして、ここはクライマーたちの集いの場所のようです。
わたしたちも一休み、熱いコーヒーでホッと一息!

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        日向小屋                 鉄橋①
この渓谷は2008年の豪雨でかなり流され荒れたようで、当時の道も消失してしまい、大きく迂回する新しい登山道が作られたようです。
新しく建て替えられた日向小屋は迂回する新しい登山道からは離れておりました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           壺                   鉄橋②
やがて、前方にスカイラインに架かる大きな青い鉄橋が見えてきた。
登山道はY字に別れ、一方は左谷川へ下ってゆく、もう一方は上に向かっていた。
傍に道標があった。
上への道はスカイラインへ出るようだ。
左下は裏登山口への道だった。
どちらへゆくか迷って、立ち止まったところへ、スカイラインからカジュアルな服装をした女性が降りてきた。
女性の話ではスカイラインへ出ると、そこから湯の山温泉へは遠いとのこと。
一瞬スカイラインへ出ようと思ったりもしてたので、この情報はありがたかった。
スカイラインの高く見上げるように大きな橋げたの下の登山道をくぐって歩く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   ロープウェイ山麓駅            裏道登山口
ロープウェイの下を通り、14:40、見覚えのある裏道登山口に下山した。
今夜は山上のレストランで予約した宿の温泉につかり、のんびり寛ごう。
明日は御池岳が待っている。

この山は田中澄江の「花の百名山」に次のように書かれている。
…御在所岳は麓に湯の山温泉を持ったのが不幸で、ロープウェイで運ばれた頂上付近の、遊園地化には、胸も凍るまでの衝撃を受けたが、まだまだ鈴鹿には原始の姿がいっぱいあるのではないかしら。…
山頂は公園あり、スキー場やレストランもありでまったくそのとおりでしたが、登山道沿いはまだまだ自然が残されていました。
春~初夏にかけては、アカヤシオ(アケボノツツジ)やシロヤシオ、サラサドウダン、ベニドウダン、コバノミツバツツジ、ホンシャクナゲなどが咲く花の山だそうです。
下山後の麓の湯の山温泉宿では、お湯の白い煙で曇った窓から、暖かい色をした秋の夕陽の匂いが残る御在所岳と、新名神高速道路の亀山JCTから美濃関JCTを繋ぐ建設中の橋下駄と長いアームの黄色いクレーンが見えていた。

<本日のコースタイム>
駐車地点(バス停)7:50-中道尾根登山口8:35-おばれ石9:10-朝陽台11:00-御在所岳11:30-<休憩30分>-国見峠12:40-兎の耳13:35ー13:45藤内小屋13:55-裏道下山口14:40ー14:50駐車地点(バス停)

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちらへ
ルートラボ(時間、距離がわかる地図)→こちらへ

御池岳…鈴鹿山脈

鈴北岳、御池岳          すずきただけ、おいけだけ



山行日          2016年11月5日
標高           1182m、1247m
登山口          鞍掛トンネル三重県いなべ市側
下山口          いなべ市側コグルミ谷ルート
駐車場          鞍掛トンネルいなべ市側(無料)、(参考…鞍掛トンネル滋賀県側にも駐車場と登山口あり)
トイレ          なし
水場           コグルミ谷「長命水」
メンバー         ピオーネ、むらくも


御池岳は鞍掛峠の南方にあって、峠から尾根どおしに歩いて1時間20分で鈴北岳へ、そこからドリーネの点在するカルスト地帯を25分も歩けば丸山とも呼ばれている御池岳山頂に着くことが出来る。
山頂は展望がないので南にある天狗の鼻を経てボタンブチへ行けば、鈴鹿山脈を遠くまで眺めることが出来る。
石灰岩の点在するカルスト台地は昔は一面笹原だったようだが、現在は一面背の低いシダに覆われていて景色もよく歩きよい。

前日に歩いた御在所岳の南には昔には盗賊で有名な難所の鈴鹿峠があって歴史の時が刻まれているが、鞍掛峠も相当に古くからの歴史があって、鞍掛という名称の由来が858年、惟喬親王が京の追ってから逃れ、この峠で馬の鞍を外して休んだ地だといわれている。
古くは竜華峠とも呼ばれていたようだ。

田中澄江著書「花の百名山」には次のように書かれている。
鈴鹿の山地には縄文時代の遺跡が多いそうだけれど、日本列島を東半分と西半分にわけ、東南に伊勢湾と西北に敦賀湾の深い窪みを持つこの日本の中枢部には、そもそもこの国土が海面に現出したときから、多くの人がかくれ住んだのではないかと思う。
  …
伏木貞三氏の「近江の峠」によれば、平均一千メートルの高度を持つ鈴鹿山脈を、近江から伊勢へと抜けてゆく鞍掛越えは、鎌倉時代から近江商人にとっては重要な道となっていた。
伊勢にもこの峠を峠を通ってゆき、参詣の帰りには、大君ヶ畑の延寿招福の多賀神社に詣ったという。
  …
鞍掛峠には鞍掛地蔵さんが安置されている。


前夜、御在所岳麓の湯の山温泉に浸かり、お酒をおいしくいただいた。
広間ではグランドゴルフのサークル会による宴会が催されていた。
この日はいなべ市でゴルフ大会を済ませたあと、温泉に浸かり、カラオケで宴会だ。
翌日もゴルフ大会がある。
遅くまで楽しそうに歌ってはしゃべくる。
浴場で「どこからおいでたんえ」「四国からやで」「ホーホー」と感心していた私より少し先輩らしきおじさんも仲間だった。
賑やかな声は、途中までは覚えているが、子守歌のようにしてやがてぐっすり眠った。

早朝にもう一度温泉に浸かり、すっきりしゃっきり。
今日の山は鞍掛峠からコグルミ谷までをくるりと周回し、休憩含めて5時間余りの行程。
ゆっくり朝食をとり宿を後にした。

いなべ市側の306号線を滋賀県へ向けて走る。
今日も青空が広がっている。
途中、道沿いには藤原岳への登山口標識があった。
標高625mにある鞍掛トンネルは過去(2012年)に崩落し2年間通行止めだったが、再び滋賀県側の法面が崩落し、昨年暮れから全面通行止めとなっている。
三重県ー滋賀県への通行はできず、また工事期間はいまのところ未定だ。

コクルミ谷登山口を確認後1kmほど先にあるトンネル手前の鞍掛峠登山口へ移動した。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

R306号線鞍掛トンネル三重県側登山口         入口
登山口にある広い駐車場は満車状態で、道にあふれていたが、運よく一台分空いていて停めることが出来た。
先ほど対向車にすれ違ったので、その方が出たあとだろう。
時刻は9時30分、その方はずいぶんと早い下山だったようだ。
今日も快晴、駐車場から右へ下るようにしてついている登山道、登山口のポストに届け出を投函し出発。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    鈴北岳への尾根                鞍掛峠への登山道
20分ほど登ったところで、一人の男性に出会った。
まだ薄暗いコグルミ谷を6時に出発して、周回してきたとのこと。
前日の御在所岳で少し吹いていた風は今日はなく、ヤッケは必要なかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       鞍掛地蔵                   鉄塔
標準タイム20分のところを30分かかって峠に出る。
尾根の反対側には滋賀県側への道が続いており、傍には鞍掛地蔵尊の祠があった。
祠の中を覗いてみると赤い頭巾と前掛けをしたお地蔵さんが石の台座の上に座っていて、小さくて可愛い顔が、にっこり微笑んでいて、傍に鹿の角が置かれていてる。
あっちに散らばりこっちに塊り、お賽銭はお賽銭なりに個性を主張し合っていて、地蔵さんの回りはおもしろい光景だった。

一見どこにもある普通の登山道だが、伊勢から近江あるいは京都へ、京都から伊勢あるいは駿河や江戸へ、鈴鹿峠や箱根越えほどではないにしても、この峠をいったいどれだけの古の人たちが越えていったことだろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        1056m峰                 林床
峠から鈴北岳への尾根道は緩やかで歩きやすく、遊歩道のような雰囲気だ。
前方からソロの若い男性が降りてくる。
トレラン用の小さく軽いザックを背負っており、あっという間に走り抜けていった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         尾根道                   苔
標高1000mほどの平らな尾根ですと、普通は笹が茂っててもおかしくないと思うが、ない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


尾根の東方向には藤原町の奥に養老山地がまったく凸凹のない姿で横たわっている。
あまりにものっぺりしすぎていて、最高峰の笙ヶ岳(標高908m)がどこにあるのかさえわからない。
香川と徳島に横たわる阿讃山脈でさえ、もう少し特徴がある。
尾張名古屋はこの向こう側だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


歩いてきた道を振り返ってみた。
左には霊仙山、右奥遠くには花の名山伊吹山が頭だけが浮かび、一番右端手前に鞍掛峠から続く三国岳がちょこなんと座っている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    鈴北岳への尾根広い                 鈴北岳
ババオネだ。
間違った、馬鹿尾根を妻が歩く。
日に透け、緑色に輝いているのは一面の苔だ。

11時10分、標高1182mの鈴北岳に到着した。
登山口で出会ったソロ女性も座って休憩していて、鈴ヶ岳方面から5~6人ほどのグループがこっちへ向かってきていた。
鈴ヶ岳は滋賀県側にあり、北西尾根の登山道を下ると306号線沿いの大君ヶ畑(おじがはた)へ通じている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


このあたりが日本庭園と云われているところだろうか?

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   天狗岩と藤原岳の頭                  元池へ

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    
鈴北岳山頂で休んでいた女性がかがみこんで熱心に写真を撮っている。
奇麗な苔、近寄せて撮ると、ミニチュアの世界だ。
                            

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         元池                    石灰岩
日本庭園方向へ歩き、十字路を右に折れてドリーネの元池へ立ち寄る。
この山域一帯はカルスト台地であり、石灰岩がごろごろ転がっていたり、雨で浸食されたあとの窪地に出来たドリーネという池が点在する。
複数のドリーネがつながったものをウバーレ、広大な窪地をポリエというらしい。
何語だろう?
ドリャとかアカンタレとかウバワレタとかポリスめとかは日本語に間違いないのだが。

鍾乳洞はこのドリーネやウバーレの下に存在するらしいのですが、この山域にそれが存在するかどうか?

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   元池から十字路へ
元池周辺には他にも興味深いドリーネがあるらしいのですが、元来た道へと引き返す。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       カルスト台地            御池岳への日本庭園地帯①
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      日本庭園地帯②            日本庭園地帯③
標高が1100mにもなると、紅葉が終盤の様子でしたが、まだまだ十分にきれいです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      御池岳(丸山)                竜ヶ岳遠望
真ノ池を過ぎ、12:10鈴鹿山脈最高峰の御池岳にたどり着いた。
山頂ではたくさんの人が休憩中で、そそくさと逃げるようにして石灰岩のゴロゴロ転がる尾根を南へと下る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    天狗の鼻
山頂から10分ほどで天狗の鼻がある展望のよい突先に出てきた。
天狗の突き出た鼻と思われる石灰岩の岩を入れて、ボタンブチを撮ってみた。
ここから眺めるボタンブチはなんの変哲もないこんもりした丘だったが…。(画面左)
右奥に竜ヶ岳、さらに右奥には昨日登った御在所岳から眺めた釈迦ヶ岳が空の色に溶け込みそうにしてなんとか写っている。

ボタンブチの向こうにT字尾根へと続く尾根が緩やかに下っていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    丸山~奥の平尾根方面              ヒメフウロ
食事をするならボタンブチと決めていたので、移動。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  ボタンブチと石灰岩
言葉は要らない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

               テーブルランド斜面の紅葉
歩いてみたくなる光景が広がっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                T字尾根とゴロ谷
過去に遭難事故のあったT字尾根とゴロ谷が眼前にあり、そのゴロ谷は中央あたり手前の真下。
T字尾根を左に辿ると君ヶ畑登山口があり、右に辿ると御池川に架かる御池橋の登山口に出る。
御池橋登山口から北に鈴ヶ岳へ登り、ぐるりっと回って、テーブルランドから君ヶ畑登山口へ、もしくはもう少し東への土倉岳からノタノ坂を経て君ヶ畑登山口へと周回することができるようだ。
いい尾根だ。
すらりとした背の高いソロの男性がやってきて、T字尾根と鈴鹿山脈縦走の説明をしてくれた。
登山用具や姿からも山屋さんそのもので、藤原岳から縦走してきたとのこと。
山頂は混んでたよと説明すると、そそくさと誰もいないテーブルランド方面の林へと消えていった。
人混みが嫌いな様子だった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   天狗の鼻
食後のコーヒーを飲みながら、天狗の鼻を眺める。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

            釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳遠望
山並みがグチャグチャと重なるようにして渓谷が広がっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    奥の平へ向かう登山者たち        奥の平の丸い頂
奥の平へ向かった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                御在所岳、雨乞岳方面
「悠久の今」
一つの風景はいつも同じ色ではない。
病気や心配ごとなどがあるときは、灰色に見える。
希望に満ちているときは光輝いて見える。
人生いろいろ、しかし、山での景色はいつも癒され、元気が出る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

二人の男性が座って景色を楽しんでいる。
彼らの視線の先には藤原岳への尾根が横たわっていた。
鉄塔の建っているところが頭蛇ヶ原、天狗岩へと続いて、右端の端正な三角な頂きが藤原岳。
山と高原地図によると藤原岳からここまで2時間55分と書かれていたが、わたしだともう少し、4時間弱かな。
左奥には養老山地の山並み、見えていないがその奥陰には木曽川の水が流れ込む伊勢湾が広がっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        奥の平                御池岳(丸山)
鹿避けネットの施された奥の平へ立ち寄り、尾根伝いに御池岳へ戻る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      コグルミ谷への下り                苔
13:20、下山開始。
御池岳山頂から南東にちょい下って、北東へ振る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        9合目付近                  三色モミジ
林床をシマリスが走った。
ちょろっと走っては立ち止まり、こちらを振り向く。
妻に教えたが、リスの色が落ち葉に溶け込んでいて見つけることができない。
チョロッピタッ、チョロチョロッピタッ!
カメラを構える暇がなかった。
四国の山で見かけたリスは、体全体がこげ茶色のニホンリスばかりで、シマリスを見たのは初めてだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 標高930m付近の紅葉
やがて、ミヤマバイケイソウの群生地と思われる、花後の枯れた種の穂が立ち並ぶところを過ぎ、下っていく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   天の平(カタクリ峠)付近       306号線沿いコグルミ谷下山口
石灰岩がゴロゴロ転がっているコグルミ谷へ出るまでの林床は、ほんに心地よく、「花の百名山」によると、春から夏にかけて様々な花が咲き、楽しめるところのようだ。
コグルミ谷の名称の由来と思われるサワグルミやヤマモミジの木も印象的だった。

下山後あらためて思ったが、カルスト台地が続くこの山は標高こそ低いが、魅力がいっぱいで素晴らしかった。
計画したときは藤原岳からの縦走は頭になかった。
山頂から山頂への所要時間はストレートで約3時間、それぞれの登山口を繋ぐには自転車で可能と思われる。
悔やまれたが、ときすでに遅し。
しかし、鈴鹿山脈の谷筋にはプルプルクネクネしたヤマヒルが棲んでるのでご用心、ブヨの類も多いそうだ。


鞍掛登山口9:30-鞍掛峠10:00-11:10鈴北岳11:15-元池11:30ー真ノ池11:40-御池岳(丸山)12:10ー12:25ボタンブチ12:50-奥ノ平13:05-御池岳13:20-カタクリ峠14:00-長命水14:20-コグルミ谷登山口14:50ー15:10鞍掛登山口

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちらへ
ルートラボ(距離や時間がわかる地図)→こちらへ

大川山…香川県

大川山               だいせんざん



山行日               2016年11月17日
標高                1042.8m
登山口               仲南町塩入
駐車場               なし(県道4号線塩入集落付近高い擁壁傍の広い路肩)
トイレ               中寺廃寺跡遊歩道沿い、大川山キャンプ場
水場                なし
メンバー              ピオーネ、むらくも


どこの山に行くか、直前まで妻と意見が分かれてしまった。
わたしは初めての山へ行きたがる悪い癖がある。
妻は花の山、展望のある山、登山道のしっかりした歩きよい山を選ぶ。
結論が出ず、夕方がきてしまった。
妻が買ってきた皮付きピーナッツ袋が、卓上にポンと置かれている。

ピーナッツ、遠い過去に現職総理大臣が起こしたロッキード事件というのがあって、そのときの賄賂に使った領収書の単位が、ワン・ナッツ100万円というのがあった。
表に出た賄賂のピーナッツの数は500個にもなる。
最近では大韓航空副社長が起こしたナッツ姫チョヨヒナ事件、このときはマカダミアナッツだった。
ナッツにはいいイメージがない。

1967年、大ヒットしたザ・ピーナッツの「恋のフーガ」、失恋の歌だが迫力があった。

追いかけーて(ドドン)、追いかけーて(ドドン)
すがりつーきたいのー
  …
初めからー 結ばれないー 約束のあなたとわたしー(ドドドン)
ドゥドゥビドゥバ ドゥドゥドゥビドゥバ 
パヤ(ドドドン) パヤパヤ(ドドドドン)

その同じ年にはザ・カーナビーツが「好きさ好きさ好きさ」を大ヒットさせた。

好きさ 好きさ 好きさ 
忘れーられなーいんだ
おまえのすべてをーーー!!(絶叫)
    …
こんなにおまえを
好き 好き 好きーなーのーにー つれなくしないで もう逃がさない!!
I love you oh !
I love you
Yes I do
おまえのすべてを!!(絶叫)

いまは孫好きないいおばあちゃんになっているが、当時、女学生たちはこの歌を聴いて、失神・失禁した。
どいうこっちゃ!
そういうこっちゃ!
何の脈絡もないがとにかくナッツはすごいのだ。
妻の意思表示に折れて、ピーナッツが大好きなヤマガラのいる大川山に行くことにした。 


登山口は自宅から近い仲南町にある野口ダムの少し南の塩入集落。
妻がアンジ-パパさんから聞いた話しによると、四国電力の送電線鉄塔保線路が大川山への尾根に向かってついているのだそうだ。
ついでに駐車場所も教えていただいた。

野口ダム下には塩入温泉があって、評判の、いいお湯が出る温泉だ。
お風呂セットを車に積み込んで、朝ドラ「べっぴんさん」を観た後、遅めの出発。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       駐車地点                  県道三叉路
東山峠を経て徳島・三好へ抜ける県道4号線沿いの高い垂直な擁壁がある位置に駐車。
9:45、県道沿いの倉庫風建物から集落方向への道に入り、すぐにアスファルト舗装の太い道へ左折。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       塩入橋                   集落へ
財田川に架かる小さな塩入橋を渡り、道なりに歩く。
正面右の小山の上には鉄塔が立っており、送電線が東西に延びている。
アンジーパパさんから、県道から砂防堰堤が見えているので、堰堤方向左岸の道を歩くと登山口に行けると教えてもらっていたが、その堰堤がわからず、太いアスファルト道を直進してしまった。
そのアスファルト道は財田川右岸についている。
やがて頭上に見えていた送電線は後方に去ってしまい、かわたき山荘の傍をも通り過ぎる。
違う、引き返した。(後日に地図で確かめると、そのアスファルト車道は標高753.5m三角点・脇野の近くまで続いている)

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        石垣の上のお堂             砂防ダム堰堤
お堂まで引き返し、その左側から延びている簡易コンクリート舗装のやや細い道へ入った。
後方の山中腹辺りから猿の激しい鳴き声がしきりと耳に届く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     巡視路アングル                保線路上の樹木
砂防堰堤の道を挟んですぐ横の山側斜面に、紫色に咲くアキチョウジの花に取り囲まれるようにして鉄塔22番を示すアングルがあった。
細かくジグザグとつづれ折れに続く保線路は、よく踏み込まれており、快適だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   南隣の尾根
真上から差し込む光の向こうに、標高673m三角点・脇野がある南隣の尾根が樹幹越しに輝いている。
真下の谷にはさきほど間違って歩いた車道が財田川支流に沿って延びているようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      鉄塔下の保線路               ツルリンドウの実
20番鉄塔だろうか?
真下をくぐった。
すでに2つ3つほど鉄塔傍を通過したので、19番かもわからない。
最近、鉄塔につけている番号札をわざわざ確かめるため鉄塔をぐるっと回るのが億劫になってしまって、ついズルをしてしまう。
生気というか、若さというか、どんどん失われている証拠なのかもしれない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     19番鉄塔?               四等三角点・中寺
またまた鉄塔傍を過ぎ、11:30、標高753.5三角点・中寺に到着。
一度は柞野道から、もう一度は江畑道から、二度この三角点のすぐ傍を通ったが寄ってはいない。
ほんの5分の寄り道が出来ていない。
気持ちに余裕のない証拠。
人間、余裕と、興味心を失うとおしまいだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      三角点から東へ            江畑・柞野道分岐
三角点から尾根通しに南へ、薄い踏み跡があるように見えた。
その方向に進もうとすると、妻に違うと怒られた。
妻は踏み跡の濃い東へとどんどん進む。
それは少し下り気味で、大川山への方角とは異なっている。
頭の中はクェスチョンマークだらけ、よく確かめることにして、道に座り込んだ。
ついでだ、バナナを食っちゃえ。
妻が遠くで何か叫んでる。
「こっちで合ってるから、こっちよ」
口をもぐもぐさせながら慌ててそちらへ行くと、以前に見かけたことのある中寺廃寺跡遊歩道の道標があった。
記憶力ゼロの男を夫に持つ妻は、不幸な星の下に産まれてる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  展望台より
柞野・江畑道を辿って、10分のところで以前に2度訪れた展望台に着く。
満濃池と城山が霞んで見える。
飯野山も見えていたのだが、写真には写っていなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    中寺廃寺跡
先ほどの道標のあった分岐まで戻り、そこから廃寺跡の遊歩道を大川山へと歩みを進めた。
廃寺跡は、仏ゾーンを中心に、願いや祈りゾーンなどがあって、仏堂、塔、大炊屋、拝殿、僧坊跡などが発掘整備され残され、錫杖などの法具や、灯明皿、石塔などが見つかっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          トイレ                   遊歩道
遊歩道にはバイオトイレがある。
ちょっと変わったトイレで、用を足すと、付属しているハンドルを回す仕組みになっている。
利用した妻は右に20回、左に10回回して、あー、くたびれたと嘆いていた。
ここから長くて急な簡易コンクリート道が稜線まで続く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       たかんぼさん遠望            阿讃縦走路合流
12:30、阿讃縦走路に合流。
お腹が空いていたが、ヤマガラに逢うまで我慢の子。
ただただおしんでは気の毒だったので、コーヒーとお菓子でちょっぴし休息。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        畑小屋                    ツルシキミ
舗装された道から樹木の茂った縦走路へ踏み込んだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       縦走路紅葉①           縦走路紅葉②
終盤の紅葉は赤からやや地味な枯れ色が濃くなって、それまでの鮮やかな色合いからどことなく寂しさがにじみ出てくる。
人間世界で例えるなら、車の後ろに貼り付ける四葉マーク、一昔前はもみじマークと言ったが、そのもみじマークは落ち葉マークとも枯れ葉マークとも揶揄され酷評された。
それによく似ている。
なんとなく、どこか寂しい。
年に一度、おちおちしているとささっと過ぎ去られ、ほんの一瞬のこの時季にしか逢うことができない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  縦走路紅葉③
紅葉は里に下りており、標高は930~950mのこの縦走路では終わってるだろうと思ってたが、まだまだだった。
しかしこの様子だとあと3~4日もすればすっかり地面に落ちてるだろう。
足元は落ち葉でふかふか。
落ちた葉っぱはヤマモミジやウリハダカエデ、シロモジなどなど。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         大川神社裏               大川神社境内
縦走路から一旦車道に出、再び急な斜面を喘ぎあえぎ登ると、大川神社の裏の祠近くにある三角点に飛び出す。
大川神社は雨乞いと安産の神様。
安産は妻も子もとっくに必要なくなってるので、来年の雨乞いと、山登りの無事をお祈りした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      キャンプ場管理棟                ヤマナシ
ヤマガラやーい、管理棟に行く。
シーン!
ツーともピーともチーともゼーともいわない。
ちょうど居合わせた管理棟の方によると、雪がちらつかないと寄ってこないそうだ。
時期は12月に入ってからだとか。
妻が、ピーナッツ持ってきたのにねって言うと、「置いておくと、いつの間にか来て、食べてるようだよ」とのこと。
しかし、妻は置かなかった。
なるへそ、これがナッツリターンか。
この時期、エサには困ってないだろうから、雪の積もるころにまた来よう。
ヤマガラに代わって、お腹の空いた二人はおむすび弁当に、肥える太ると言いながらガツガツ食らいついた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      ヤマナシの実                   ナシ拾い
境内へ引き返した。
大きなヤマナシの木にたくさんの実が生っていて、ボトボト落ちている。
一つ拾い上げ、割って食べてみた。
ほんの心持ち甘い。
妻が三つほど拾い上げ、ザックに入れた。
今夜のデザートに出すのかい!

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       車道のススキ                  展望台
13:55、急斜面をずるずる下り、ススキの茂る車道へ降り、再び廃寺跡の遊歩道を辿り展望台へ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  大川山と稜線
展望台から歩いてきた稜線と大川山を振り返ってみた。
左端が大川山で右側一番高く見えるところが標高おおよそ980mピーク、そのすぐ左脇暗部が阿讃縦走路合流地点の中寺道入り口のようだ。
大川山からここまで見た目には遠いが、意外と近く、おおよそ1時間で下りてきた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      城山と満濃池                 鉄塔下
急な下り坂に差し掛かると、後ろを歩く妻が、独り言が多くなる。
滑るー、こんなとこに石があるやんか、乗らんようにせないかんし。
えーっ!こんなところに咲いてる、今日来てよかったー、逢いたかった花に出あえたしー。
あーしんど、下りはしんどいから、いかんやんか。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     西陽
登りのときにも眺めた、東山峠方向の山並み。
午後のこの時刻、風景は西陽の光で乱反射する。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         淡い緑                   ホオノキ
道に大きなホオノキの葉が落ちていた。
見上げると枝にはまだ少し残っている。
妻がホオの葉はティッシュの代わりになるんでという。
ホオー、そんなんでけるん?破けて困るんちゃう?
大丈夫、大きいから少々破けても使えるんで。
硬うて、バリバリしとるし、ティッシュ代わりにして拭いたら、血が出るぞ。
ホオーかな?
ホオーよ。

ちーっとも大丈夫じゃないのは二人のノンコじゃわな。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      登山口に帰着       登山口へは簡易コンクリート道を上がり右の細い道へ

オナラが出た。
妻がすかさず、おまえ、くっさいニオイで、何をしよんじゃ、この山をおまえのテリトリーにしようとしよんかい!
あのなー……

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

 登山口は正面お堂の左へ         登山口は煙の立つ方向に
朝、県道から登山口付近にある谷合の砂防堰堤を目で探してみて、見えなかった原因がわかった。
朝の光は時間帯によって谷合に届きにくく、陰になって見えにくかったのだ。
いま帰り際になって県道から眺めると、堰堤コンクリートがはっきり見えた。

車を出して。塩入温泉に移動する。
途中、真っ黒くて大きないかつい体の猿が車道を横切った。
ふぇー、ゴリラみたいな猿だ。
おっとっと!
間違って赤い暖簾を押し上げて入ろうとして、何事もなかったことにして青い暖簾をわざとに手で威勢よく跳ね上げ男湯に入る。
脱いだものを一枚一枚丁寧に畳み、バッグに入れていた新しい肌着と入れ替え、体重計に乗り、一瞬の納得顔。
ツルッとすべりそうなタイルの床をおそるおそる歩き、シャーワーをしゃわっと浴びて、白く煙る湯船にどっぽん。
おーっ、おーおーおーっ!あーうっうー、いいお湯だ。
地下500mから湧き出る温泉は、少し白っぽく濁っていた。
湯上りにくつろぐ大広間では、テレビが大相撲を映し出し、大関昇進を狙う髙安は痛い2敗目、横綱を狙う豪栄道は5連勝、休場明けの白鵬と鶴竜が快進撃で面白い場所になっている。
風呂から上がってきた妻は、備え付けの血圧測定器で測ったところ、測定不能、めまいがしたのか畳の上にどたりと寝ころんだ。
しばらくしてもう一度測定した。
上が80、下が50の低血圧、風呂でのぼせたか、もしくは水分補給不足による一時的なもののようだった。

<本日のコースタイム>約15km、5時間20分、引くことのコースミス25分=4時間55分(休憩休息含む)
駐車地点9:45ー(ロス25分)ー登山口10:20-三角点・中寺11:30ー11:40展望所(東屋)11:50-12:30阿讃山脈縦走路合流地点12;35-三角点・大平12:45ー13:15大川山13:55ー三角点・大平14:15ー14:20阿讃縦走路分岐地点14:25-展望所(東屋)15:00-三角点・中寺15:10-登山口15:55-16:05駐車地点

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちらへ
ルートラボ(時間・距離などがわかる地図)→こちらへ


八石山・クデイシ丸・綱付山…徳島県

八石山・クデイシ山・綱付山    やついしやま、くでいしやま、つなつけやま



山行日              2016年11月29日
標高               841.2m、756m、580m
登山口              井川町里川東
駐車場              なし(林道路肩)
トイレ              なし
水場               里川東集落南標高650m付近沢
メンバー             単独


ひと月ほど前に、徳島自動車道・井川池田ICの裏の細い車道をくねくねと南へ遡って里川西の奥まった最終民家から五ノ丸山へ登った。
その民家の傍の登山口から東側に眺めた景色は、吉野川に架かる三好大橋の少し東側あたりから南に派生する嫋やかな尾根が開けており、稜線にはいくつもの鉄塔が並んでいた。
その鉄塔に向かって民家が点在し、車道が走っている。
吉野川に向かって緩やかに下っているこんもりした尾根端に標高580mの綱付山があって、そこから南に辿って里川東集落の真上辺りに標高756mの三角点・堀部があって、さらに南にはこの尾根で一番高い標高841.2mの八石山が聳えていた。

五ノ丸山から下山し帰宅したその日にPCを立ち上げカシミール3Dの地図で確かめてみた。
里川東へと登る車道は峠を越え、東側の井内へと続いている。
井内には腕山や井川スキー場へ行く車道があるが、それと繋がっているようだった。
綱付山から八石山間の尾根には三本の四国電力の送電線が尾根を跨いで走っていて、北から順番に松尾線、三島東線、新改幹線があって、一本はJR辻駅の対岸で消え、二本は吉野川ハイウェイオアシスの対岸にある電力施設に合流している。

この尾根を一艘の船としてみたてたときに、綱付山はロープを岸壁に繋ぐ艫の位置だろうか、里川東集落の真上にある三角点・堀部はマストの位置、そして最南の八石山は船首になる。
その八石山は東に20分ほど下ったところに八ッ石城跡がある。
南北朝時代の城で、城主は北朝方に攻められ1380年8月23日、自害した新田義治氏。
巨石や神社があって、展望のよい景勝地であるらしい。
このことは後日に知った。


7時半、気温6度の猪鼻トンネルを抜け、三好大橋を渡り右折、即急な坂道の細い車道へと左折。
JR徳島線の踏切を越え、徳島自動車道の下をくぐり、くねくねと里川東へと走る。
道は次第に細くなり、軽四だったが運転がへたくそなのか、カーブを曲がるにも切り返しが必要だった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                里川東最奥民家
標高おおよそ630m、最奥民家には人の気配はなく静かだったが、道は荒れてはおらず、お茶畑の手入れも行き届いていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

              五ノ丸山登山口方面(里川西)
車道からは一か月ほど前に登った五ノ丸山の登山口のある里川西集落の屋根が、中腹を走る道沿いにポツリポツリと見えている。
登山口は真ん中上に白く光って見えている左斜め上の屋根二つ並んでいるところだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       駐車地点                   植林
最奥民家を少し過ぎたところが左カーブになっていて、舗装された車道はまだ上へと続いているが、未舗装の林道がカーブから右手へと延びている。
上空には送電線があった。
これが国土地理院の地図に描かれている破線の道の入り口だ。
8:25、屋根が落ち込んでしまっている廃小屋の前に車を停め、破線の道へ入ってゆく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           沢                    複雑な道
道はすぐに三叉路に差し掛かった。
一方は左手上へ向かっており、もう一方は直進で水平だ。
迷ったが水平の直進道を選んで進んだ。(左上方向の先は標高756mの三角点・堀部があるので、ひょっとするとその山頂へ向かう道だったのかもしれない)

道端には四国電力巡視路28番29番を示すアングルがあった。
水の流れる小さな沢が二つ現れた。
地図では沢を遡るようにして破線の道が続いているのだが、どちらの沢も道があるようには見えなかった。
巡視路を直進した。
道は途中で別れているところもあり、やや下り気味だ。
地図に描かれた破線の道は上っているので、違う道を歩いていると思った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      松尾線28番鉄塔              斜面をよじ登る
ほどなく松尾線28番鉄塔にたどり着いた。
道はその先も下っている。
少し引き返して、地図に載っている716m地点の尾根を目指し、直登することにした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          林道                   登山道
9:03、林道に飛び出たが、横切るようにしてなおも上へと登ったところ、破線の踏み跡に復帰することができた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      地籍調査テープ             三島東線84番鉄塔
落ち葉が積もり道は隠されてはいたが明瞭な踏み跡で、地籍調査のピンクのテープが導いてくれた。
9:14、三島東線84番鉄塔に着く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       Y字分岐                 新改幹線14-15番杭
ところどころイノシシに掘り起こされた林道を進むと林道は再び三叉路になっていた。
どっちに進むか迷う。
エイヤー、右に進んだ。
左に進むのが正解だったようで、間違えてしまった。
いつもの悪い癖で、地図で確かめもせず、ええ加減な気持ちで歩いている。
林道歩きのルーファイはおもしろくもなんともなくて、やってられない。
支尾根を西に回り込むようにして破線の道に復帰。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  吉野川遠望
9:34、新改幹線15番鉄塔の真下に出た。
送電線が下に向かって這うようにして延びているやや左先には吉野川が霞んで見えているが、辻町辺りだろうか。

クルクルクル-、チャチャチャッ。
シロハラがこの冬も元気な鳴き声を林の中から届けてくれる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          尾根                  八石山(鷹指場)    
八石山への尾根ははっきりした踏み跡ではなかったが、林の中に隙間があり、ところどころに赤テープがあったりしたので迷うことはなかった。

9:50、三等三角点・鷹指が埋設されている東西に平たく伸びた八石山に到着した。
点石の傍には一本の白い小さな杭が立っていて、それには「和田学校、2010.4.11、鷹指場841.2m」と記されていた。
展望はまったくない。

鳴門岳友会が発行した「徳島250山」のガイドブックによれば、この山の東側10分弱下ったところに鷹指場越という峠があって、さらに10分強下ると南北朝時代の八ッ石城跡とトイレや駐車場があると書かれている。
後日にネットで調べたところによると、この地には様々な伝説があって、その一つに椀貸し伝説というのがヒットした。
「昔、祭りなどのときに、明日の客用の膳椀を借りたいと言っておくと、翌日にはきちんと並んでいた。しかし、ある日、誰かが借りておいて、かたおにして返してからは、貸してくれなくなったそうな」
「かたお」とは、たぶん膳椀の一部が欠けたり壊れたりしたものだろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        西外れ                新改幹線15番鉄塔
山頂から続く尾根を少しだけ西方向に歩いてみたが、松や杉などが伐採されている以外にはなにもなかった。
歩いてきた尾根を引き返し、再び新改幹線15番鉄塔に寄る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    三角点・堀場への尾根            地籍調査と杭
三島東線84番鉄塔をちょい過ぎたところで、往路と離れ北方向の尾根を進むが、入り口は踏み跡なく地図とコンパスなしでは難しい。
しかし、ほどなく地籍調査のピンクテープがうんざりするくらいの賑やかさ、難なく案内してくれる。

気のせいだろうか、人の話し声が右隣の尾根方向から聞こえてきた。
左の谷からはベキバキッと枯れ枝を踏みしだく獣らしき足音が聞こえてくる。
ほどなく右の谷筋からもバキバキッと音がした。
ちょっとー、これって何よ、怖いがな、ビビってしまう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     不自然な石積跡             イノシシの踏み荒らした跡
10:45、ピーク756m(三角点・堀部)の手前でした、ほんのちょっとした窪地に石がゴロゴロと重なるように転がっていた。
井戸跡にしては石数が少なく、のろし台跡にしては石が焼けてなくて、ひょっとして墓跡なのかもしれない。
どちらにしても自然のものではなさそうな印象だった。

前方でドタドタ足音がした。
いまのいままでそこにいたと思われる踏み荒らした跡があった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 クデイシ丸
行き過ぎたので少し戻り気味に進む方向を修正。
10:55、三角点・堀部は尾根直進方向ではなく右へ寄り道するような位置にあった。
標高756mの無名峰とばかりに思い込んでいたが、八石山と同じく和田学校の登頂記念杭があって、それにはクデイシ丸と記されている。
地名や名前などに意味のないものは何一つないと思っているが、クデイシというカナ語は調べてもわからなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   山頂の様子
八石山と同じく、山頂は展望もなく、松の木や杉が茂った山だった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           林道               松尾線30番鉄塔
隣の尾根に乗り移ろうと思って谷へと下ったら、思いがけず林道に出合ったので、それを追う。
11:11、里川東集落から井内へ延びる車道に飛び出し、松尾線30番鉄塔に。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      舗装された林道            NTTドコモ
舗装された車道から未舗装の林道へと入り、尾根筋を追っていくと電波塔に辿り着いた。

 Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         尾根道①                  尾根道②
前方からグググーッというくぐもった声が聞こえてきた。
イノシシだろうか?
声だけで、正体がわからないというのはなんとなく気味が悪くて落ち着かない。
こんな山、おらもう嫌だ。
一人で来るんじゃあなかった。
ババアと一緒に来るんだった。
一応誘ったのだが、妻の実家でお寺のおじゅっさんを迎えないかんので来れなかった。
一緒に来ておれば、もしも獣に襲われたとき、ババアを人身御供に差し出して、わしゃあ、その間にすことんで逃げられるのじゃが。
くそっ!こんな大事な時に、お寺はんは何をするんじゃ、邪魔するな。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   綱付山
ブツブツ呟きながら歩いてると、突然に綱付山山頂に飛び出した。
時刻は11:35、この山も展望はまったくない。
徳島250山のガイドブックには少し東に開けた場所があると書いていたので、ウロウロ探してみたが、見つからなかった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

   桜が丘公園への登山道               車道
JR佃駅の南側にある桜が丘公園への掘れ込んだ登山道をちょっとばかし歩いてみた。
鬱そうとして歩きにくい。
昼食をこのあたりでとるのを止め、早々に下山開始。
おらもうこんな山、嫌だ。
早く帰るだ。
一人じゃ寂しいだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     松尾線29番鉄塔              イノシシ捕獲檻
誰かさんが里山山中で、イノシシの罠を仕掛けようとしたとき、シャレコウベを見つけたという話を思い出した。
そこには頭蓋骨だけで、体の他の部位はなかったという。
その里山では行方不明になってるものが過去何人かいて、そのうちの一人じゃろうという話だった。
こんな寂しい気持ちのときにかぎってシャレにもならんことを思い出してしまう。
わーおー!

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     駐車地点廃小屋                   廃屋
車道に出て、しばらくで駐車している廃小屋の屋根がうっとう暗い林の向こうに見えた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 最奥民家を背にして
山全体がほぼ植林なので、また展望もないことからつい「こんな山」と書き込んでしまったが、一人で歩き、あちこちとうろつく楽しさは格別なものがある。
今回の山歩きで一つだけ心残りなことがある。
それは、八石山について、十分な情報を得ないままでかけたことだ。
もしも、八ッ石城や巨石や鷹指場越のことが事前情報で把握できていたら、山頂から東に下って景色を楽しむことをしたのにと思った。
グデイシ丸、君の名は忘れないぞ。
山にはロマンが付き物ですね。
帰路、財田にある環の湯に浸かって、汗を流した。

駐車地点8:25-小さな沢8:30-八石山(鷹指場)9:50ークデイシ山10:55-11:35綱付山11:50-12:25駐車地点

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離や時間がわかる地図)→こちら         

国見山敗退の記…徳島県

国見山            くにみやま



山行日            2016年12月7日
標高             1409.1m
取り付き地点         池田町川崎<山城町重実から国政橋を渡った対岸>
下山地点           山城町西宇<JR小歩危駅付近の吉野川に架かる赤川橋>
駐車場            なし<国政橋、赤川橋ともに国道32号線沿い広い路肩4~5台駐車可>
トイレ            なし
水場             赤川橋東標高おおよそ420mにある滝付近
メンバー           ピオーネ、むらくも


吉野川の小歩危付近に架かるやや小さめな橋が二本ある。
一本はJR阿波川口駅から32号線を3km弱走ったところにある国政橋で、この橋は1975年に早明浦ダム完成後の翌年に建造された吊り橋の歩道橋だ。
かつてはこの橋の下流を船で渡っていたらしいのですが、ダムの放流により危険だということになり橋が造られたとのこと。

二本目は国政橋より南に3km弱のところ、JR小歩危駅近くに同じく吊り橋で歩道橋の赤川橋だ。
初代の橋はこの地域の山林王であった赤川庄八さんが1921年ごろに架けたが、後に二代目の橋としてお孫さんの庄市さんが架け替え、その後山城町に寄付したものだ。
吊り橋の袂には記念碑と、庄八像が建っている。

いずれも趣のある橋なのだが、わがチマチマ隊の隊長であるチマチマおじさん、かつては坊主というニックネームで親しまれていたが、いつの間にか自ら改名してしまったおじさん、この橋に興味を示し、ここから国見山へ登ってみたいと言ってた。
その話を聞いたのが1年も前だろうか、今年になって登ったぞと、このブログにコメントを入れてくれた。
うっし、二番煎じになるが、番茶も出花、娘盛りは香りが良くておいしい。
なんのこっちゃ。

隊長からは橋二本の紹介があっただけで、ここから国見山へどう登ってどう下ったのか、情報は耳に入れていない。
国政橋を渡ってすぐに、右と左に二本の尾根があって、両尾根は南東にある標高897.5mにある三角点・正木を起点として派生している。
どちらの尾根を辿るか、行ってみて現地での判断に任せよう。
そして稜線を辿って、1018Pー1343P-1352Pを経て国見山山頂へ。
復路は1352Pまで戻り、中腹にある川崎から大歩危につながる破線の道と、赤川橋へ下る破線の道の三叉路への尾根を下り、赤川橋へ。

AM7時、妻と二人、自宅を出発。
気温は2度、夜明けのスキャットを歌いながら機嫌よく車を走らす。
突然、助手席の妻が、なに、それ歌ってるの?
ほたえ声の歌は何よ。

なにをゆうとんじゃ、夜明けのスキャットじゃが。
知らんのかい。

わたし夜明けのスキャットは知ってるよ、でもあんたの歌はスキャットやない。
なんなのかさっぱりわからんし。
誰が聴いてもゼッタイにわからんと思う。

朝食に食べたママ粒とタクアンを胃から口へもどしそうなくらいに気分が悪くなった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     赤川橋                 32号線沿い広い路肩
急激に気温が下がったために、財田川は幻想的な川霧が発生し、まるで温泉の湯気が辺り一面もうもうと立ち昇っているように見える。
猪ノ鼻トンネル付近の気温は1度。
吉野川へ差し掛かるが、川霧はない。
吉野川の水温は財田川の水温よりも相当に低くて、気温との差がないのでこの日は川霧が発生していないようだ。

国政橋を通り過ぎ、赤川橋の様子を探りに先に寄った。
赤川庄八翁の銅像の建つ橋の袂には、通行注意の看板があった。
観光等の通行で万一事故が発生しても管理者は一切の責任を負いませんと書かれている。
合点、了解の助。
近くの32号線5~6台は止められそうな広い路肩に車を止め、一旦、橋を渡って、対岸の左右に林道があるのを確認した。

国政橋へと引き返し、8:35、スタート。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  国政橋
1976年に建てられた橋なので、ちょうど40年になる。
冒頭にも触れたが、この橋の少し下流(川崎より)では船で川を渡ってたという。
地図ではすぐの対岸には集落はないが、中腹の標高500mから600mに正木集落があるので、生活道としての吊り橋だったのではないかと想像した。
正木へ通じる道が必ずある、この時点ではそう信じていて、その道は橋を渡って左側、写真の左尾根辺りではないだろうかと想像していた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     グレーチングの歩道橋             踏み跡
ところが渡ってみると左には踏み跡がなく、川へ落ち込む急な崖。
踏み跡は右手についていた。
左手への道は長年の間に崩れてしまったのだろうか?
それらしい痕跡がないか目で周辺を窺ってみたがない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      キシツツジ                     急斜面へ
右手の踏み跡を辿ってみた。
ブルーシート作りの小さな小屋の前を通り過ぎ、川岸の岩場に出てしまう。
ピンク色をした季節外れのキシツツジが咲いており、チンのような丸顔をくしゃくしゃっとほころばせた妻がラッキーと叫びながらカメラを構える。
道は途絶えた。
仕方がない、適当なところで取り付いて、尾根に乗っかろう。
斜面は50度はあっただろうか、これ以上の傾斜だと危なくて登れないぞという感じで、柔い土に積もった落ち葉でズルズル靴を滑らしながら這い上がる。
ロープは持ってきてない、少し後悔した。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        石垣跡                       茶花
岩をつかみ、小枝をつかみしつつ、頭の中ではおかしい、こんなはずではどこかに道があるはず、登りつつ考える。
だいぶ登ったところでハッと気づいた。
そうか、あれだったのか。
橋から右折してすぐの左上の幹に二段巻きテープが施されていたのを思い出した。
(帰宅して、偶然に撮った写真を拡大してみると写っていた(三段上の右「踏み跡」の写真))
うーん、なんだかなー、道には見えなかったなー、だけどあれしかないなー。

10:23、標高450m辺りに達したとき、石垣があって、その近くでお茶の木に白い花が一輪咲いている。
少し離れた緩斜面一面にお茶の木が点在していた。
ここは住居跡だったようやね、妻がポツリと呟いた。

いま、抹茶に凝っている。
朝目覚めてすぐに、そして食事の後で、パソコンの前で、寝る前に、なによりもお茶がとにかくおいしいのだ。
体にいいらしいと聞いているが、山間地の人はお茶を栽培して重宝したようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        車道                   川崎国見山線
上のほうから車の走る音が聞こえてくる。
10:37、カーブミラーのある車道に飛び出した。
舗装されていて、いましがた走った車の轍跡がうっすらと残されている。
道の傍らに石柱があって、それには平成25年12月しゅん工、川崎国見山線と刻まれていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                  塩塚峰方面
車道の開けたところには枯れすすき、その向こうにはゆったりした稜線があって、塩塚峰らしい頂が谷の奥まったところに乗っかっている。
山肌の上下に見える集落は山城町にある中野と殿野のようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     897.5m峰西尾根            折れた電柱?
ここで初めての休息を10分ほどとって、再び踏み跡のない標高897.5mから派生する西尾根に入り、しばらく進むと踏み跡が現れ、電柱のようなものが折れて転がっていた。
ポケットから地図を出して、現在地を確認したところ、川崎から正木を経て、大歩危へと繋ぐ破線の道だった。
時刻は11:05、登りだして2時間半にもなるが、標高はおおよそ600mの位置。
国政橋の標高が143mなので、その差460mも登ってない。
最近のスマホは便利で、歩いた道のりが即座に画面に表示される。
わずかに2km、2時間半もかかった。
日は短くて、この先は随分と遠い。
しかも赤川橋までの下りは不案内でどうなっているのか状態はわかっていない。

妻と相談して、山頂へ行くのを止めることにして、破線の古の生活道だった川崎大歩危間の横駆道を追って、赤川橋へ下ることにした。
当初計画よりは距離も累積標高差もグンと縮かまる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         住居跡                   天狗岳方面
やがて土甕が転がり、石垣が現れ、屋根がつぶれ落ち、五右衛門風呂や洗濯機が転がるところに差し掛かる。
地図で確かめると、横駆道は三段描かれているが、一番下の三段目とその上の二段目とを橋渡しする道があって、傍に民家一軒描かれていて、いまそこに立っている。
(後日ログを確かめたところ、破線の道の上を歩いてはおらず、三段目と二段目の中間を標高600mの等高線に沿うように歩いていた)

Image may be NSFW.
Clik here to view.

            1018mP・1343mP、国見山
崩れ落ちた民家から続く踏み跡はやがて枝尾根にぶつかり、そこから尾根に沿って下ったところ、下には先ほど歩いた川崎国見山線の車道が見えてきた。
景色は180度南方向に広がっていて、1018mの尖がったピークと右奥に西祖谷山村と池田町の境界線がある1343mP、その右奥に小さく頭だけが出た国見山の山頂が映っていた。
国見山は遠い、目視3時間は十分に掛かりそうだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       川崎国見山線                  造成中
車道へ降りる法面は高かったが、幸い、下りる道は壁面にこさえてくれてた。
ホッ!助かった。

車道を歩いた。
しばらくのところで、全面通行止め、先では重機や人が動いている。
造成中のようだ。
想像だが、国見山の上登山口への舗装道に繋がるのではないかと思った。
完成はいつなのだろう?

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      破線の道へ                    道消える
引き返した。
先ほど尾根から法面につけられたコンクリートの細い道のすぐのところに、破線の道と思われる踏み跡があったのでそれを辿る。
道はだんだんと藪になり、やがて途絶えてしまった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      荒れた林道へ            住居地跡の開けた場所から
かまわず突っ切ったところ、林道に飛び出したが、利用されている気配はなく、荒れ放題。
11:50、石垣が現れ、前方に1018峰が見える開けた場所に出る。
地図には標高420mから480mの間に三軒の民家が描かれていて、そのうちの一軒が、林の中にぽつんと建っているのが見えたが、廃屋だった。
ミツマタコウゾを栽培していたのだろうか、ところどころに花芽をつけたミツマタの木が斜面に生えている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     大休止
廃屋から少し離れたところの空き地に座り込み、空を見上げながらお昼ご飯とした。
おにぎり二個、一個はチャーハン風、一個は梅干しとアラメの煮込み風。
牛乳が乾いた喉を潤してくれる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    荒れ林道①                     荒れ林②
破線の道は途絶え藪の中、林道を追うことにした。
林道はときおり枝分かれしており、しばし立ち止まったり、迷ったり。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       小さな祠                 荒れた林道③
13:00、1018峰の西尾根先をグッとカーブするところに小さな祠が檜の立ち枯れの傍にあった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    林道④
崖になっていたり、うっとりするような自然林の中にあったり、1018峰中腹を南東に進む。
やがて林道は破線から外れ、尾根を登ってるのに気づいた。
来た道を戻って、破線の踏み跡を探したが、見つからない。
破線が続いている方向は深い谷になっていて、歩くにも難儀しそうな雰囲気だったので、尾根上に上がる林道を歩き、迂回することにした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        炭焼き釜跡                  迂回①
突然林道はぷっつり途絶えてしまった。
踏み跡のない斜面を適当に横切りながら歩くしかない。
地図で1352峰の北西尾根の先にある破線三叉路をしっかりと頭に入れて、その尾根に向かって進む。

13:50、炭焼き釜跡の石組みが現れた。
道は獣道同然の状態だったが、たぶん、かつて炭焼きのために通った道だったのだろう。
その薄い踏み跡も途中で水平にゆくものと、下へ下る道と二手に分かれている。
エイヤッ、気合の占いで水平に辿った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        迂回②                 破線のある尾根へ
苔で覆われた石ころや倒木を滑りながら歩いて、14:30、やっと目的の尾根に乗ることができた。
方向を北西に変え、下る。
14:45、尾根を横切るようにしてついている踏み跡に合流した。
目的の三叉路だったが、肝心の北西への踏み跡ははっきりせず、そのまま少し尾根を下って思い切り西に向きを変えた。
14:50、杉の落ち葉の上に白く塗装した金属製の器が転がっていて、その少し先から濃い踏み跡が現れ、ホッとする。
15:05、雨宿りが出来そうなちょっとした大岩。
15:15、炭焼きの石組み。
15:33、池田町三繩財産区の看板が現れ、岩を巻くようにして下ると次第に踏み跡が消え、岩ゴロに差し掛かる。
そこは地図に描かれた破線上で、谷へ向かってS字状にくるりっと巻いているところだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     滝下部
七段になった小さな滝が流れていて、その下の沢を渡るが、踏み跡なく荒れており、再び踏み跡を見つけるのにやや難儀した。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       水の引き込み               右手の林道へ
水引き込みの機械だろうか、モーターのような音がウーンと唸っていて、そこから先は林道。
林道は左上へ行くものと右沢沿いに進むものと二手に分かれていたが、エイヤー、右に進む。
犬の鳴き声と車の走る音が聞こえてきた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

           廃車                   赤川橋袂
出ました!
朝、赤川橋を渡って確認しておいた場所に、そこには棄てられた廃車が…、あら懐かしや、出迎えてくれたのね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       古い看板                    赤川橋
16:10、自分の体重でわずかに揺れる赤川橋を渡って、国道32号線へ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      下流を眺める                 赤川庄八翁
小歩危峡を流れる水は結構急流で、遠くを見つめる分にはどおってことないですが、真下を眺めると足が竦む。
余談だが登りに使った国政橋は、NHK縦断こころ旅の火野正平さんが訪れた橋だそうで、正平さんは高所恐怖症なのでした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       歩いた中腹尾根               32号線歩道
32号線を歩いて、国政橋付近の駐車地点に帰り着いたのが16:55だった。

国見山の稜線は昨年春に佐々連さんの計画で、徳善の有宮神社から川崎までをアンジーパパさんと三人で歩いたので稜線の様子は記憶に残っている。
歩きよい尾根だった。
そのときに地図を見たり、また佐々連さんの話を聞いたりして、東と西に横駆道があることを知った。
西は大歩危から正木を経由して川崎へ出る。
東は尾井ノ内を起点にして戸ノ谷、橋詰を経て、祖谷渓谷沿いに川崎へ出るが、途中、坊主谷を下って田丸、千足、山貝がある。
今回は横駆道を歩く計画ではなかったが、取り付き地点で失敗したことにより、奇しくも西横駆道の一部を歩くことが出来た。
これもなにかの縁だったのかもしれない。

国政橋8:35-10:35林道川崎国見山線10:45ー川崎国見山線通行止め地点11:23-11:55標高520m休憩ポイント(三角点・正木H897.5m南西)12:15ーこの日の最高到達地点<H840m付近>14:05ー破線道三叉路<H680m>14:50ー滝15:35ー赤川橋16:10ー16:55駐車地点(国政橋)

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間などがわかる地図)→こちら

蓮光寺山…香川県

蓮光寺山         れんこうじやま


山行日          2016年12月23日
標高           370.6m
登山口          国分寺町西奥
下山口          国分寺町北前谷
駐車場          なし(車道路肩もしくは空地)
トイレ          なし
水場           なし
メンバー         アンジーパパさん、チマチマおじさん、ピオーネ、むらくも


アンジーパパさんの呼びかけで今年もチマチマっと忘年会を開くことにした。
行き先は五色台の一角にある標高370.6mの蓮光寺山、東麓には蓮光寺というお寺がある。
五色台には名の由来となった白峰、黒峰、青峰、黄峰、紅峰などがあるが、蓮光寺山は五夜嶽、烏帽子山、国分台とともに五色台の南嶺に位置する。
今回アンジーパパさんが提唱したルートは国分神崎池の北奥の墓地から続く旧遍路道を辿って、国分台付近に登り、五夜嶽方向に歩く。
途中から南東の蓮光寺山への尾根を進み、山頂に達した後、香川県農業試験場果樹研究所へと下る周回策だ。

第八十番札所国分寺から八十一番白峰寺への遍路道は今では国分台と猪尻山の間にある谷間につけられ少し遠回りになっているが、昔は国分台へと直登し、白峰寺への最短距離を歩いたようだ。
遠回りに付け替えられた原因は国分台一帯に広がる陸上自衛隊の演習場にあるようで、国分台の北西にある標高260mから300m付近は射撃場となっている。
小さな演習場なので富士や阿蘇演習場などのように戦車や装甲車が走って、砲弾などが飛んできて、ドッコンバッコン音を立て、土石を跳ね飛ばしたりして炸裂はしていないが、一応実弾の訓練場であることには間違いなさそうだ。

因みにここ国分は国府のあった府中から国分寺にかけて、古代における讃岐の中心地でもあった。
そして、城山や金山、常山と同じく五色台の青峰、白峰、国分台と蓮光寺山はサヌカイトで有名なカンカン石が採れる山として知られている。
それがどおしたー。
そんなことは讃岐で住んどる人間なら皆知っとるがって言われそうだが、そういうことでした。


10時に県道33号線沿いにあるコンビニで待ち合わせをして、下山口の香川県農業試験場果樹研究所付近に車を止める。
購入したばかりのアンジーパパさんの新車に乗り合わせて、登山口のある西奥へと移動、注意しないと塀にこすりそうな細い道、できれば軽四でいくのが正解だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         墓地                  簡易舗装路
奥まったところに墓地があって、その空き地に車を停めさせてもらった。
お天気は朝方は雨が降っていたが、10時前には止み、いまはお陽さんも射し込んでいる。
気温は朝から10度とこの時期にしては高く、日中は14度になる予想。
10:15、持参した厚鎌を手にして、お堂とお墓の間にある細い道を歩きだした。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          丁石                   雑木林
旧遍路道への入り口付近には14丁目と記された地蔵仏があった。
昔はこの丁石を辿ってお寺まで歩いていたようで、歩いた目安、あるいは目的地までの距離を知るために重宝されていたようだ。
1丁は60歩、1歩は6尺、1尺は30.303cmだから1歩は181.818cm、1丁はおおよそ109.09m。
この場合の1歩は歩幅の1歩とは異なるが、歩幅にすると現代の人と比べて小柄な昔の人だとおおよそ3歩分だろうか。
(注)普通の歩幅は身長✖0.37cm、早歩きの歩幅は身長✖0.45cm

14丁はたぶん第80番札所国分寺を起点にした距離だと思われる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    旧遍路道を示す看板               プチヤブ
一本の杉の木?の幹に小さなブリキかトタンの板が括りつけられていた。
 遍路通行の皆様への〇願い
但し 山上で陸上自衛隊爆破訓練実施中〇、危険に付き絶対〇〇〇は出〇ま〇〇。
引き返〇、〇回〇から〇〇〇〇〇
                国〇寺〇同好会
ところどころ字が剥げ落ちており、相当に古いモノのようだった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      ヤマコウバシ               遍路坂大師跡
道はほとんど消えかけており、落ち葉も重なってわかりにくかった。
頼りはところどころにある道しるべのお地蔵さん。
一か所倒れてしまったお地蔵さんがあったので起こし直した、南~無

山桜だろうか朽ちかけた倒木の陰に小屋が見え、近寄り中へ入ってみると、国分大師講中によって建てられた遍路坂大師跡の小さな碑があった。
碑によるとここにあった大師堂は平成7年に国分寺境内に移転されたことになっている。


Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     ところどころに…              遍路道の…

いくらか藪化しているが、ところどころには踏み込まれた道が残り、また木の枝には当時のお遍路さんたちが書いたものと思われる札などが残っていて、往時が偲ばれた。
振り返ると登山口下にある神崎池や、少し南にある鷲ノ山が梢の間からちらちら見え隠れしている。


Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       サルトリイバラ             法界万霊塔礎石?
棘のあるサルトリイバラの赤い実が、冬枯れた山で、わずかばかり心を和ませてくれる。
今年はさる年、あと9日も経つと年が明けとり年になる。
このイバラは本来の由来は知らないが、年を跨いで引き継いでゆく、丁度いましかないという名前を持っている。

いくつかのお地蔵さんを通過したあと、22丁目のお地蔵さんになるだろうか、その傍らに法界万霊と刻まれた台座だけがぽつんと残されていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       落ち葉踏み…             ベッド踏み荒し魔
この冬は寒さが厳しくなるだろうといわれていたが、蓋を開けてみると暖冬で、晩秋も暖かかった所為もあってか、里山ではツツジの花や野生の菊などもあちこちの斜面でかわいらしい花を咲かせている。
ネズミモチの木にもネズミの糞のような真っ黒なコロコロした実をたくさん成らせていた。

やがて道は緩くなり、前方がやや開けた場所に差し掛かったが、出口と思しきところがイノシシのふかふかベッド、わたしは避けて通ったが三人はドカドカと踏み荒らしながら通過した。
こんなことをしてはいけません。
ベッドを土足で、きっとイノシシ大明神の祟りがあるにちがいない。
坊主さんことチマチマおじさんなどは、蹴散らかしていた。
過去にメスイノシシにストーカーされたか、追っかけられたかして、恨みがあるようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       防火帯                     番の州
開けたところは結構太く長く刈りこまれた防火帯だった。
遠くに坂出番の州にある四国電力発電所施設が見え、その奥に牛島、本島、広島の瀬戸の島が浮かんでいた。
島の左端高いところが広島・王頭山のようだ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

              堂山とおむすび三兄弟
時刻は11時半、お昼には少し早かったが、アンジーパパさんの号令でここで焼肉忘年会とした。
座った場所はやや強く風が吹く位置を避けて、眼下に堂山とおむすび三兄弟の里山が眺められる絶好のロケーション。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      風を避けて…                忘年会
防火帯の北側には自衛隊の演習場があるのだが、シーンとしていて、賑やかなのはわたしたちだけだ。
アンジーパパさんが、キロ単位で買ってくれた、美味しそうな大きな肉の塊りがリュックザックから取り出され、ドサッバサッと分けられた。
購入したときは一つの固まりだったそうで、そいつを自宅にある包丁でチャリンチャリンいわしながら、夜中にニタッと笑いながら切り分けたとか。
黒毛和牛かはたまたジブリか、そう言った。
即、チマチマおじさんに窘められた。
間違ごうとるが、ジブリやのうてジビエじゃが。
ギャフン!

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       ジュー                   お裾分け
涎をタラタラ垂らしながら焼くチマチマおじさんと、恐怖に慄きそうな性格をひた隠しにした優しい姿のアンジーパパさんが、このあと焼けるのを待ちきれずに血の滴る肉にガツガツ食らいついていた。
食った食った、肉だけでお腹がいっぱいになった。
ギャル曽根なんかは3kgの肉をペロッと平らげ、まだそれでも足りないそうだが、いったいどんな胃を持ってるんだろう。
あんなにかわいい顔してきゃしゃな体で、一方で水だけ飲んでも肥える人もいてるし、人って見かけではわからんもんです。

食後にドリップコーヒーを淹れた。
アンジーパパさんが、コーヒーが一番おいしいと言った。(<一番>とは言ってなかったが空耳で聞こえてきた)

それがどおしたといえばそれまでだが。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 フンコロガシ
ひとしきり話に花を咲かせた後、防火帯を西に進む。
糞がそこら中に転がっているが、イノシシだけではなさそう。
今話題の全国で繁殖しているアナグマなんかの糞もありそうだ。

アンジーパパさんが足元の小石を拾った。
カンカン石と云われているサヌカイトだった。
二つ拾って打ち鳴らす、キンキンと響きいい音がする。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       フンフン                三角点・国分台
因みに今も売っているかどうかはわからないが、屋島でかつて販売していたサヌカイトの石琴はここ蓮光寺山で採れたものらしい。

防火帯より離れた少し上にある三角点・国分台に立ち寄った。
学者のように熱心に調べるチマチマおじさん。
おじさんはかつてアオバトを追っかけていたこともあるらしい。
アンジーパパさんもチマチマおじさんも、わたしの知っている人たちのなかではなかなかの研究者肌だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   蓮光寺山
西に進む防火帯は下っていて、その左手にこれからゆく蓮光寺山が間近に見えてきた。
その麓には温泉に関わる施設があって、建物が見えている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      防火帯鞍部                小さなピークへ
鞍部に着いたが、防火帯はその先大きく右にカーブしている。
ここから防火帯を離れ、315mピークを右に巻くようにして西に進んだ。
アンジーパパさんの五夜嶽の説明では、五夜嶽はもともと後夜嶽と書かれていたものだが、空海さんがここ中腹にある岩屋にたびたび足を運び、作法を修めた道場で、その修験場だったとこらしい。
後日に地図で確認したところ五夜嶽山頂から西に下ったところに新池があるが、その中間あたりに岩屋寺がある。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         ロープ                  境界石
315ピークを巻いて鞍部から上りに差し掛かったところには、右側に三筋か四筋ものロープが張られており、そのロープ奥は五夜嶽砕石場の崖になっているらしかった。
足元にはいくつもの境界石。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       五夜嶽                     番の州
標高おおよそ350m、紅白のポール二本と赤いコーンのあるピークに到達し、その右の崖側に立つ。、
削られた五夜嶽がトラックや重機の通る幾筋もの道の段となって目の前に現れた。
左奥遠くにはやはり坂出番の州の工業団地が見え、右手にはかんぽの宿だろうか白っぽい建物が山の上に小さく見えている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        水神社                   狛犬
ピークを少し進んだところにこんなところにと思うような立派な神社があった。
アンジーパパさんが、地図に載っていない不思議な神社だと言ってたが、破線の道も描かれていない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         鳥居                   雑木林
狛犬にも本殿にも、傍らの小さな祠にも今年のものと思われる新しい注連縄がかけられている。
特に狛犬などは、土佐犬の横綱と見間違うような立派なものだった。
鳥居の額には水の一文字。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         防火帯                    鞍部へ
鳥居をくぐって南東に下ると人の手が加わった台地状の雑木林があって、その下はヤブでふさがっている。
強引に下った、ヤブからは国分台方面が見え、歩いた防火帯が一直線にひっかいた傷のようについていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        ヤブ突入               厚鎌フリフリ
ススキとイバラのヤブに突入。
後方からおばちゃんの悲鳴が上がり、チマチマじいさんが鎌で払わんかいの号令が頭越しに降り注ぐ。
鎌を持ってきてるのはわたしだけで、アンジーパパさんと先頭を交代し、あたりかまわず振った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         ホエーッ              ホエホエーッ
ヤブはほんのちょっとの距離で、すぐに砕石場の端っこにある砂利置き場に出たので助かったが、それでもイバラが体中にまといつき、身動きできないし、痛かったー。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     再びヤブ突入                   急登
砂利の上を歩いて、再び樹木の覆い茂るヤブに突入。
時間が経つばかりだったがどうにもならない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        笹ヤブ                蓮光寺山山頂
今度は笹ヤブに突入。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      三角点・鴨                  踏み跡なし
14:45、紅白のポールとぶら下げられた小さな山頂標識板を笹ヤブの中に見つける。
傍らには三角点・鴨の石柱が埋設されていた。
帰宅を急いでいるチマチマおじさんは、藪の中で時計を見ては焦っていたが、三角点を見つけるなりくしゃくしゃっとした顔をして抱きつくようにして近づく。
笹クズを含んだ汗と鼻水が額と口を伝って地面にポトポト落ちてゆく。

ところがその感動を吹き飛ばす出来事が起きた。
左肩に付けていたアンジーパパさんのGPSがない。
下山する者と引き返す者と二手に別れて捜すことも考えたが、アンジーパパさんは後日に探しに来るので今日のところはこのまま下山するのでいい、きっぱし宣言した。

そうと決まればゆっくりはしておれない。
すぐに下山開始、南へ直進。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     焦るアンジーパパさん              遮二無二
進む方向に踏み跡なく、三度灌木の茂るヤブに突入。
普段おっとりしているアンジーパパさんも時計を気にして焦りだした。
ただでさえ薄い頭を枝でひっかき、シャツを突き、目と鼻を笹がこする。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       暖かい冬                    ススキヤブ
やがて踏み跡が見つかりホッとするが、すぐに消える。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        ヤブ林道                   くくり罠
突っ切ると林道に下りることが出来ると言ってたアンジーパパさんの言葉通りに、林道に下りられたが、結構な荒れ林道だった。
林道は、そのまま直進すると車の駐車した位置から遠く離れた国道11号線に出てしまうので、途中で左折し東へと向きを変え、ジグザグっと下ったところで農業試験場の柵に突き当たった。
傍にはイノシシのくくり罠。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      イノシシ柵を開ける                試験場内
一か所、扉があって、そこから中へ入らせてもらい、内から扉をしっかりと紐でくくり閉めなおす。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         門扉                  駐車地点へ
駐車地点についたときは下山予定としていた時刻をややオーバーしたが、許せる範囲だったようで一安心。
つつがなく忘年会を終え解散、それぞれの新たな年の活動を祈念して家路についたのでありました。

落としてしまったGPSは後日に、アンンジーパパさん自らが、落としたと思われるところを絞って歩いた結果、発見したとのこと、安堵しました。

この山がなぜ麓のお寺の名を冠した蓮光寺山と呼ばれるようになったのか、気になっていたので、帰宅後にログを地図上に落とし込んで繁々と眺めた。
蓮光寺の墓地と思しきところからからわずかばかし西北に延び、途中で消えている破線の道が目についた。
ひょっとして蓮光寺の名を冠したこの山の登山道は、ここが元々の登山口ではなかったのか、そうでないと蓮光寺山の意味がない。
機会があればもう一度付近を歩いて、この疑問を確かめてみたいものだ。

登山口10:15-遍路坂大師跡10:40-11:30防火帯12:20-防火帯鞍部12:50-水神社13:20-砂利置場13:40-蓮光寺山14:45-林道15:25-15:50下山口

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間がわかる地図)→こちら

牛ノ背・天狗塚…徳島県

牛ノ背、天狗塚          うしのせ、てんぐづか



山行日              2016年12月30日
標高               1757.2m、1812m
登山口              三好市東祖谷西谷林道 堰堤西
下山口                   同上    天狗塚登山口
駐車場              林道拾い路肩もしくは天狗塚登山口付近
トイレ              なし
水場               おかめ避難小屋直下
メンバー             ピオーネ、むらくも


今季初の雪山歩きをどこにするか、いろいろと検討した。
四国の山の積雪量はこれまでのところ例年に比べてやや少なめで、高所に行かないと楽しむことはできないかもしれない。
目安、標高1800m以上の山、となると限られてくる。
石鎚山系11、剣山系8、矢筈山系1の20山になるが、例えばちち山と笹ヶ峰や剣山と次郎笈などはセットになるので、実際には半分近くの11山に絞られてしまう。
さらに周回となると7山、冬山での自分の力量に見合った山となるとわずかに5山しかない。
天狗塚ー牛ノ背、剣山ー次郎笈、石鎚山、瓶ヶ森、筒上山ー手箱山のうち最も歩きよいのは前二つだろうか。
登山口が自宅から近い天狗塚ー牛ノ背へ行くことにした。
暮れも押し詰まってるので、2016年、年納めの山歩きになる。


近くを流れる川には冬になると多くのカモメやカモたちが集まってくるが、暖かい日が続きまだ数は少ない。
冬鳥たちは、寒さが厳しければ厳しいほど、数を増やし、川やため池の近くの田んぼや畑に入り込み、雑草をついばむ姿が見られる。
此処二日間ほどは、やや冷え込んだためか、早朝には川から鴨の賑やかな鳴き声が聞こえていたが、どこへ行ったのか今日は聞こえてこない。

AM6時過ぎ、標高400mほどの猪鼻トンネル付近の気温は0度、この時期にしては暖かい。
雨後の空はやや高雲っていたが、天気予報では晴れになる予定。
山間に筋状の雲が漂っていたので、これが抜けると青空が広がるだろう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         堰堤                  造林小屋
大歩危橋を渡って、標高おおよそ500m祖谷トンネル付近に来たが、例年だと道端には雪が積まれていたりするのだが、さっぱりない。
蔓原から西山林道に入って、最終民家を過ぎた標高900mあたりから道には白いものがチラホラ、ところによっては凍りついて光っている。
二駆から四駆に切り替え、ヒヤヒヤモードでダート道を走り、雪が薄く積もった堰堤傍に停める。

8:35、堰堤より120~130mほど西山林道を北西に下ったところに、新しく造成された林道があって、そこから登りだす。
冬山といっても特別なものは簡易アイゼンとアルミ製のワカンのみ。
着てるものは普通の肌着にシャツ、その上にスポーツショップで売っていたアノラックパーカー。
ズボンも裏起毛がついたもので、これも普通のスポーツショップで1980円で買ったやつだ。
足元はスリーシーズン用の登山靴に6本爪簡易アイゼンとスパッツ。
無積雪期にはバランスを培うためにもストックは使わないが、積雪期だけは足元が不安定になるためダブルで使用することにしている。
ピッケルは積雪おおよそ50~60cm以上で斜度がきつい山での使用に限っているので、今回は持参していない。
ザックには念のために山の上で一晩明かす程度のものは放り込んでいる。
ワカンも必要ないと思ったが、妻が持って行ったほうがいいと言い張ったので、仕方なくザックに括りつけた。
妻にはむやみと逆らわないことにしている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       伐採地                  森林限界付近
林道は亀尻峠から牛ノ背へと続く尾根上直下までジグザグに造成されているので、素直に従い、岩のある鞍部に到着。
一呼吸おいて、岩の左横から南南東方向に尾根を登る。
やがて植林地を抜け、小さな自然林の伐採地に出る。
ここからしばらく登ったところで、左側が切れ落ちた緩やかな勾配になる。
おおよそ標高1580mあたりでもみの木だろうか、クリスマスツリーの生えた感じのいいところがあって、ちょいと西の小高いところへよって、樫尾阿佐尻山や弘瀬山を眺めながら一呼吸。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        ミヤマクマザサ               十字路
森林限界を越えると一面ミヤマクマザサの茂る斜面を上るが、登山道にはいくつもの獣道が横切り、さまざまな足跡が残されている。
突然茂みの中からピーッと高い鳴き声が2~3度響き渡り、その後シーンと静かになったと思いきや、ダーッと斜面を横切るいくつかの黒い影。
妻がシカちゃーんこっちおいでー、逃げなくていいよーとちゃん付で呼ぶ。
シカちゃーんと言われてもな、シカとしては困ってしまうよな。
4~5頭走ったが、先頭を走る一頭が、どうしたらいいんだろうという風な目で妻を見た…ような気がしたが…???
後ろから走るシカは知らぬ顔して前を向いて、懸命に先頭についてゆく。

その後もいくつもの集団で走り抜けた。
見た目にはドドドドーッと音を立てて走っているように見えるが、実際には音はしない。
シーンとして、白い雪原をしなやかな体をしたシカが、スススーッと動いてゆく無声映画のワンシーンを眺めているようだった。
多い集団で10頭前後いただろうか、それが5回6回と続くが、不思議なことにすべてのグループが左手から右手(北から南)へ。

前方に天狗塚の頂がちょこんと見える十字路に到着。
ここを左折し、三角点へ向かう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                三等三角点・古味
11:45、三角点のあるミツコバに到着。
樹林帯では汗がしたたり落ちたが、さえぎるものがないここではさすがに風は冷たく、汗は一気に引く。
手袋を脱ぐと指がかじかみ、ジーンと痺れて痛いと感じた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        牛ノ背                    岩棚
モノトーンだった三角点を離れてすぐに、雲は退き、青空が広がり始める。
岩陰で風を避けて昼食をとる。
おにぎりなどのご飯類は冷たく凍りつくこともあるので、冬山のおともにはサンドイッチと決めていて、変な取り合わせだがインスタント味噌汁で流し込む。
暖かいものを飲むと気持ちがストーンと落ち着くのだ。
因みに朝食は車の中でおにぎりと豚骨ラーメンだった。
豚骨は脂分たっぷりの、ガーリックこってりでむつごかった。
もう二度と食べたくない、豚骨ラーメンは年寄りには合わない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     アニマルトラック                  コメツツジ
登山道には小さくてかわいい二点と尻尾を引きづったネズミの足跡が点々と続いている。
この山域ではシカが圧倒的に多いが、樹林帯では三点のリスの足跡も木の根元から次の木の根元へと残されていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

               天狗塚と天狗の池
足を運ぶ都度、じわりっと天狗塚の大きさが増してきて、次第に威圧感を感じるようになる。
この山はその姿形から、見た目にも恰好いいのだ。
表現はよくないかもしれないが男らしいのだ。
グンと胸を張っていて、それほど大きくはないのに雄大に見えてしまう。
妻もしきりとカッコいいと何度も呟く。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         天狗の池                  天狗塚
池は凍りついていて、奥に一つ、手前に一つ、光を反射し白く輝いていた。
道は天狗へ向かって一直線。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        牛ノ背                    天狗斜面
急登の深く掘れてしまった道をグッと上って牛ノ背を振り返る。
再び上を見て、霧氷で真っ白くなったコメツツジを仰ぐ。
視線の先には歩く妻の頭の上から、太陽が逆光を浴びせかけ、ちょい太り気味のシルエットを浮かび上がらせる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         霧氷                    天狗塚山頂
美しい。
低い木はコメツツジだが、やや大きいのはなんの木だろう。
春にも夏にも登っているが、ここは喘ぎながら登る所為もあって、木の種類など見てはいない。

13:15、先行者のトレースの残る山頂に到着。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         南斜面                   天狗峠方向
いくつもの獣道が走る南斜面、その遠い、直線距離にしておおよそ50kmほど先には高知沖の太平洋が輝いていた。
西山分岐に一つの影が立った。
ほんの少しして影は見えなくなったがこちらに向かってくる気配はない。
おそらく山頂に残されたトレースの主で、おかめ方面へ行ってたかしたのだろうと思った。
後日に、その方はアカリプタさんだったことが判明、もう少し私たちの足が速ければお会いしてたのに、鈍足はこういうところでも損をする。

ほんの5分ほど山頂で景色を楽しんだという感覚で、西山分岐へ向かったつもりだったが、後日にログで確かめたところ20分も留まっていたようだ。
たぶん、ボケーッとしていたのだろう。
時間の感覚がズレてしまっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                   鞍部へ
何度見てもこの風景飽きない。
天狗の山頂から、この岩のある鞍部を撮った古い写真を自宅に飾っていて、当時を思い出すたびに懐かしさがこみあげてくる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

            天狗塚へ向かう光石からの登山者二人
14:00、西山分岐に到着し、その場に座って熱いコーヒーを淹れ、天狗を眺めながら飲む。
たぶんご夫婦だろう、男女ペアの方が地蔵の頭からやってきた。
光石から登って、今夜おかめ避難小屋で泊まるとのこと。
ヒョー!
いいなー、なんちゅうたかて、今夜も明日もいい天気に違いない。
山の上で夕日と朝日がみられるなんて、ヒョーヒョー!
妻が見てもいない景色を頭に巡らせて、感動し目をうるうるさせていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        西山分岐                 下山
二人が天狗塚へと向かったのを見届け、わたしたちは下山することにした。
アカリプタさんのトレースが雪の上に残っており、迷うこともなく安心して下りられるので随分と楽だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        笹と霧氷               祖谷山系と霧氷
積雪は10~15cm程度で、笹原は青く、ほんの少し西に傾いた太陽光のお陰もあって、霧氷がひときわ浮き出て見える。
祖谷山系を眺めながら下る。
稜線は西の端から国見山、形の良い中津山、意外となだらかな寒峰、サガリハゲ、落合峠、そして矢筈山から黒笠山を経て津志嶽へと流れ込む。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         影                   1476m峰
冬至が過ぎ、幾分か日が沈むのが遅くはなったが、それはほんの気持ち程度で傾くのは早く、雪の上に延びる木の影は長い。
15:10、1476m峰に到着。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       矢筈山                   天狗塚登山口
祖谷山系最高峰の矢筈山が垣間見え、麓にある段々と重なった久保集落の家々は、ほんの少し赤みを帯び、やがて夕陽に染まってゆくのだろう。
15:40、鉄階段のある登山口に下りてきた。
ところどころ凍りついている西山林道を、足をツルツル滑らしながら堰堤へ、妻と二人トボトボと歩いた。

堰堤8:35-亀尻分岐9:25-三角点・古味11:45-<途中20分休憩>-天狗の池12:50-13:15天狗塚13:35-14:00西山分岐14:15-1476m峰15:10-天狗塚登山口15:40-16:30堰堤

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離・時間などがわかる地図)→こちら

男木島…香川県

ズッコ山、コミ山、ミ山    ずっこやま、こみやま、みやま


山行日            2017年2月8日
標高             185m、212.8m、39.5m
取り付き地点         回遊道東周り途中
下山地点           男木島灯台
フェリー時刻表        こちら
フェリー料金表        こちら
トイレ            男木港、男木島灯台
水場など           男木港および灯台に自動販売機有り
メンバー           ピオーネ、むらくも


1月下旬ころに男木島に咲く水仙の花便りが届けられた。
それ以来、妻の大きなお尻がむずむずそわそわと落ち着きがない。
アラカン(55歳以上64才の年代の呼称)を過ぎたころから、それなりにスマートだった妻が体重を増し続けた。
しかし、このときばかりは柳腰のように、花という微風にふわふわと揺れ動く。

2月のある日、隣に寝る妻の布団の中から「男木島の水仙、もう満開やろな~」と嚊交じりに聞こえてきた。
オットットー、普段、優しくない夫ではありますが、こんな寝言を聴いてしまうと行かないわけにはいきません。
訊かなくとも返事は解かってはいるのですが、翌日妻に、阿讃山脈の相栗峠の西に標高889mの鷹林山という山があるのだが、この山へ行くのと、男木島にあるズッコ山、コミ山へ行くのとどちらへ行きたいかと尋ねてみた。
しかし、意外なことにすぐには返事がなく、少し間を置いた後に「男木島」と呟いた。
間が空いたのは、酉年である今年の干支の山、そして雪山にも魅力あってのことらしい。
要するに妻は欲の皮が突っ張ってお腹の肉がぶ厚いのだ。
本人は口を閉ざしていわないが、腹回りの脂肪には、普段から気にしている。
いったい何センチだろう?まさかの1m超え?


島の地図をパソコンの画面で広げてみた。
灯台は北の端でトウガ鼻にあって、水仙郷はその付近の山手側にある。
島一番の高い山が標高212.8mのコミ山、そして南に2番目に高い標高185mのズッコ山がある。
さらに南にはコモガハマという砂浜の海岸の上にデン山があって、南端に三角点のある標高わずかに39.5mのミ山がある。
一先ずズッコ山からコミ山へ抜けて灯台へ下り、時間があればデン山とミ山へ寄ることにした。

6時自宅を出発し、7時過ぎ、高松港西にある一日490円の駐車場に車を停める。
400円というのもあったが、少し遠くて、駐車スペースが小さい。
トコトコ歩いて切符売場へ。
第三桟橋には大勢の人が並んで乗船を待っていたが、それは小豆島行きの高速艇だった。
国鉄宇高連絡船がなくなって久しいが、当時の賑わいには及ばないものの、港にはまだまだ人が多く活気がある。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         高松港                 めおん甲板
8時ジャスト、女木島、男木島行きのめおん2号の赤いフェリーは出港した。
めは女木島のメ、おんは男木島のオンらしいのだが…?
ほんとうだとしたら、なんとも俗っぽ過ぎるが、覚えやすい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          女木港                 豊玉姫神社鳥居
20分で女木港に着いた。
草刈用の鋏を持って登山靴を履き、リュックサックを背負った団体の方たちがワサーッと一斉に下船した。
登山道などを整備しに来たのだろうか。
妻が切符を買う時に、女木島にも寄りたそうにしていたが、低山とはいえ男木島の山を北から南まで歩いて、その後に女木島にある山歩きは無理だ。
そういえば、女木島の山は一つはカタカナでタカト、もう一つは鷲ヶ峰、今年の干支の山だわ。
どおりで寄りたいというはずです。
やはり妻は根っからの欲張りだ。

8:40、男木港に着いた。
山へ登る人はわたしたち二人だけのようで、フエリーから降りた人たちの姿は三々五々、あっという間に港から消えていった。
とりあえず、港すぐのところにある豊玉姫神社の鳥居をくぐり、坂の参道を上がってゆく。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    女木島へ向かうフェリー               寒桜?
急な石段の先にはもう一つの鳥居が見えており、社はそこにあるようだったが、登る途中で振り返ると丁度わたしたちが乗ってきたフェリーが港から出て、女木島へ行くところが瓦越しに見えた。

寒桜だろうか、それとも寒緋桜だろうか、早咲きの桜にもたくさんの種類があってよくは判らないが、時期的に見て、少なくとも川津桜や寒桜よりも早い。
この時期だと普通は緋寒桜とも緋桜ともいわれている寒緋桜が妥当だが、島で咲く花は早いので、寒桜かもしれない。
どちらにしても花や木の肌から観察できるような知識は持っていない。
島はもう春だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        島の猫                   あんた笑ってるの?
船から降りた時にも猫はちょろちょろしてたが、細い道を連ねている家陰のあちこちからのそっと出てくる。
瀬戸内の島は猫が多い。
昔、ねずみ対策のために、船には猫を積み航海していたらしい。
特に外国からくるオランダ船は法律で義務付けられていたとか。
長崎に上陸し、やがて瀬戸の島々や港へと…。
そのうち尾曲がり猫はインドネシア出身というのが分かっている。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       東周り回遊道                  島々
神社の傍にある豊玉姫神社の由来が書いてある案内板を読んだり、サイカチの木や大きなウバメガシを見学したりしていると、島の男性がなにか作業をしていたので、ズッコ山に登る登山口を訊ねてみた。
いまはヤブだらけでイノシシの柵を施しており登り口はないとのこと。
危険なので、もし登るなら注意してくださいねと云われた。
東周りの回遊道を歩き、それらしいところを探ってみた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       紅梅・白梅                  イノシシ柵
道端には荒れた畑ばかり、そこからは瀬戸内の島々が見え、畑に残された梅の木には紅白の花が咲き、いい匂いを放っている。
山手にはいくつもの畑へと通じるコンクリートの上り口があったが、どれもイノシシ柵が施され、その先はすぐに踏み跡は途絶えカヤや灌木が生い茂っている。
おいそれとは入れない状態だ。

島の半分ほどのところまで回遊道を歩いて念入りに探したが、見当たらない。
引き返して、エイヤッという気持ちで、一つの入り口から上がって、イノシシ柵の扉を開けて入った。
すぐに藪になった。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         ヤブ                    ズッコ山
上がっても上がっても石垣が現れ、灌木と、カヤと、イバラとクスドイゲと笹ばかり。
ズボンや上着がピリパリ音を立て破ける。
妻がときどき棘で手や顔をひっかく。
それでも先頭になって大きな体をこじりながら懸命に上へ上へと登る。
ちょんまいわたしは後ろからついてゆく。

やがて、上が透けて見え、笹ヤブを突っ切るとそこはズッコ山だった。
いま思い返せば、山頂近くまで畑はあったようで、そこここにイノシシの掘り返した跡と、笹をサークル状にきれいに寝かしつけたイノシシのベッドがいくつも見受けられた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        ヤブ尾根                     石垣
山頂の回り、特に南側に踏み跡がどこかについてないか確かめてみたが、北への尾根筋にわずかにテープと極めて薄い踏み跡がついているだけで、他には見当たらなかった。
尾根筋を北に向かってコミ山の途中にある鞍部へと下った。
それはほとんどヤブ同然だった。

やがて鞍部へ着いたが、国土地理院に記されている東西から上がってくる破線の道は、これも見あたらなかった。
推測だが、イノシシ柵を施した結果、わざわざ入って歩く人はなくなり、次第にヤブ化してしまったのでは思われる。

鞍部から少しコミ山へ上がったところに石垣があってテープとロープが施されていた。
手前で座り込み一休み。
野菜スムージーとポンカンを食べる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        五剣山                三等三角点・男木島
汗が噴き出し、上着を脱いで尾根を北へ追う。
コミ山に近づくに連れ次第に踏み跡がはっきりしてきた。
途中、見晴らしがいいところがあって、そこからは明瞭な尾根道が続く。

11:21、三等三角点のあるコミ山に到着。
点名は男木島。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     小さな山頂標識                  西へ下る
北尾根に下るルートがないか探りに行ったがヤブだった。
もし下ったとしてもタンク岩あたりの崖へ行くのではないかと思われた。
西側に明瞭な踏み跡が続いていたので、それを下る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     展望台
10分ほどで東屋のある展望台へ降りてきた。
ちょっと見にはコミ山への踏み跡がどこにあるかよくわからないようになっていて、逆取りコースを辿るときは要注意箇所かもしれない。
※写真の東屋奥の低い笹ヤブのところに薄い踏み跡有り。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    直島、玉野方面
東屋からは岡山方面の景色が開けていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

        ジイの穴                   水仙ロード
道標に従いジイの穴へ向かう。
女性4人が穴の入り口から奥を覗きこんでいたが、お一人が中へ入った。
わたしも中へ入ってみた。
奥左側に出口があって、外の光が暗い洞窟の中に差し込んでいる。
入り口から出口へ小さく1周して外へ出て、洞窟の説明板を読んだところ、危険につき穴には入らないでください、アチャー。
この穴は、鬼ヶ島から逃げてきた副大将のジイという鬼が逃げ込んだところらしい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                      タンク岩
木段の道を下ってタンク岩へ。
道には水仙の花が咲きとてもきれいで、その先には第一水仙郷の水仙群生地が山手側にあって満開だった
黒っぽい石(玄武岩)がガラガラ崩れた先に大きく尖った柱状節理のタンク岩があった。
ホー、大きな溜息一つついて元来た道を引き返す。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 灯台への遊歩道
灯台へと下った。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                第二水仙郷と灯台
第二水仙郷には木のベンチがあって、そこからは抜群の景色。
お昼ご飯とした。
観光客がワンサか、傍を賑やかに話しながら通り過ぎてゆく。

こちらにも回遊道があるぞ、港まで何分かかるんだろね、知らないかい。
おー、いいところでお弁当を食べてるねー、おいしさも2倍ですな。
上へ行くとジイの穴があるぞ、バアの穴はないのかや。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                 水仙郷と遊歩道
水仙の匂いがプンプンする。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     男木島灯台
灯台は「喜びも悲しみも幾歳月」という映画の舞台になったところ。
一人の男性が、主題歌のテープが擦り切れてさ、聴くことが出来ないから、スマホでユーチューブで聴きながら歩いてんだよ。

それではお聴きください。
喜びも悲しみも幾歳月→こちら
※この歌を聴いて懐かしいと思った人、涙が出た人、年齢がわたしと変わらないかもしくは大先輩です。            

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       西周り回遊道                じょうごカフェ
ツワブキの群生する海岸沿いの道を歩き、港へと帰る。
途中に、放牧場の跡があったり、人生をヨットに捧げた方の碑があったり、カフェがあったり、梅の花が咲いてたり、退屈しない。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

                    男木港
男木港に着いたが、時刻は13:10、高松行きの船は10分前に出たばかりで、次の便は15時丁度。
予定していたミ山へ寄ることにした。
※デン山はイノシシ柵のため近寄ることが難しく思われたので断念

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

       加茂神社鳥居             ミ山山頂と三角点
墓地を過ぎ、しばらく歩いたところで加茂神社の鳥居に出た。
鳥居をくぐり本殿へ。
社左奥にダンチクか竹かのようなトンネル状の入り口があって、踏み跡を辿ってゆくと、やはりイノシシ柵が張り巡らされている。
一か所柵の扉があったので開けて中へ入り、ヤブをかき分けてゆくと、一番高いところに三角点があった。
標高39.5mミ山山頂、四等三角点・男木島南で、傍らには〇米さんの黄色い点票が木の幹に括りつけられていた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

         南端                   五剣山と屋島
ミ山からさらに南へ下り、海岸縁に立つ。
そこは男木島最南端の位置で、一本の角を生やしたような五剣山と屋島が見えており…

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

    おむすび三山と勝賀山               ミ山の岸壁
女木島の右手奥まったところには六ッ目山などのおむすび三山と、三角錐の袋山や勝賀山などがシルエットで浮かんでいた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

     男木漁港赤灯台            加茂神社鳥居とズッコ山
港へ引き返す。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

      えんどう豆の花                神井戸
神井戸と書いて、しんどと読む。
その昔、山幸彦と豊玉姫が出会ったと云われている井戸だ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

                     猫たち
港に帰ると、係長と呼ばれている猫たちがうろうろしていて、犬で言えばノラクロ模様の…こういうのフェリックスっていうんだろうか、他の猫たちもぞろりと集まってくる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.

          男木港                   フェリー
時刻は14:14、船の出港時刻にはまだ46分ある。
猫たちを相手にコーヒーを淹れて待っている間に、乗船する人たちがあちこちからそろりと集合してきた。

春のような陽光を浴びて島歩きをしたあと、翌日には今季一番の寒気がやってきて、一転して冷たい風が吹き、空は鈍色の冬空になり、二日後、そして今日もだが粉雪が舞った。
桜や水仙、えんどう豆の花も、そして島の猫たちも、いまごろ震え上がっていることでしょうにね。

高松港8:00-女木港8:20-男木港8:40-取り付き地点9:43-ズッコ山10:33-コミ山11:21-展望台(東屋)11:
30-ジイの穴11:35-第一水仙郷11:42ータンク岩11:54-12:06第二水仙郷12:31-男木灯台12:37-男木港13:10-ミ山13:39-男木島南端13:51-14:14男木港15:00-15:40高松港

Image may be NSFW.
Clik here to view.

グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
YAMAPログ(距離、時間などがわかる地図)→こちら
Viewing all 134 articles
Browse latest View live